
スペインのCASA社が開発した、優れた実用性と頑丈さを兼ね備えた双発ターボプロップ多用途・戦術輸送機。最大の特徴は、未舗装の短い滑走路でも離着陸できる極めて高い短距離離着陸(STOL)性能と、四角い箱型の胴体構造がもたらす優れた容積効率にある。飛行中にも開閉可能な後部ランプドアを備え、アメリカ陸軍特殊作戦コマンドにおいて「C-41A」の制式名称で空挺・降下訓練支援に重用されているほか、世界各国の軍や治安組織で兵員輸送、対潜哨戒(ASW)、海洋監視、医療搬送など多岐にわたる任務に投入されている。
| Official Name (正式名称) | CASA C-212 Aviocar |
| Country of Origin (開発国) | スペイン(現行の最新改良型「NC212i」の製造・販売権はインドネシアに完全移管) |
| Manufacturer (製造メーカー) | Construcciones Aeronáuticas SA (CASA)(現:Airbus Defence and Space) / PT Dirgantara Indonesia (PTDI)(インドネシアにおけるライセンスおよび独自の最新型製造メーカー) |
| Designed (設計年) | スペイン空軍の旧式機後継として基本設計が開始され、1971年3月26日にプロトタイプが初飛行を達成したのち、1974年5月にスペイン空軍において公式に運用を開始 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(アメリカ陸軍特殊作戦航空コマンド(USASOAC)飛行会社にて、特殊部隊の潜入訓練やHALO空挺・降下訓練支援用戦術マルチミッション機「C-41A」)を現役運用中 インドネシア:インドネシア空軍(第4航空群第4飛行隊にてクラウド・シーディング(人工降雨)および戦術輸送仕様の「NC212 / NC212i」)、インドネシア海軍(海洋哨戒・監視仕様(NC212 MPA)および連絡輸送型)、インドネシア陸軍(航空隊(Penerbad)にて戦術軽輸送型)を、国内自社ライセンス生産ベース機として三軍で大規模に現役運用中 スペイン:スペイン空軍(第72航空群(サナゴス基地)など)にて、開発本国として残存する計8機の戦術汎用空輸型および医療搬送(MEDEVAC)仕様の「C-212(国内名:T.12B / D.3B)」を現役運用中 フィリピン:フィリピン空軍(第220空輸航空団(セブ基地))にて、不整地ロジスティクスおよび人道災害支援用に、インドネシアから新規調達したグラスコックピット・MTプロペラ装備の最新派生品「NC212i(計8機体制)」を主力現役運用中 ベトナム:ベトナム空軍、およびベトナム沿岸警備隊(第401海洋監視飛行隊)にて、スペイン製造最終ロットとなったC-212-400海洋監視・救難型、および近年に導入された新型「NC212i」を国境・EEZ哨戒アセットとして現役運用中 タイ:タイ陸軍、およびタイ農業協同組合省航空局にて、人工降雨(雨雲制御・気象改変任務)および北部山岳地帯の辺境拠点連絡用に新型の「NC212i」を含めて現役運用中 ミャンマー:ミャンマー空軍(特殊輸送飛行隊(ネピドー等))にて、過去に公式導入されたストック分の「C-212」を軽貨物・人員連絡用に維持・現役運用中 アンゴラ:アンゴラ空軍(第24輸送飛行隊)にて、長年の安全保障枠組みの中で現在も稼働状態にある「C-212(2機)」を戦術エアリフターとして現役運用中 セネガル:セネガル空軍(戦術輸送飛行隊)にて、西アフリカ地域治安維持および急患空送用に新規導入された最新仕様の「NC212i」を現役運用中 ボツワナ:ボツワナ国防軍(空軍コンポーネントVIP・輸送飛行隊)にて、過去にスリナム空軍等からセカンドハンドで公式取得した「C-212-400」を現役運用中 ジンバブエ:ジンバブエ空軍(第3輸送飛行隊)にて、過去の南アフリカ諸国連携プログラムによる輸入ストック分を限定的に現役運用中 モザンビーク:モザンビーク空軍にて、地域安全保障援助として供与された機体を沿岸監視・人員輸送用に限定現役運用中 コロンビア:コロンビア空軍(第5軍事航空輸送群)、およびコロンビア陸軍(航空旅団)にて、対麻薬ルート監視および密林不整地拠点への高優先度物資輸送用に「C-212-200」を現役運用中 チリ:チリ空軍(第10航空群)、およびチリ陸軍(航空旅団)にて、アンデス山脈越えの不整地STOL空輸および捜索救難(SAR)連絡用に「C-212」を現役運用中 アルゼンチン:アルゼンチン陸軍(陸軍航空隊)にて、地方拠点ロジスティクスおよび空挺ジャンプトレーニング支援用に「C-212-200」を現役運用中 ウルグアイ:ウルグアイ空軍(第3航空航空団第1飛行隊)にて、南極観測サポート任務(チリ経由ルート含む)や国内の緊急多用途輸送用に「C-212-200(国内名:C-212 Aviocar)」を現役運用中 ボリビア:ボリビア空軍(第1航空団第11輸送飛行隊)にて、高地山岳滑走路における戦術連絡およびシビル・サポート用に維持・現役運用中 ベネズエラ:ベネズエラ海軍(海軍航空隊所属の輸送・哨戒飛行隊)にて、沿岸および外洋国境警備用の海洋監視バリアント「C-212 MPA(3機)」を現役運用中 ドミニカ共和国:ドミニカ共和国空軍(輸送航空団)にて、カリブ海域の密輸監視、海上救難、および軽VIP輸送用に「C-212-400(機体名:Duarte等)」を現役運用中 ヨルダン:王立ヨルダン空軍(第3輸送飛行隊(マルカ基地))にて、過去に国境監視や特殊部隊輸送用途で導入された機体を現在も限定的に現役運用中 |
