交通船2121号型(25トン型交通船) / LCM YF-2121 class (LCM 25 ton type)

交通船2121号型
交通船2121号型

概要と開発の背景

交通船2121号型(25トン型交通船 / LCM YF-2121型)は、1970年代末(1978年計画・1979年就役開始)に吉浦造船所や石原造船をはじめとする日本の造船所で建造され、海上自衛隊に制式導入された第1種支援船(交通船)である。開発の背景には、海上自衛隊の主要基地や港務隊において、沖合や港内に停泊する護衛艦・補助艦艇と陸岸との間における隊員(主に曹士隊員)の日常的な移動、ならびに基地間の軽物資・資材輸送を安全かつ高効率に行うニーズが存在した。従来の輸送艦等に搭載されていた上陸用舟艇(LCM)の基本構造をベースに、港湾内での実用交通作業に適したサイズへと拡大・発展させる形で設計が進められた。アメリカ海軍で広く運用されてきたLCM(6)型と同等の寸法規格と機動力を持たせつつ、海上自衛隊の港湾物流および人員送迎の基幹インフラとして配備がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、高強度全鋼(スチール)製の堅牢な船体に、船首から直接突堤や海岸線へ着岸して人員および物資の自走・自力降下を可能とする油圧駆動式バウ・ランプ(艦首開閉式スロープ)を全装している点にある。中央から後部にかけては障害物のないフラットなオープン・ウェル・デッキ(開口甲板)構造を採用しており、最大34トンにおよぶ物資積載能力、または乗員に加えて最大80名の地上部隊・隊員を一度に収容・輸送できる広大な容積を備えている。推進器には、高い信頼性を誇るいすゞ製E120-MF6R水冷ディーゼルエンジン2基(合計出力480馬力)とスクリュープロペラ2軸推進を搭載し、満載時であっても10ノットの安定した速力を維持する。また、吃水わずか0.7mという浅喫水設計が施されており、水深の浅い港内深部や未整備の沿岸部へも容易に接近できる技術的工夫が盛り込まれている。

運用実績と評価

1979年3月の1号船(YF-2121)竣工以降、本型は横須賀港務隊、呉港務隊、佐世保港務隊、舞鶴港務隊などの主要基地港務隊をはじめ、大村航空基地隊や第1術科学校などの教育・支援部隊へ長年にわたり継続して配備された。実際の運用においては、沖合に繋留された大型護衛艦・補給艦・潜水艦への乗組員ピストン輸送(交通便)をはじめ、基地間の各種器材・港湾資材の搬送、さらには演習時の部隊輸送ミッション等で極めて高い稼働率を記録した。ボート型・キャビン付きの高級交通船(幹部送迎用)とは異なり、堅牢な鋼製バウ・ランプと広大な甲板構造を生かして大勢の隊員や大量の貨物を効率よく一度に渡航させられる点が高く評価された。初期の建造船は艦齢に達し順次退役しているものの、後続の同型船が長年にわたり更新配備されており、現代に至るまで海上自衛隊の港湾運用を足元から支える最も身近で不可欠な実用作業舟艇として定着している。

Official Name (正式名称)交通船2121号型(25トン型交通船) / LCM YF-2121 class (LCM 25 ton type)
Country of Origin (開発国)日本
Manufacturer (製造メーカー)吉浦造船所、石原造船等 (国内造船所)
Designed (設計年)運用開始年(就役年)は1番船(交通船2121号)が竣工・就役した1979年(昭和54年)3月31日、設計年は不明
Primary Operators (主な運用組織)日本: 海上自衛隊 (各基地港務隊、第1術科学校、大村航空基地隊等)において第1種支援船(公称船型: 25トン型交通船)として配備・運用
Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量基準排水量: 25 tonnes (約 25 long tons / 25 トン)
満載排水量: 不明
Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水W (全長): 17.0 m (約 55.77 ft / 669.29 in)
H (全幅/最大幅): 4.3 m (約 14.11 ft / 169.29 in)
D (喫水): 0.7 m (約 2.30 ft / 27.56 in) ※深さ: 2.2 m (約 7.22 ft / 86.61 in)
Propulsion (機関):2 × Diesel Engine (ディーゼルエンジン: いすゞ E120-MF6R ディーゼル機関 2基)
2 × Shafts (スクリュープロペラ 2軸推進)
出力: 480 PS (約 473 hp / 約 353 kW)
Speed (速力):10 kt (約 18.5 km/h / 約 11.5 mph)
Range (航続距離):9 kt 巡航時: 130 nm (約 240.76 km)
Complement (乗員数):乗員 4名 + 地上部隊/乗車人員 最大 80名
Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー):航行用レーダー (小型水上/航行用レーダー搭載)
Armament (兵装):None
Aircraft Carried (艦載機)、
Carrying capacity(積載能力):
積載能力: 最大 34 tonnes (約 34.00 t / 約 33.46 long tons / 34 トン)。船首バウ・ランプ構造により車両の自走搭載・揚陸および物資・要員輸送に対応

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=61424358
  2. By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=61424360
  3. By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=61424369
  4. By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=61424362

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