
概要と開発の背景
Titan Armoured Vehicle Launched Bridge(Titan AVLB)は、2000年代初頭にイギリスのBAE Systems Land & Armaments(開発開始当時はVickers Defence Systems)によって開発され、2006年にイギリス陸軍へ正式導入された重装甲架橋車である。本車は、1970年代から運用されていたChieftain AVLB(チーフテン架橋戦車)の老朽化と退役に伴い、その直接の後継機として開発が開始された。開発背景には、主力戦車Challenger 2(チャレンジャー2)の配備に伴い、従来の架橋システムでは重量増加に対応しきれず、かつ戦車部隊と同等以上の機動力と防護力を維持した施設アセットが必要とされた経緯がある。機甲部隊が過酷な野戦環境下で河川、溝、対戦車壕などの障害を即座に克服・突破できるよう、Challenger 2の車体設計を基礎に開発され、計33両が製造・納入された。
構造と技術的特徴
本車の最大の特徴は、Challenger 2主力戦車の車体およびパワートレインを基本構造として採用し、強固な防護力と卓越した不整地踏破性能を兼ね備えている点にある。パワーユニットには最高出力1,200馬力のPerkins CV12ディーゼルエンジンを搭載し、全備重量約62.5トンに達する車体を最高速度59 km/hで走行させることができる。架橋メカニズムにはBR90(Bridging for the 90s)モジュール式密接支援架橋システムを採用しており、26mのNo.10橋(シザー式折りたたみ橋)1基、または13.5mのNo.12橋2基などを積載・架設可能である。橋の組み合わせや追加装備により最大60mの障害に対応する能力を持ち、軍用荷重等級MLC80(Military Load Classification 80)以上の超重構造物にも耐えうる設計となっている。乗員は車外に出ることなく、高度に自動化された油圧制御機構を用いて車内から5分未満で急速架橋および回収作業を完了できる。また、CBRN防護装置やモジュール式増加装甲を備え、高脅威環境での作戦展開を支援する。
運用実績と評価
Titanはイギリス陸軍の王立工兵隊(Royal Engineers)に制式採用され、主力重装甲架橋アセットとして運用されている。実戦においては、2010年2月にアフガニスタンで実施された作戦「モシュタラク作戦(Operation Moshtarak)」へ投入され、複雑な地形や水路での迅速なルート開削および部隊移動を支えた。さらに、同一の車体をベースに開発された重装甲戦闘工兵車Trojan(Trojan AVRE)とともに重装甲工兵車ファミリーを形成しており、主要コンポーネントの共通化によって現場での維持整備や兵站コストの格段な削減を実現している。NATOの各種共同演習においても、主力戦車や各種歩兵戦闘車を迅速に渡河・前進させるための中核車輌として運用されており、現在に至るまでイギリス陸軍の重機動・即応能力を担保する不可欠な施設装備として高く評価されている。
| Official Name (正式名称) | Titan AVLB(Titan Armoured Bridge Launcher / Armoured Vehicle Launcher Bridge) |
| Country of Origin (開発国) | イギリス |
| Manufacturer (製造メーカー) | BAE Systems Land & Armaments (現 Rheinmetall BAE Systems Land / RBSL) |
| Designed (設計年) | 設計・開発は2000年代初期(製造契約締結:2001年、試作・製造開始:2003–2004年)に行われ、イギリス陸軍における運用開始(正式導入)は2006年である |
| Primary Operators (主な運用組織) | イギリス:イギリス陸軍(ロイヤル・エンジニアズ(王立工兵連隊/Royal Engineers)において重装甲架橋車(AVLB)として33台が配備・現役運用) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 乗員 3名 (Commander, Driver, Operator / Bridgemaster) |
| Combat Weight (戦闘重量) | 全備重量 (橋梁積載時重量): 約 62,500 kg (62.5 tonnes / 68.9 short tons / 137,789 lbs) 車体自重 (橋梁非積載時重量): 約 60,000 kg (60.0 tonnes / 66.1 short tons / 132,277 lbs) |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | L (全長): 車体長: 約 8.30 m – 8.50 m (8,300 mm – 8,500 mm / 326.8 in – 334.6 in / 27.2 ft – 27.9 ft) / 橋梁積載時全長: 約 11.0 m – 12.0 m (11,000 mm – 12,000 mm / 433.1 in – 472.4 in / 36.1 ft – 39.4 ft) W (全幅): 車体幅: 約 3.50 m (3,500 mm / 137.8 in / 11.5 ft) / 橋梁等アタッチメント装着時: 約 4.00 m (4,000 mm / 157.5 in / 13.1 ft) D (全高): 全高: 約 3.80 m – 4.00 m (3,800 mm – 4,000 mm / 149.6 in – 157.5 in / 12.5 ft – 13.1 ft) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | Challenger 2 主力戦車シャーシベースの溶接スチール・モジュール装甲 (Dorchester 複合装甲技術準拠) / 各種追加装甲パッケージ (Applique Armor) 装着可能 ※複合装甲: あり (Dorchester / Modular Composite Armor) / 爆発反応装甲(ERA): なし |
| Main Armament (主武装) | None |
| Secondary Armament (副武装) | 1x 7.62mm GPMG (General Purpose Machine Gun) [自衛用機関銃] 76mm Smoke Grenade Launchers (スモークグレネード発射機) ※排気ディープインジェクションスモーク発生装置併設 |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Perkins CV12-8A / CV12 26.1-litre V12 Turbocharged Diesel Engine 出力: 895 kW (1,200 hp / 1,200 bhp) [※トランスミッションは David Brown TN54 自動変速機 (前進6段/後進2段)] |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): 約 55 km/h – 59 km/h (34 mph – 36.6 mph) Unpaved (不整地): 約 40 km/h (25 mph) |
| Operational Range (航続距離) | Paved (整地): 約 450 km – 500 km (280 miles – 310 miles) |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- By Photo: Andrew Linnett/MOD, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26916745