| Crew (乗員) | 2名(基本運航コックピットクルーは Pilot / Co-Pilot) パラシュート降下任務や特殊ISR任務運用時はロードマスターやミッションオペレーターを加え 3名 〜 4名 で構成。後部キャビンは標準で21名、高密度・最新のNC212i仕様で最大28名、空挺運用時は24名のパラトルーパーと 1名のジャンプマスターを収容可能 |
| Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高 | L: 15.22 m (49 ft 11 in) 〜 16.15 m (52 ft 11 in) ※シリーズ・機首形状による / W: 19.00 m (62 ft 4 in) 〜 20.28 m (66 ft 6 in) ※300/400/NGシリーズの新型翼幅 / H: 6.32 m (20 ft 9 in) |
| Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量) | 自重(Empty Weight):約 3,250 kg (7,165 lbs) 〜 4,300 kg (9,480 lbs) ※シリーズ100/200/400の装備構成による 最大離陸重量(MTOW):6,000 kg (13,228 lbs) ※初期100シリーズ基準 / 7,700 kg 〜 8,000 kg (16,975 lbs 〜 17,637 lbs) ※重量型300/400シリーズおよび最新型NC212iの最大離陸限界諸元 |
| Powerplant (エンジン):型式、推力 | 2x Garrett (Honeywell) TPE331-10R-513C or TPE331-12-JR turboprop engines(ガレット/ハネウェル製 TPE331 ターボプロップエンジン × 2基) / 推力(出力):1基あたり 900 shp (671 kW) 〜 1,100 shp (820 kW) ※シリーズ200/300/400高出力型(ダウティ・ロトール製またはMT-Propeller製4翅可変ピッチ・プロペラ駆動) |
| Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度 | 最大運用速度(高高度・最適巡航時):Mach 0.30(195 knots 〜 200 knots / 約 361 km/h 〜 370 km/h) 限界最大速度(Vne / C-212-400等):230 mph (約 373 km/h) |
| Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離) | 航続距離(Ferry Range / Maximum Range):1,433 km 〜 1,760 km (773 nmi 〜 950 nmi ※最大ペイロード積載時) / 燃料最大・貨物未積載の最大フェリー航続距離:約 2,600 km 〜 3,200 km |
| Service Ceiling (実用上昇限度) | 7,500 m 〜 7,620 m (25,000 ft)(本機は非与圧キャビン構造のため、通常の旅客・兵員輸送巡航時は10,000フィート(3,000m)以下に制限される) |
| Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力 | なし(ミサイル、爆弾、ロケット弾ポッドなどを外部懸吊するための攻撃兵装用ハードポイントは非搭載) ベネズエラ海軍等の「C-212 MPA(海洋哨戒仕様)」や一部の学術研究観測カスタム機(INTA運用機等)に限り、気象計測プローブ、各種探知センサー、または軽量の救難資材キットを翼下に懸吊するための2箇所の翼下ハードポイント・観測ステーションの追加統合が確認されている |
| Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数 | なし |
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- By David Álvarez López from Gijón, España – C-212 (T.12B-71 72-71). Festival Aéreo Internacional de Gijón 2024., CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=151160149








