M1281A1/A2 JLTV-CCWC (Close combat weapons carrier)

M1281 JLTV-CCWC (Close combat weapons carrier)
エアクッション型揚陸艇LCACから上陸するM1281 JLTV-CCWC

概要と開発の背景

M1281A1/A2 JLTV-CCWC(Joint Light Tactical Vehicle – Close Combat Weapons Carrier)は、2010年代にアメリカの Oshkosh Defense 社が開発し、2019年よりアメリカ陸軍およびアメリカ海兵隊へ配備が開始された4×4輪駆動の統合軽戦術車両(JLTV)ファミリーにおける近接戦闘兵器キャリアバリアントである。開発の背景には、1980年代から長年使用されてきた旧式ハンヴィー(HMMWV)の M1167 / M1114 等の対戦車・近接兵器キャリアにおける老朽化と、即席爆発装置(IED)や地雷に対する耐爆防護性能の決定的な不足という更新ニーズが存在した。過酷な現代戦場において、耐地爆装甲車(MRAP)と同等の圧倒的な乗員防護力を確保しながら、従来のハンヴィーと同等以上の空中輸送性と高い機敏性を両立し、前線歩兵部隊へ直接かつ強力な近接直射・対戦車火力を提供できる次世代の軽装甲戦闘プラットフォームとして M1281A1/A2 の調達がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、4名乗りの装甲キャビン構造に Oshkosh Defense 社独自の TAK-4i インテリジェント独立懸架サスペンションと、TOW 対戦車ミサイルや重機関銃を統合運用可能なルーフマウント構造を融合させている点にある。TAK-4i サスペンションは約508mm(20インチ)におよぶ垂直ホイールトラベル量を誇り、高低差の激しい不整地であっても高速で安定した走破性能を発揮する。車体下部には V字型耐爆構造ボトムシェル(V-hull)と衝撃吸収シートが採用され、MRAP 級の耐爆防護力を誇る。兵装システムには手動リングマウントまたは CROWS(共通遠隔操作兵器ステーション)を介して、BGM-71 TOW 対戦車ミサイル発射機、12.7mm M2重機関銃、40mm Mk 19 自動榴弾発射器、7.62mm M240 機関銃を柔軟に換装できる。パワートレインには 340hp 以上を発揮する 6.6 L Galehead / Banks Power ディーゼルエンジンと Allison 6段自動変速機が組み合わされ、デジタル化された C4ISR データリンクアビオニクスを備えている。改修型の A1/A2 仕様では、車載電源能力の強化やネットワークアーキテクチャの改善、重量削減型増加装甲パッケージ(A-Kit/B-Kit)が適用されている。

運用実績と評価

2019年の初期作戦能力(IOC)獲得および本格量産開始以降、M1281A1/A2 はアメリカ陸軍の歩兵旅団戦闘団(IBCT)やアメリカ海兵隊の歩兵大隊・対戦車小隊へ主力近接火器キャリアとして順次配備された。実際の運用評価においては、旧型ハンヴィー M1167 との比較において機動速度と耐爆生存性が劇的に向上した点が高く評価された。CH-47 や CH-53 ヘリコプターによる吊り下げ空輸や C-130 輸送機への機内積載が可能であり、空挺降下・空中機動部隊や水陸両用部隊が迅速に前線へ展開し、敵の機甲目標や強固な遮蔽陣地を即座に無力化できる高い機動打撃力を実証した。アメリカ軍だけでなくモンテネグロやスロベニアなどの NATO 加盟国への対外有償軍事援助(FMS)を通じた導入も決定・展開されている。ハンヴィー対戦車キャリアを完全に置き換える主力アセットとして、現在も第一線で現役運用が続けられている。

