運貨船9号型 / YL-09 class landing craft lighters

運貨船9号型
YL-14 運貨船14号

概要と開発の背景

運貨船9号型(うんかせん9ごうがた / YL-09)は、1970年代末(1979年/昭和54年)より日本の防衛庁(現・防衛省)主導のもと、横浜ヨット株式会社や前畑造船株式会社、北浜造船鉄工株式会社などの国内造船所によって開発・建造され、1980年(昭和55年)より海上自衛隊へ導入された第1種支援船(公称船型「50トン型運貨船」)である。海上自衛隊の主要基地や港湾において、護衛艦や潜水艦をはじめとする各種自衛艦艇への物資、弾薬、魚雷、人員の輸送・補給作業は、部隊の即応性と艦隊機能を維持する上で不可欠な後方支援業務であった。当時運用されていた旧式の運貨船(YL-01型やYL-08型等)の老朽化が進んだことから、荷役効率と揚陸能力を強化した後継船の確保が急務とされた。また、港湾設備が整っていない沿岸部や離島への車両・資材の揚陸支援要求が高まったことを受け、アメリカ海軍のLCM(機動揚陸艇)の設計概念を参考に、高い汎用性と直接揚陸能力を備えた新世代の運貨船として開発が進められた。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、アメリカ海軍のLCM-8機動揚陸艇をモデルとしたフラットな箱型船体(全長27.0m、全幅7.0m)を採用し、船首部に可倒式の開閉板(バウ・ランプ)を配した点にある。これにより、傾斜海岸や未整備の砂浜に船首を直付けして擱座(ビーチング)し、積載した車両や物資を直接自力で発進・搬出させることが可能となっている。荷役装置としては、船体中部に揚降用クレーンを備えており、初期建造船(YL-09〜12)では両舷に力量2トンの小型クレーンを1基ずつ(計2基)配置していたが、後期建造船(YL-13以降)では左舷側に集約された大型クレーン1基へと改良された。推進機関にはいすゞ自動車株式会社製のE120T-MF6RE(560馬力)または後期のUM6 SD1 TCC ディーゼルエンジン2基を搭載し、2軸推進により9ノットの速力を発揮する。また、ビーチング作業後の脱出用として船尾に強力な離岸用錨と引き揚げウインチを完備するなど、過酷な浅瀬運用に配慮した構造が採られている。

運用実績と評価

1980年3月に1番船「運貨船9号(YL-09)」が就役して以降、同型船はYL-15をはじめ10隻以上が継続的に建造され、横須賀、呉、佐世保、舞鶴、大湊の各地方隊港務隊や基地分遣隊等へ制式配備された。実際の運用においては、基地港湾内において自衛艦に対する弾薬・魚雷・補給物資の積み込み作業に従事するほか、乗員5名に加えて最大約200名の便乗者を運搬できる収容力を活かし、港内での要員輸送や小規模な部隊展開支援に投入されてきた。特に、バウ・ランプと自動クレーンを用いた自己完結的な荷役能力は、クレーン設備のない小さな港湾や浅瀬における物流効率を飛躍的に向上させた。また、東日本大震災等の災害派遣においては、岸壁が損傷した港湾や離島への被災支援物資・車両の揚陸輸送にも柔軟に対応し、高い実用性が具体的に実証された。長年にわたり改修を重ねながら建造・運用が続けられており、海上自衛隊の基地ロジスティクスを水上から支え続ける信頼性の高い基幹ワークホースとして定着している。

Official Name (正式名称)運貨船9号型 / YL-09 class landing craft lighters
Country of Origin (開発国)日本
Manufacturer (製造メーカー)横浜ヨット、前畑造船、石浜造船所など、国内の複数造船所
Designed (設計年)昭和53年度(1978年度)計画において基本設計・建造予算が計上され、同計画に基づく1番船「運貨船9号(YL-09)」が1979年に起工、翌年の1980年3月28日に竣工したことで運用を開始
Primary Operators (主な運用組織)日本: 海上自衛隊 各地方隊隷下 港務隊
Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量基準排水量(公称船型):軽荷 50 t
満載排水量:120.5 t
Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水全長 27.0 m
最大幅(W) 7.0 m
深さ(H) 2.6 m
喫水(D) 1.04 m(※一般要目の喫水表記は最大約1.0m〜1.04m)
Propulsion (機関):ディーゼル推進 /
初期型(YL-09〜YL-12):いすゞ自動車製 E120T-MF6RE ディーゼルエンジン 2基、2軸駆動、総出力 560 PS
後期型(YL-13以降):いすゞ自動車製 UM6SD1TCC ディーゼルエンジン 2基、2軸駆動
Speed (速力):9 kt
Range (航続距離):公開データなし
Complement (乗員数):5名
Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー):航海用レーダー 1基
Armament (兵装):港湾内での消火活動(消防船機能)を想定し、泡沫原液タンク1基と、船橋(ブリッジ)天井の両舷に計2基の放水銃を装備
Aircraft Carried (艦載機)、
Carrying capacity(積載能力):
積載重量(貨物搭載能力)は「50 t」。船首に可動式の「バウ・ランプ(乗り込み斜路)」を備えており、砂浜などの海岸へ直接擱座しての車両や物資の揚陸(ビーチング)運搬・移送能力を有している。また、人員輸送時には最大「200名」を輸送可能。船体中部には物資揚降用のクレーン(初期船は2tクレーン×2基、後期船は左舷側に大型クレーン×1基)を装備しており、自衛艦等への弾薬や魚雷などの重量物輸送に対応した運搬能力を有している。

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Sengoku2501 – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=118341465
  2. By Sengoku2501 – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=118341543
  3. By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=34608897

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