
概要と開発の背景
川崎 C-2(Kawasaki C-2)は、2000年代から2010年代にかけて日本の防衛省技術研究本部(現・防衛装備庁)と川崎重工業が開発し、2017年より航空自衛隊へ部隊配備が開始された双発ターボファン大型戦術輸送機である。開発の背景には、1970年代から運用されてきた国産戦術輸送機 C-1 や YS-11 の老朽化に伴う更新ニーズと、自衛隊の統合運用および国際平和協力活動の拡大が存在した。従来の C-1 は航続距離が短く、積載量も限られていたため、機動旅団の大型装備や車両の無解体輸送、さらには海外派遣における長距離進出に対応できなかった。これらを克服するため、海上自衛隊の次期固定翼哨戒機(P-1)との同時開発・構成パーツの共通化(開発費削減)を進める「C-X」計画としてスタートし、2010年の試作機(XC-2)初飛行を経て制式採用された。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、高翼配置の主翼に大型のターボファンエンジンを2基配し、T字型尾翼と大容量キャビンを組み合わせた先進的な高空戦術・長距離輸送機構造を採用している点にある。推進システムには General Electric Company 製 CF6-80C2K1F ターボファンエンジン2基(各推力約266kN)を搭載する。前級の C-1 や C-130H ターボプロップ機と比較して格段の大推力を誇り、巡航速度マッハ 0.81(約 920 km/h)という高度な高速性と、離着陸時の短い滑走距離を両立している。貨物室(長さ約15.7m×幅約4.0m×高さ約4.0m)は C-1 の約4倍にあたる最大積載量(約30t〜36t級)に対応し、16式機動戦闘車や大型ヘリコプター(UH-60J 等)を分解せず直接搭載可能である。操縦系にはフライ・バイ・ワイヤ(FBW)が統合され、P-1 との間で約75%におよぶシステム部品・機器共通化が達成されている。
運用実績と評価
2017年の制式運用開始以降、C-2 は航空自衛隊の美保基地(第3輸送航空隊)や入間基地(第2輸送航空隊)などに制式採用され、主力大型輸送機として集中運用されている。実際の運用においては、南西諸島防衛に向けた16式機動戦闘車や部隊の緊急展開、海外拠点(ジブチなど)への補給・物資輸送ミッション、ならびに大規模災害(能登半島地震等)での緊急物資輸送へ投じられた。従来の C-1 や C-130H では不可能な「大型・重量貨物の長距離無着陸輸送」を実現した実用パフォーマンスと高速性が評価されている。さらに、各種アンテナポッドを増設した電波情報収集機「RC-2」などの派生機も開発・配備された。日本の領域防衛とグローバルな輸送支援の中核を支える基幹輸送アセットとして第一線で現役運用が続けられている。
| Official Name (正式名称) | Kawasaki C-2 |
| Country of Origin (開発国) | 日本 |
| Manufacturer (製造メーカー) | 川崎重工業 |
| Designed (設計年) | 2001年度より開発が開始され、2003年6月に技術審査を通過したことで細部設計へ移行、試作機の初飛行は2010年1月26日に実施された。運用開始年については、2016年6月30日に量産初号機が納入され、2017年3月27日に開発が完了したことで正式な部隊配備および運用段階に入っている。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | 日本:航空自衛隊(第3輸送航空隊第403飛行隊、第2輸送航空隊第402飛行隊、航空開発実験集団飛行開発実験団)で運用中 |
| Crew (乗員) | 2 – 5名(防衛省資料の最小構成仕様では2名。搭載可能な人員は仕様により異なり、最大約110名、または完全装備の空挺隊員120名、座席付旅客113名など) |
| Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高 | L: 43.9 m W: 44.4 m H: 14.2 m |
| Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量) | 自重 (Empty Weight): 約60,800 kg または 69 MT (69,000 kg) 最大離陸重量 (Max Takeoff Weight): 約141 t (141,400 kg または 141 MT) |
| Powerplant (エンジン):型式、推力 | 型式: 2x General Electric CF6-80C2K1F ターボファンエンジン 推力: 1基あたり約54,000 lbf〜59,800 lbf (265.7 kN) または約50,000 lb |
| Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度 | マッハ表記: 約Mach 0.82 高度別の速度: 巡航速度として約Mach 0.8(890 km/h)とされる |
| Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離) | 戦闘行動半径 (Combat Range): 不明 航続距離 (Ferry Range): 約4,500 km (36t搭載時)、約5,700 km (30t搭載時)、約7,600 km (20t搭載時)、約6,500 km (12t搭載時)。貨物未搭載時のフェリー航続距離は約9,800 km |
| Service Ceiling (実用上昇限度) | 約12,200 m (40,000 ft)(通常の最大運航高度仕様としては 13,100 m(43,000 ft)とされる) |
| Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力 | None |
| Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数 | None |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- By Balon Greyjoy – Own work, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=113778455












