UV-18B Twin Otter

UV-18B Twin Otter
アメリカ空軍が運用するUV-18B Twin Otter

概要と開発の背景

デ・ハビランド・カナダ UV-18B ツインオッター(de Havilland Canada UV-18B Twin Otter)は、1970年代後半にカナダの de Havilland Canada(現 de Havilland Canada / Viking Air Limited)が開発した中型STOL(短距離離着陸)双発ターボプロップ多用途機 DHC-6-300 Twin Otter を基盤とし、1977年よりアメリカ空軍へ配備されたパラシュート降下訓練用輸送機である。開発の背景には、コロラド州のアメリカ空軍士官学校(USAFA)における士官候補生向け空挺・パラシュート降下訓練(Airmanship 490課程)や、空軍公式パラシュート展示チーム「Wings of Blue」の支援運用において、低速・低高度での高い飛行安定性と、未整備の短い滑走路からでも容易に運用できる優れたSTOL性能を持つ訓練機の要求が存在した。大型輸送機(C-130等)と比較してきわめて低い運用コストと、降下要員を安全・迅速に昇降させられる専用機構造を備えたプラットフォームとして、DHC-6-300 をベースとした UV-18B の調達・運用がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、全金属製の低抗力高翼構造と頑丈な固定式ランディングギアを採用し、未舗装の不整地滑走路でも安定して発着できるタフなSTOL設計思想にある。推進システムには Pratt & Whitney Canada 製 PT6A-27 ターボプロップエンジン2基(各約620馬力)と Hartzell 製3翔可変ピッチ可逆プロペラを搭載し、高揚力スロット・フラップ機構と組み合わさることで短距離での迅速な離着陸および高角度での急上昇性能を発揮する。機体キャビン部はパラシュート降下に特化して最適化されており、後部胴体左側(および右側)に大型スライドドア、安全確認用のバブルウィンドウ、ならびに高高度飛行に対応する乗員・乗客用酸素システムが標準装備されている。加圧を行わない非与圧構造の広い室内には、降下要員の着席や機装を支えるオープンプラットフォームが配置されており、低速飛行時における優れた操縦応答性と確実な降下展開メカニズムを実現している。

運用実績と評価

1977年の受領以降、UV-18B はアメリカ空軍教育訓練コマンド(AETC)傘下、コロラド州アメリカ空軍士官学校に所在する第98飛航訓練飛行隊(98th Flying Training Squadron)に制式採用され、運用されている(機体管理・保守はピーターソン宇宙軍基地等を拠点に実施)。実際の運用においては、年間1,200名規模の士官候補生に対する空挺基本訓練や、国内外の競技会・エアショーにおける「Wings of Blue」の精密降下パフォーマンスを長年にわたり支え続けた。短時間で離着陸を繰り返す過酷なピストン運用環境下においても抜群の耐久性、優れた低燃料消費率、ならびに高い飛行安全性を保持している点が高く評価されている。アラスカ州兵向けの汎用輸送型 UV-18A や、新世代の Viking DHC-6 Series 400 をベースとする最新型 UV-18C への発展の根幹となり、現在においても若き空軍士官へ空挺技術と自律的な航空精神を教育する基幹アセットとして第一線で現役運用が続けられている。

Official Name (正式名称)UV-18B Twin Otter
Country of Origin (開発国)機体の開発国:カナダ / アメリカ空軍仕様としての発注・導入はアメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)de Havilland Canada (現 De Havilland Aircraft of Canada / 一時期 Viking Air が製造権利を保有)
Designed (設計年)ベースとなった原型のDHC-6は1964年に開発が開始されて1965年5月に初飛行を行い、1966年に導入された。アメリカ空軍仕様であるUV-18Bとしての運用開始年については、1977年9月に最初の2機の新造機がアメリカ空軍士官学校(USAFA)のパラシュートチーム「ウィングス・オブ・ブルー」に納入されて正式に運用が開始された。
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ空軍(第306飛行訓練群第98飛行訓練飛行隊にてパラシュート訓練用に運用)、アメリカ海軍(海軍研究研究所所属の科学開発飛行隊VXS-1にて研究開発支援用に運用)
Crew (乗員)2名 (パイロット1名、副パイロット1名、搭乗できる兵員として最大17名のパラシュート降下員を搭乗可能)
Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高L: 15.77 m (または 15.1 m / 51.9 ft)
W: 19.81 m (65 ft)
H: 5.7 m (または 5.94 m / 18.7 ft ※測定条件や資料、脚仕様による誤差)
Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量)ベース機のDHC-6一般仕様では 3,363 kg、UV-18Aの資料では 2,654 kg などの数値が存在するが、UV-18B固有の正確な自重は公式データがなく不明
最大離陸重量: 5,670 kg (12,500 lb)
Powerplant (エンジン):型式、推力型式: 2x Pratt & Whitney Canada PT6A-27 ターボプロップエンジン (または 2x Pratt & Whitney Canada PT6A-34 ターボプロップエンジン)、推力: 各 620 shp (または 各 550 shp。プロペラ駆動用の軸馬力表記)
Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度高度別の速度: 不明 (最高速度 210 mph / 338 km/h、あるいは最大運用速度 166 knots / 307 km/h などのデータが存在するが、特定の高度別における詳細な制限速度規定は非公開)
Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離)航続距離 (Ferry Range): 806 miles (約 1,297 km) (または 700 miles / 1,126 km、あるいは 500 nm。搭載ペイロードや燃料構成により変動)
Service Ceiling (実用上昇限度)7,620 m (25,000 ft)
Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力標準仕様のUV-18B訓練輸送機には外部ハードポイントや兵装搭載能力は装備されていない。ただし、研究開発用の仕様機などでは大気観測用センサー等を取り付けるための取り外し可能な主翼下パイロン(最大245 lbs)を装備可能
Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数None

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Noah Wulf – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=96061201

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