Official Name (正式名称)M1281A1/A2 JLTV-CCWC (Close combat weapons carrier)
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Oshkosh Defense(2015年 〜 2023年頃 ※JLTV A1 / 初期・量産型)、AM General(2023年 〜 現在 ※JLTV A2 / 現行生産シェア獲得メーカー)
Designed (設計年)軽汎用戦術車両(JLTV)プラットフォームの設計(基本設計・開発元となるOshkosh社のL-ATV設計案提示)年は2011年であり、量産・配備プロトコルを経て正式に初期運用能力(IOC)を達成した運用開始年は2019年
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(各歩兵旅団戦闘団[IBCT]、ストライカー旅団戦闘団[SBCT]の下部歩兵大隊・対装甲セクション、および重兵器中隊を中心に配備)、アメリカ海兵隊(各海兵遠征軍[MEF]直轄の歩兵大隊および重対戦車ミサイル[TOW]・M41A7 Saber運用部隊を中心に正規配備・現役運用。重対戦車ミサイルコンポーネントおよび予備弾薬を収容するロック式密閉型リアカーゴボックスとTOGPK 2.0ターレットを統合した主要戦術プラットフォームとして稼働している)
スロベニア:スロベニア陸軍(第1旅団および第72旅団傘下の中型歩兵大隊群[Medium Infantry Battalion Group]や山岳歩兵部隊の対装甲・機動火力セクションに配備。Kongsberg製RWSにSPIKE LR対戦車ミサイルを統合した直衛・対機甲アセットとして運用)
モンテネグロ:モンテネグロ陸軍(第1歩兵大隊[1st Infantry Battalion]を中心に配備。Elbit Systems製RWSやSPIKE対戦車ミサイル等を組み合わせ、歩兵中隊・対装甲小隊の主要な機動近接火力・対機甲プラットフォームとして運用)
リトアニア:リトアニア陸軍(「鉄狼」歩兵旅団[Iron Wolf Brigade]および「サモギティア」歩兵旅団[Samogitia Brigade]下部の歩兵大隊・対装甲小隊に配備。TOW/SPIKEミサイル等を運用する対機甲中核アセットとして運用)
北マケドニア:北マケドニア陸軍(第1歩兵旅団傘下の軽歩兵大隊群[Light Infantry Battalion Group]に配備。NATO即応目標を担う歩兵部隊の対装甲・重火器輸送・支援車両として導入)
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)5名(※基本構成として車内の個別バケットシートに4名[1 + 3 in individual seats]、および中央ターレット部にオプションの銃手1名[optional gunner]を収容する計5名席仕様)
Combat Weight (戦闘重量)Curb Weight (基本自重):14,000 lbs (6,350 – 6,400 kg)
Gross Vehicle Weight (B-kit装甲装着時最大総重量 GVW):22,500 – 22,632 lbs (10,200 – 10,266 kg)
Payload Capacity (有効積載量 / 4ドア仕様):3,500 lbs (1,587 kg)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)W (全幅):8.2 ft (2.5 m) ※公称値(nominal)
L (全長):20.5 ft (6.2 m) ※公称値(nominal、砲身含まず / TOWランチャーおよびリアボックス展開時等の細部突出を除く)
D (全高):8.5 ft (2.6 m) ※キャビン天板までの公称値。ターレットおよびTOGPK 2.0シールド展開時の最大全高は約10 ft (3.0 m)
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)コア1080乗員防護システム(Oshkosh CORE1080 crew protection)に基づくモジュラー装甲。工場出荷時の基本防護モジュール(A-kit)をベースに、必要に応じて現場でボルト留め可能な追加装甲パッケージ(B-kit)を統合することで、MRAP(耐地雷・伏撃防護)級の耐爆ハル・下部構造を構築する
Main Armament (主武装)M41A7 Saber ミサイルシステム(M41A7 Saber missile system ※TOW対戦車ミサイル発射機。ロック式密閉型リアカーゴボックスにミサイルコンポーネントおよび予備弾薬・再装填機能を完全収容)
Secondary Armament (副武装)車体ルーフ部のTOW銃手防護キット(TOGPK 2.0オープン型ターレット)に、ミサイルランチャーと並行して「M2 12.7mm重機関銃(M2 .50 Caliber Machine Gun)」または「Mk 19 40mm自動グレネードランチャー(Mk 19 40mm Automatic Grenade Launcher)」などの各種機関銃・サポート火器を必要に応じて選択搭載可能
Engine (エンジン出力 hp/kW)Gale Banks Engineering 866T 6.6-liter V8 Turbo Diesel Engine (General Motors Duramax L5Pベース)
出力:365 hp 〜 400 hp (272 kW 〜 298 kW) / トルク:850 lb-ft (1,152 Nm)
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)Paved (整地):70 mph (110 km/h 〜 113 km/h)
Unpaved (不整地):55 mph (88 km/h) ※地形条件およびTAK-4iインテリジェント独立懸架サスペンションの作動制御モードにより変動
Operational Range (航続距離)300 miles (480 km) 〜 350 miles (563 km)

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Spc. Georgia Napier – https://www.dvidshub.net/image/7951370/31st-marine-expeditionary-unit-directs-vehicles-during-amphibious-landing, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=159932867
  2. By Lance Cpl. Frank Sepulveda Torres – https://www.dvidshub.net/image/8270209/2d-battalion-6th-marines-caat-take-range, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=159713951
  3. By Lance Cpl. Victor Gurrola – https://www.dvidshub.net/image/9366168/31st-meu-blt-1-7-conducts-tow-missile-range, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=178594393
  4. By Lance Cpl. Eric Dmochowski – https://www.dvidshub.net/image/8110528/3-2-marines-caat-range, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=159710879
  5. By Cpl. Nayelly Nieves-Nieves – https://www.dvidshub.net/image/7624827/26th-meus-blt-executes-full-mission-profile-amphibious-raid, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=162636340
  6. By Cpl. Nayelly Nieves-Nieves – https://www.dvidshub.net/image/7624824/26th-meus-blt-executes-full-mission-profile-amphibious-raid, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=159932411

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