BvS10 / Bandvagn 410

BvS10
オランダ海軍海兵隊のBvS10

BvS10(バイキング)は、スウェーデンのBAEシステムズ・ヘグランド社が開発した、全地形対応型の連結式装軌(キャタピラ)式装甲兵員輸送車である。最大の特徴は、前部車両と後部車両を油圧式の屈折操向機構で連結した「2車体連結構造」にあり、雪原、氷上、泥濘地、砂漠といった既存の装輪車両では進入不可能な過酷な地形を走破できる。さらに、完全な水陸両用性能を備えており、湖沼や沿岸域を自航して浮航進出することが可能である。モジュラー設計の採用により、前部車体に操縦席と指揮官席、後部車体に兵員や各種機材を収容し、基本の兵員輸送型から指揮通信、野戦救急、回収・補修仕様にいたるまで、過酷な環境下での不整地ロジスティクスおよび戦術展開を支える中核システムである。

Official Name (正式名称)BvS10 / Bandvagn 410
Country of Origin (開発国)スウェーデン / イギリス
Manufacturer (製造メーカー)BAE Systems Land Systems Hägglunds AB
Designed (設計年)イギリス海兵隊の過酷な運用要求を満たすために1990年代末から設計開発が開始され、2001年6月に最初の試作車(プロトタイプ)が納入されて試験プログラムへ移行したのち、2005年に最初の量産機体がイギリス軍に引き渡され、公式に初期運用能力(IOC)を達成して運用を開始
Primary Operators (主な運用組織)イギリス:イギリス海軍(王立海兵隊所属の「第3海兵旅団(3 Commando Brigade)」、およびその傘下の装甲支援グループ(ASG:Armoured Support Group))にて、自国制式名「Viking(バイキング)」として、兵員輸送(TCV)、指揮(CV)、回収(RRV)、救急(AV)の4つのバリアントを水陸両用・寒冷地作戦の中核装甲車として現役運用中
スウェーデン:スウェーデン陸軍(第19高地歩兵連隊(I 19)、および第4海兵連隊(Amf 4)などの北部地域・沿岸防衛部隊)にて、自国制式名「Bv410(Bandvagn 410)」として、防弾性能や地雷防御を強化した最新世代の「BvS10 MkII / MkIII」を現役運用中(※短距離防空システム「LVRBS 98」としてIRIS-T対空ミサイルを4連装架装した特殊派生型も防空部隊に配備中)
オランダ:オランダ王立海軍(オランダ海兵隊所属の各海兵戦闘大隊(Marine Combat Battalions))にて、極地・両用作戦アセットとして「BvS10 Viking(バイキング)」を現役運用中(※車載リモートウェポンステーション(RCWS)や前方監視赤外線(FLIR)を統合する大規模な近代化改修を全車に適用中)
フランス:フランス陸軍(第9海兵装甲旅団傘下の「第2海兵歩兵連隊(2e RIMa)」、および第27山地歩兵旅団所属の各山岳部隊)にて、自国制式名「VHM(Véhicule de Haute Mobilité:高機動車両)」として、雪上・不整地における主力装甲輸送プラットフォーム(兵員輸送型、指揮通信型、物資補給型)として多数の車両を現役運用中
オーストリア:オーストリア陸軍(第6山地歩兵旅団傘下の「第24山地歩兵大隊(Jägerbataillon 24)」など、アルプス山岳地帯を管轄する専門部隊)にて、自国向けカスタム仕様「BvS10AUT」として、全周360度を保護する防弾装甲と12.7mm遠隔操作兵器ステーション(RCWS)を備えた機体を高地戦用装甲車として現役運用中
アメリカ合衆国アメリカ陸軍(第11空挺師団などの北極・亜北極圏対応部隊)にて、アラスカなどの極寒冷地における高機動ロジスティクス強化を目的としたCATV(寒冷地全地形対応車)プログラムに基づき、BvS10の公式非装甲モジュラー派生品である「BvS10 Beowulf(ベオウルフ)」を現役運用中
ウクライナ:ウクライナ陸軍、およびウクライナ海軍(海兵旅団等の最前線戦闘部隊)にて、イギリスやオランダなどの西側諸国から安全保障援助パッケージとして公式供与された「BvS10 Viking」を、泥濘期(ラスプーチツァ)や渡河作戦における高機動装甲歩兵戦闘車として実戦現役運用中
ドイツ:ドイツ連邦陸軍、および連邦空軍(山岳猟兵旅団などの寒冷・不整地対応部隊、および防空・基地防衛部隊)にて、欧州共同調達プログラム(Collaborative All-Terrain Vehicle)に基づき順次引き渡しが開始されている最新の「BvS10 MkIII」仕様車を、地上軍の新世代汎用高機動アセットとして現役運用中
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)1名 運転手 + 3名(前部車体席) + 後部車体への兵員輸送数:最大 8名(合計最大 12名)
Combat Weight (戦闘重量)前部車体:約 5,000 kg / 後部車体:約 3,500 kg / 最大戦闘時総重量(GVW:積載ペイロードおよびフル装備状態を含む):約 10,600 kg 〜 15,500 kg(※最新のMkIII/Bv410仕様基準)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)W: 2,250 mm / L: 8,000 mm / D: 前部車体全高 2,450 mm(後部車体全高 2,100 mm)
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)防弾鋼板による基本車体構造(STANAG 4569 レベル2基準:7.62mm小銃弾や10m距離からの152mm榴弾破片に耐える基本防護性能を保有) / 複合装甲、爆発反応装甲(ERA)の有無:ERAは非搭載(※オプションとして、14.5mm重機関銃弾に対応可能なボルト留め式の追加・複合装甲板の装着、および対RPG用のバーアーマー(スラット装甲)や対地雷・IED用デフレクタープレートの底面追加が可能なモジュラー設計)
Main Armament (主武装)なし
Secondary Armament (副武装)1x 12.7mm重機関銃 M2HB、1x 7.62mm汎用機関銃(GPMG)、または 1x 40mm自動グレネードランチャー(※前部車体上部のリングマウント、または遠隔操作兵器ステーション(RCWS)を介して選択搭載運用) + 前部車体:2x 4連装煙幕展開用スモークグレネードランチャー + 後部車体:自衛用迫撃砲(※モルタルキャリア仕様の場合のみ架装)
Engine (エンジン出力 hp/kW)Cummins 6.7L 直列6気筒ターボチャージド・ディーゼルエンジン / 出力:285 hp (210 kW) / トルク:970 Nm(※初期型は5.9L・250hpエンジン搭載)
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)Paved (整地):70 km/h / Unpaved (不整地):約 35 km/h 〜 40 km/h(※完全な水陸両用性能を備え、水上・浮航時は 4 km/h 〜 5 km/h で自航可能)
Operational Range (航続距離)約 350 km(※燃料タンク増設の追加オプション仕様時は最大 500 km まで延伸可能)
画像の引用元
  1. By joost j. bakker – originally posted to Flickr as Hägglunds BvS10, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7317190

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