
概要と開発の背景
Armored D7R Bulldozer(装甲D7Rブルドーザー)は、1990年代後半から2000年代初頭にかけてアメリカ合衆国のCaterpillar Inc.(防衛部門:Caterpillar Defense Products)が開発し、アメリカ軍などに導入された中型履帯式装甲ブルドーザーである。従来、アメリカ陸軍やアメリカ海兵隊の施設工兵部隊では、旧型のD7Gなどの非装甲または簡易装甲ブルドーザーが障害物撤去や陣地構築に使用されていた。しかし、非対称戦下における戦場では、小火器による狙撃や地雷、簡易爆発物(IED)、砲弾破片による工兵要員への脅威が著しく増大した。これに伴い、作業員の防護性能と安全性を確保しつつ、不整地での押し土・掘削・障害物排除・スクレーパー押し作業を円滑に行える次世代の装甲ブルドーザーとして開発が進められた。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、Caterpillar独自の高配置ドライブスプロケット(ハイドライブ)構造を採用したD7R Series IIシャシーに、防弾鋼板や防弾ガラスで構成されたモジュール式装甲キャビン(Armor Solution)を組み合わせている点にある。駆動スプロケットを上部に配置する構造により、ファイナルドライブ等の基幹駆動系を悪路の衝撃や爆風から物理的に遠ざけて保護している。パワートレインにはCaterpillar 3176C 10.3L ターボディーゼルエンジン(最高出力約258馬力)と電子制御パワーシフト変速機を搭載し、力強い駆動力を発揮する。乗員保護のため、小火器の弾丸や爆弾破片に耐える防護キャビンや透明装甲パネルが組み込まれている。前方には掘削・押し土用のSUブレード(セミユニバーサルブレード)、後部には地盤破砕用の多条リッパーや強靭なウインチを架設でき、高い作動安定性と作業効率を維持している。
運用実績と評価
制式採用以降、アメリカ陸軍およびアメリカ海兵隊の施設工兵部隊や戦闘工兵大隊を中心に配備された。また、エジプト陸軍をはじめとする同盟国・パートナー国軍でも制式採用・運用されている。イラク戦争やアフガニスタン紛争などの実戦下では、最前線における障害物撤去、埋没物の排除、前線基地(FOB)の防護陣地構築、補給路の整備支援などに投入された。強力な押し土能力と防護構造キャビンにより、過酷な環境下でも工兵要員の安全を確保しながら土木作業を完遂できる信頼性の高さが高く評価された。大型のD9R装甲ブルドーザーと比較して車体サイズが適度であり、輸送機による空輸やトレーラーでの急速展開が容易である点も、機動的な遠征運用において重要な強みとなっている。
| Official Name (正式名称) | Armored D7R Bulldozer |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | Caterpillar Inc. (ベース車輌) / BAE Systems , Israel Aerospace Industries 等 (装甲キット) |
| Designed (設計年) | Caterpillar D7Rをベースに1990年代後半から2000年代初頭にかけて装甲化改修が進められ、2000年代初頭(2002年前後)から運用が開始された工兵用車両 |
| Primary Operators (主な運用組織) | イスラエル:イスラエル国防軍(陸軍工兵科工兵部隊〔Combat Engineering Corps〕) アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(工兵旅団、施設科部隊等)、アメリカ海兵隊(第1・第2・第3海兵遠征軍所属の戦闘工兵大隊等) エジプト:エジプト陸軍(工兵部隊) コロンビア:コロンビア陸軍(工兵部隊) モロッコ:モロッコ王立陸軍(工兵部隊) サウジアラビア:サウジアラビア陸軍(工兵部隊) ウクライナ:ウクライナ陸軍(工兵部隊) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 1名 〜 2名 (操縦士、車長) |
| Combat Weight (戦闘重量) | 自重 約 25,000 kg (55,000 lbs) 戦闘重量 約 28,000 kg 〜 32,000 kg (61,700 lbs 〜 70,500 lbs) ※装甲キャビン・アタッチメント装着時 |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | L (全長): 約 5.30 m 〜 6.80 m (17.4 ft 〜 22.3 ft) ※ブレード・リッパー装着状態による W (全幅): 約 3.00 m 〜 3.70 m (9.8 ft 〜 12.1 ft) ※アングルブレード/SUブレード寸法による H (全高): 約 3.40 m 〜 3.60 m (11.1 ft 〜 11.8 ft) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | 防弾スチール製装甲キャビン、防弾ガラス、破片・小火器弾耐性 (STANAG 4569 レベル対応)、追加スレートアーマー/防弾板装着対応 |
| Main Armament (主武装) | None Blade / Ripper Equipment (作業装備):SUブレード (Semi-U Blade)、アングルブレード、リアマルチシャンクリッパー / シングルシャンクリッパー |
| Secondary Armament (副武装) | None |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Caterpillar C9 ACERT / 3176C ターボチャージド・ディーゼルエンジン 出力 約 240 hp 〜 258 hp / 179 kW 〜 192 kW |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | 約 11 km/h (6.8 mph) |
| Operational Range (航続距離) | 10 hours operation (燃料タンク容量 約 479 L / 126.5 gallons) |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- מאת DoD photo by Sgt. Jason J. Bortz, U.S. Marine Corps – DoD photo by Sgt. Jason J. Bortz, U.S. Marine Corps, נחלת הכלל, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=14626801












