UH-1N Iroquois (Twin Huey)

UH-1N Iroquois (Twin Huey)
ベトナム戦争時の塗装を再現したアメリカ空軍のUH-1N Iroquois (Twin Huey)

Bell Helicopterが開発した民間機Bell 212の軍用仕様であり、双発エンジンを搭載した多用途ヘリコプターである。アメリカ空軍には1970年に導入され、従来の単発機に比べて高い安全性と運用能力を備えている。主な任務は緊急セキュリティ部隊の空輸、大陸間弾道ミサイル(ICBM)サイロや基地外の核兵器輸送コンボイの監視・警護、要人輸送であり、その他にも災害対応、捜索救難、医療搬送などに従事する。Pratt & Whitney Canada製のT400-CP-400ターボシャフトエンジンを2基搭載し、片方のエンジンが停止しても飛行性能を維持できる特徴を持つ。夜間や悪天候下での計器飛行にも対応しており、長年にわたりアメリカ軍の核抑止任務や広範な支援運用を支えている。

Official Name (正式名称)UH-1N Iroquois (Twin Huey)
米軍による正式名称は「イロコイ(Iroquois)、現場の兵士たちが使い始めた俗称が「ツイン・ヒューイ」(初期型が単発エンジンのヒューイであったため、双発となったUH-1Nは呼び分けのためツインがついたとされる)。なお、この俗称があまりにも有名になりすぎたため、のちに型式名自体が「HU-1」から「UH-1」に逆変更され、ベル社も公式にヒューイの名を使うようになった。
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国 / カナダ
Manufacturer (製造メーカー)Bell Helicopter Company
Designed (設計年)1968年にカナダ政府との協力のもと開発が承認されて設計プロジェクトが開始、1969年4月に初飛行を行った。運用開始年は1970年であり、同年にアメリカ空軍に導入されて実戦部隊への配備が開始された。
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国アメリカ空軍(各ミサイル航空団や救難飛行隊などでUH-1Nを現役運用)、国土安全保障省(DHSにおいてUH-1Nを現役運用)
オーストリア:オーストリア空軍(第3飛行連隊所属の軽輸送ヘリコプター飛行隊において、ライセンス生産品であるAgusta-Bell 212を現役運用)
サウジアラビア:サウジアラビア空軍(第14飛行隊において、ライセンス生産品であるAgusta AB-212を現役運用)
イタリア:イタリア海軍(海軍航空隊において、派生品であるライセンス生産の対潜・対艦仕様機AB 212ASWを現役運用)、イタリア陸軍(陸軍においてライセンス生産機AB 212を現役運用。なお、イタリア空軍のHH-212Aは2024年2月に退役)
ギリシャ:ギリシャ海軍(海軍航空コマンド所属の第1海軍ヘリコプター飛行隊において、派生品であるライセンス生産の対潜・対艦仕様機AB 212ASWを現役運用)
スペイン:スペイン海軍(海軍航空隊において、近代化改修されたライセンス生産機AB 212を現役運用)、スペイン陸軍(陸軍航空隊において、ライセンス生産機AB 212を現役運用)
ペルー:ペルー海軍(海軍航空隊において、派生品であるライセンス生産の対潜・対艦仕様機AB 212ASWを現役運用)
トルコ:トルコ海軍(海軍航空隊において、派生品であるライセンス生産の対潜・対艦仕様機AB 212ASWを現役運用)
ベネズエラ:ベネズエラ海軍(海軍航空隊において、派生品であるライセンス生産の対潜・対艦仕様機AB 212ASWを現役運用)
イラン:イラン海軍(海軍航空隊において、派生品であるライセンス生産の対潜・対艦仕様機AB 212ASWを現役運用)
Crew (乗員)3名(パイロット、コパイロット、フライトエンジニア)
任務や運用組織により4名(パイロット 2名、クルーチーフ 1名、空中銃手 1名)
積載能力として兵員を最大 13 -14名、または 6 – 8名の戦闘装備兵員、あるいは担架患者6名の輸送が可能
Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高L (全長): 17.44 m (57 ft 3 in) (メインローターおよびテールローターを含まない機体長ボディとしては 12.69 m (41 ft 8 in))
W (全幅): 2.87 m (9 ft 5 in) (メインローター直径を全幅とする場合は 14.63 m (48 ft))
H (全高): 3.90 m (12 ft 10 in) (資料により 4.40 m (14 ft 5 in) とするデータも存在)
Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量)自重: 約 2,722 kg (6,000 lb)
最大離陸重量: 4,763 kg (10,500 lb)
Powerplant (エンジン):型式、推力型式: 1x Pratt & Whitney Canada T400-CP-400 ターボシャフトエンジン (2基のエンジンコアで1つの複合ギアボックスを駆動する PT6T-3 / T400 Turbo Twin-Pac パワープラントシステム)
推力: 総出力 1,250 shp (資料により総出力 1,800 shp とするデータも存在)
Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度高度別の速度: 130 knots (149 mph / 240 km/h) 海面高度時 (巡航速度は 90-100 knots または 103-115 mph、高度別の詳細な速度規定データはなし)
Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離)Combat Range: 約 250 nm (288 miles / 463 km) ※空中給油なしでの作戦半径
Ferry Range: 248 nm (459 km) または 300 miles (482 km) 以上 ※最大航続距離
Service Ceiling (実用上昇限度)4,572 m (15,000 ft) (総重量が 10,000 lb を超える場合は 3,048 m (10,000 ft)、資料により 5,273 m (17,300 ft) とするデータも存在)
Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力None (最大 5,000 lb (2,268 kg) の外部貨物を吊り下げるスリング能力や、キャビン両脇にドアガン用のマウント兵装架を備える)
Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数None(固定武装は非搭載。ただし任務に応じてドアガン用に 7.62mm GAU-17 ミニガン7.62mm M240 機関銃.50口径 GAU-18 機関銃、または 2.75インチロケット弾ポッドなどを取り外し可能な形で装備可能。任務ごとに弾薬箱の積載量が変わるため、標準規定の固定弾数データはなし)
  1. By Airman Allison Martin – USAF UH-1N, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=138453287

上部へスクロール