MQ-9A Reaper

MQ-9A Reaper

概要と開発の背景

ジェネラル・アトミクス MQ-9A リーパー(General Atomics MQ-9A Reaper)は、2000年代初頭にアメリカの General Atomics Aeronautical Systems, Inc.(GA-ASI)が開発し、2007年よりアメリカ空軍(USAF)に制式配備された中高度・長続航型(MALE)遠隔操縦航空機(RPA)システムである。開発の背景には、前世代機である MQ-1 Predator におけるペイロード積載能力や飛行速度、飛行高度の限界が存在した。アメリカ国防総省および空軍は、広範囲に及ぶ対テロ作戦や過酷な戦術環境下において、長時間の継続的な情報・監視・目標捕捉・偵察(ISR)任務を担当しつつ、急変する即応目標に対して滞空状態から迅速に精度高い直接打撃を行える大型・高出力の次世代プラットフォームを求めた。これを受け、ターボプロップエンジンを搭載して機体規模と出力を飛躍的に拡張した Predator B 計画のもとで MQ-9A の開発・導入がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、複合材料(コンポジット)を多用した全幅約20.1メートルのアスペクト比の高い直線主翼構造とV字型テイルを持ち、最大離陸重量約4,763kg(Block 5仕様等では最大約5,307kg)を支える堅牢な機体フレームにある。推進システムには Honeywell 製 TPE331-10 ターボシャフト/ターボプロップエンジン(最大900軸馬力)1基を尾部に推進式(プッシャー配置)で搭載する。前級の MQ-1 Predator(Rotax 914 ピストンエンジン / 115馬力)と比較して馬力が大幅に増強され、最高速度(約240ノット / 約444km/h)と実用上昇限度(50,000フィート / 約15,240m)が飛躍的に向上した。機首下部には AN/DAS-1(MTS-B)等を含む多目的光学・赤外線(EO/IR)センサーポッドおよびレーザー照射器が配され、Lynx 多モード合成開口レーダー(SAR)を標準統合している。計7基のハードポイント(主翼下6基、胴体中心1基)を備え、AGM-114 Hellfire や GBU-12 Paveway II、GBU-38 JDAM などの精密誘導兵器を最大約1,700kg外装運用可能である。3重冗長デジタル飛行制御システムや Ku バンド衛星通信(SATCOM)データリンクを完備し、超視界(BLOS)遠隔操作を可能にしている。

運用実績と評価

2007年の初期作戦能力(IOC)獲得以降、MQ-9A はアメリカ空軍(空戦コマンド[ACC]や空軍特殊作戦コマンド[AFSOC]等)をはじめ、アメリカ海兵隊、アメリカ国土安全保障省、NASA、ならびにイギリス空軍(RAF)、イタリア空軍、フランス空軍、スペイン空軍などの同盟国軍・治安機関で制式採用・集中運用されている。実際の運用においては、アフガニスタンでの作戦や中東・アフリカ地域での不測事態対応に投じられ、数万飛行時間に及ぶ広域警戒・画像情報収集(ISR)および即応目標に対する高精度打撃ミッションを完遂した。地上部隊とのリアルタイム情報共有能力や、従来の有人攻撃機と比較して圧倒的な長時間滞空能力(標準型で約27時間、翼下燃料タンク等を備えた ER[Extended Range]型で最大34〜35時間)が具体的実績として高く評価された。イギリス空軍等における次世代改修型 Protector RG Mk 1 への移行など更新が進む現代においても、長距離ISR・戦術打撃を担う基幹無人航空機アセットとして第一線で現役運用が続けられている。

Official Name (正式名称)MQ-9A Reaper
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)General Atomics Aeronautical Systems, Inc. (GA-ASI)
Designed (設計年)ベースとなった「Predator B」の開発は2000年に開始されプロトタイプは2001年2月2日に初飛行を達成している。運用開始年については、アメリカ空軍の公式ファクトシートにおいて2007年10月に初期運用能力(IOC)を獲得したと規定されており、2007年5月に正式導入され同年9月に量産型が初の実戦飛行を実施したほか、それ以前の2005年からは試作型のYMQ-9が試験的にアフガニスタンへ投入され運用されている。
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ空軍(第432航空団などの各攻撃飛行隊、空軍州兵等)およびアメリカ海兵隊(第1海兵無人機飛行隊(VMU-1)、VMU-3等)にてMQ-9Aを現役運用中
フランス:フランス宇宙空軍(第33偵察・攻撃航空団第1/33無人機飛行隊「ベルフォール」)にてMQ-9Aを現役運用中
イタリア:イタリア空軍(第32航空団第28無人機飛行隊)にてMQ-9Aを現役運用中
スペイン:スペイン宇宙空軍(第23航空団第233飛行隊)にてMQ-9A Block 5を現役運用中
オランダ:オランダ王立空軍(第306飛行隊)にてMQ-9A Block 5を現役運用中
ポーランド:ポーランド空軍(第12無人航空機基地)にてMQ-9Aをリース形式で現役運用中
インド:インド海軍にてMQ-9Aをリース形式で現役運用中
Crew (乗員)0名 ※遠隔操作2名 (パイロット 1名、センサーオペレーター 1名)
Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高L: 11 m (36 ft)
W: 20.1 m (66 ft) (拡張キット装備時は 24 m / 79 ft)
H: 3.8 m (12.5 ft)
Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量)自重 (Empty Weight): 2,223 kg (4,900 lb)
最大離陸重量 (Max Takeoff Weight): 4,763 kg (10,500 lb) 〜 5,307 kg (11,700 lb) (通常仕様およびER拡張仕様による違い)
Powerplant (エンジン):型式、推力型式: 1x Honeywell TPE331-10GD (または TPE331-10) ターボプロップエンジン
推力: 900 shp
Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度最高速度または巡航速度として220 – 240 KTAS (約407 – 444 km/h) や 230 mph (約 370 km/h) などの性能値はあるが、特定の高度階層別の詳細な制限速度規定は非公開または不明
Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離)航続距離 (Ferry Range): 約 1,852 km (1,000 nmi / 1,150 miles) 〜 2,593 km (1,400 nmi / 1,611 miles) (燃料に基づく航続性能。なお最大滞空時間(Endurance)としては 26時間 〜 27時間、ERキット装備時は 34時間 〜 40時間以上とされる)
Service Ceiling (実用上昇限度)13,716 – 15,240 m (45,000 – 50,000 ft) (機体構成やミッション仕様により幅が存在)
Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力主翼下に6箇所、胴体中心線に1箇所。拡張キット装備時は9箇所、AGM-114 Hellfireミサイル (最大8基)、GBU-12 Paveway II、GBU-38 Joint Direct Attack Munitions (JDAM)、GBU-49 Enhanced Paveway II、GBU-54 Laser JDAMなどの精密誘導兵器の搭載能力を持つ
Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数None

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By U.S. Air Force photo by Paul Ridgeway – http://www.af.mil/News/Photos.aspx?igphoto=2000398487 ([1]), Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11200394

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