
概要と開発の背景
ACV-30は、2010年代から2020年代にかけてアメリカのBAE Systems(BAE Systems Land & Armaments)とイタリアのIveco Defence Vehiclesが共同で開発し、アメリカ海兵隊へ導入されている水陸両用装甲歩兵戦闘車である。長年運用されてきた老朽化著しいAAV7(水陸両用強襲車)の後継として、強襲揚陸艦からの遠距離進出能力と陸上での高い路上・不整地機動性を兼ね備えた8輪駆動の「ACV(Amphibious Combat Vehicle)」ファミリー開発プロジェクトが開始された。基本型である兵員輸送型(ACV-P)は重機関銃や自動擲弾銃主体の武装であったが、島嶼部や沿岸部における過酷な戦闘環境において、敵の装甲車両や強固な拠点目標に対して歩兵部隊を即座に支援できる高い直射火力へのニーズが高まった。このような背景から、強襲揚陸能力と30mm中口径機関砲による火力を両立する直接火力支援・歩兵戦闘派生型としてACV-30の開発がスタートした。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、車体上面にノルウェーのKONGSBERG社製「PROTECTOR RT20」遠隔操作砲塔(RWS / 無人砲塔)を搭載し、主武装としてNorthrop Grumman社製の30mm機関砲「XM813 Bushmaster II」(30×173mm弾使用)を統合している点にある。無人砲塔を採用した設計の最適化により、車内空間を無駄に占有せず、乗員3名(車長、砲手、操縦手)に加えて完全装備の海兵隊員8名を防護・収容する兵員スペースとペロードを確保している。車体構造にはV字底面を備えた爆風耐性装甲ハルが導入され、地雷や簡易爆発装置(IED)からの高い生存性を発揮する。作動・推進機構には700馬力を発揮するIveco Cursor 16ターボディーゼルエンジンとアリソン製自動変速機、H-Drive全輪駆動(8×8)システムを搭載し、陸上公道で100km/h以上(65mph以上)、水上では後部ウォータージェット推進により6ノット(約11km/h)以上の航行能力を備える。
運用実績と評価
開発完了および量産試作車の試験を経て、アメリカ海兵隊において実戦配備および調達が進められている。2024年に最初の試作量産機(PRTV)が納入され、評価試験および生産・調達契約が継続して締結されている。各種運用試験や揚陸演習においては、沖合からの自力航行上陸能力を維持したまま、30mm機関砲による高度な直射射撃精度と各種光学・熱線照準装置(FCS)による移動目標捕捉能力が具体的に高く評価された。従来のAAV7と比較して車体防護性能と陸上での路上速度が格段に向上しており、基本型ACV-Pや指揮型ACV-C、回収型ACV-Rとともに海兵隊の機動揚陸・沿岸防衛構想(Force Design)を支える中核装備として確固たる立ち位置を確立している。
| Official Name (正式名称) | ACV-30 (Amphibious Combat Vehicle – 30mm Cannon) |
| Country of Origin (開発国) | イタリアのIveco社製「SuperAV」プラットフォームをベースにアメリカ合衆国で共同開発) |
| Manufacturer (製造メーカー) | BAE Systems / Iveco Defence Vehicles (IDV) |
| Designed (設計年) | ACV-30の設計・開発契約の締結(専用設計の本格始動)は2019年であり、最初の生産代表試験車(PRTV)が公式に納品されて試験運用およびフルレート生産に向けた段階が開始された年は2024年である。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ海兵隊(各強襲水陸両用大隊[Assault Amphibian Battalion]等に配備予定の主力歩兵戦闘車型バリアントとして公式にプログラム選定。2024年に最初の生産代表試験車[PRTV]が納入されて各種実戦ライブファイア・運用試験およびサイバーテストを完了し、2025年までにフルレート生産ロットの量産契約が順次発注され配備を進行中) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 3名(車長、砲手、操縦手)+ 兵員輸送数 8名 (完全装備の海兵隊員) |
| Combat Weight (戦闘重量) | 32 metric tons to 35 tons (約32,000 kg 〜 35,000 kg) ※搭載コンポーネントおよび追加ペイロードに依存 |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | W (全幅): 124 inches (3.1 m) L (全長): 361 inches (9.2 m) ※車体長、砲身前方突出時の全長データは個別ソースで約8.2m〜9.2m超と差異あり D (全高): 114 inches (2.9 m) ※Hull (車体高、上部に統合されるKongsberg RT30リモートタレット頂点までの全高は約3.3m〜3.62m) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | Blast-resistant armoured hull (耐爆構造装甲車体)。V型構造の弾道鋼製車体(V-shaped ballistic steel hull)に加え、モジュラー式の複合装甲(Modular composite armor)を配置し、地雷、即席爆発装置(IED)、動的エネルギー(KE)弾、および上方からの破片に対する防護性能を保有。自動消火システム(Automatic Fire Suppression System)を標準装備。 |
| Main Armament (主武装) | Kongsberg RT30リモートタレット(無人砲塔システム)にマウントされた 1x 30mm Mk44 Bushmaster II チェーンガン |
| Secondary Armament (副武装) | 同軸機関銃として 1x M240 7.62mm機関銃、および 8x 76mm煙幕弾発射機(Smoke Grenade Launchers)。※一部の試作・展示仕様(Kongsberg MCT-30等)においてJavelin対戦車ミサイル(ATGM)や2.75インチAPKWSレーザー誘導ロケット弾ポッドの統合案も提示されているが、ACV-30標準のRT30タレット構成におけるこれらミサイル類の定常装備化の公式データは未確定 |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | FPT (Fiat Powertrain Technologies) Cursor 16 出力: 700 hp (520 kW) / トルク: 3,000 N·m |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): >65 mph (105 km/h) Unpaved (不整地): >45 mph (72 km/h) 水上航行速度: 6+ knots (11+ km/h) |
| Operational Range (航続距離) | 陸上単独航行時:時速55 miles(89 km/h)巡航において最大325 miles (523 km) 水陸連続航行時:最大12 nmi(12 NM / 約22.2 km)の水上航行に続き、陸上で250+ miles (400+ km) |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- By Cpl. Alexis Sanchez – https://www.dvidshub.net/image/8379500/amphibious-combat-vehicle-static-display, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=159874882












