


L7A2)
概要と開発の背景
L7A2 Gimpy(GPMG)は、1950年代初頭にベルギーの FN Herstal 社(設計者: Ernest Vervier)が開発した FN MAG 60.20 汎用機関銃をベースに、イギリス軍がライセンス生産を行い1960年代初頭(1961年に L7A1 として導入)に制式採用した7.62mm口径の汎用機関銃である。開発の背景には、第二次世界大戦期から長年運用されてきた水冷式のヴィッカーズ重機関銃と、弾倉給弾式のブレン軽機関銃という二つの異なる旧式歩兵火器を統合・更新するニーズが存在した。前線の歩兵が自力で持ち運び可能な機動性と、三脚に据え付けた際の水冷式重機関銃に匹敵する連続火力を一基で兼ね備える「汎用機関銃(GPMG)」概念に基づき導入が進められた。初期型の L7A1 から給弾トレイやレシーバー側面の50発用ベルトボックス装着機構が改修され、主力モデルである L7A2 が構築された。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、ブローニング M1918(BAR)のチロッティング・ボルト(傾斜閉鎖方式)閉鎖メカニズムと、MG42 の優れたベルト給弾機構およびクイック・チェンジ・バレル(迅速砲身交換システム)を高度に融合させた点にある。作動方式にはガス圧力作動式を採用し、手動でガス圧を調整できる段階式ガスレギュレーターを備えている。これにより、泥や砂塵の侵入、あるいはカーボン堆積によって作動抵抗が増大した過酷な作戦環境下においても、ガス圧力を強めることで不発や給弾不良を未然に回避する高い信頼性を確保している。折りたたみ式二脚(バイポッド)を使用した軽機関銃運用(有効射程 800 m)と、C2 三脚および C2 光学照準器を組み合わせた持続射撃(SF)運用(有効射程 1,800 m)の双方へ即座に切り替え可能な優れた柔軟性を誇る。
運用実績と評価
1960年代の制式配備以降、L7A2 はイギリス陸軍、王立海兵隊、イギリス空軍、およびイギリス海軍の三軍全体で標準汎用機関銃として長年運用されている。実際の運用においては、1982年のフォークランド紛争をはじめ、湾岸戦争、コソボ紛争、イラク戦争、アフガニスタン紛争など、極寒地から過酷な砂漠・熱帯地帯にいたる世界各地の主要な作戦地域へ投入された。兵士からは「Gimpy」の愛称で親しまれ、7.62×51mm NATO 弾による高い障害物貫通力と面制圧能力、過酷な環境下でも作動を維持する圧巻の作動耐久性が高く評価された。装甲車両用の同軸機銃型(L37A2)や車載・艦艇・ヘリコプター搭載型など多岐にわたる派生展開が行われており、歩兵分隊の基幹火力として現在も第一線で運用が継続されている。
| Official Name (正式名称) | L7A2 Gimpy (FN MAG 60.20) ※「Gimpy」はイギリス軍内での愛称 |
| Country of Origin (開発国) | イギリス(要求仕様・調達) / ベルギー(基本設計・開発) |
| Manufacturer (製造メーカー) | FN Herstal(一部ロットや交換部品はイギリス国内のManroy Engineering社等でも製造・ライセンス供給されている) |
| Designed (設計年) | ベースとなったFN MAGの設計年は1950年代初頭であり、イギリス軍におけるGPMG(L7シリーズ)自体は1961年に採用されて1960年代から運用が開始されているが、改修型であるL7A2単体としての独立した公式の設計年および詳細な運用開始年は不明 |
| Primary Operators (主な運用組織) | イギリス:イギリス陸軍(すべての歩兵連隊[王立空挺連隊含む]、特殊作戦旅団傘下のレンジャー連隊、王立装甲軍団など全般)、イギリス海軍(各種水上艦艇のフォースプロテクション[近接防衛]要員)、王立海兵隊(各コマンド部隊)、イギリス空軍(基地防衛・警備を担うイギリス空軍連隊[RAF Regiment]) |
| Type (種類) | 汎用機関銃(General purpose machine gun) |
| Caliber (口径) | 7.62x51mm NATO |
| Action (作動方式) | Gas-operated, tilting breechblock, open bolt(ガス圧作動、ティルティング・ブリーチブロック閉鎖、オープンボルト) |
| Overall Length (全長) | 48.5 inches(1,232 mm) (イギリス軍仕様のポリマー製固定銃床を採用しているため、ストック展開・折り畳みの区分はなく、銃口から銃床末端までの固定値となる) |
| Barrel Length (銃身長) | 24.75 inches(629 mm) (銃身交換用ハンドルおよびFH556等とは異なる独自の大型フラッシュサプレッサー構造を含む、L7A2専用クイックチェンジバレルの標準長) |
| Weight (重量) | 11.08 kg(24.23 lbs) (二脚を含み、弾薬や三脚、各種光学アタッチメント等を含まない銃本体のみの純粋な空虚重量) |
| Rate of Fire (発射速度) | 750 rpm (ガスレギュレーターの調整状態等により理論上は最大1,000rpm程度まで変動可能) |
| Effective Range (有効射程) | ライト・ロール(二脚使用の軽機関銃運用):800 m SFロール(三脚およびC2光学照準器を組み合わせた持続射撃運用):1,800 m |
| Feed System (給弾方式) | Belt-fed(M13分離式リンク弾帯給弾 / 歩兵運用時は通常100連または200連の弾帯箱が使用される) |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
PR:関連商品
画像の引用元
- By Photo: Mark Owens/Army HQ Scotland/MOD, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=49320474
- By SSGT. J.R. RUARK – http://www.defenseimagery.mil/imagery.html#a=search&s=L7A2&guid=bc6085d14c60a8c785b9c7baf621395653cd8729, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9761872
- Photo: Cpl James Braithwaite / UK MOD © Crown copyright 2026, via Defence Imagery. Used under the terms of the Open Government Licence (OGL).




