Lockheed Martin Indago 4 Tactical Quadcopter

Lockheed Martin Indago 4

概要と開発の背景

Lockheed Martin Indago 4 Tactical Quadcopter(ロッキード・マーティン・インダゴ4・タクティカルクアッドコプター)は、2020年代初頭にアメリカのLockheed Martin(Skunk Works / Procerus Technologies)が開発し、イギリス陸軍をはじめとする各国の軍・防衛機関に導入されているバックパック携行型戦術小型無人航空機システム(sUAS)である。開発の背景には、従来前線で運用されてきた小型無人機(Indago 3等)における処理能力制限、GPS抑止環境での航法性能の限界、ならびに拡張性不足を克服するという更新ニーズが存在した。特にイギリス陸軍の「Project TIQUILA(小型無人機システム近代化計画)」などをはじめとする先進各国の部隊再編において、単体歩兵兵員がバックパックに収納して容易に携行(Man-packable)でき、進入から僅か2分以内で即応展開が可能な高解像度ISR(情報・監視・目標捕捉・偵察)アセットとして開発が進められた。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、機体重量約3.4kg(ペイロード未搭載時/機体空重約2.0kg)のコンパクトな折りたたみ構造でありながら、最大2.27kg(5.0 lbs)におよぶ優れた有効積載容量と高効率モーターによる静音設計(Whisper Quiet)を備えている点にある。パワートレインにはホットスワップ(通電状態での即時交換)が可能な高密度リチウムイオンバッテリー2基を搭載し、最大50〜70分の滞空性能と10kmの通信データリンク範囲を達成している。機体には最先端のエッジ・コンピューティング処理基盤と、Northstarソフトウェアによるビジュアル・ベース・ナビゲーション(VBN)システムが組み込まれており、GPS電波が遮断・妨害(GPS-denied)された過酷な電磁波環境下であっても高度な自律飛行と光学位置指定を維持する。さらに、3箇所のペイロード・インターフェースとモジュール式オープン・システム・アーキテクチャ(MOSA)を採用し、ION 30X MK2(光学30倍ズーム)やNoctis Dual IR(二波長赤外線熱画像)などの各種高画質センサーやサードパーティ製ペイロードを迅速に統合できる技術的工夫が施されている。

運用実績と評価

制式化および配備において、Indago 4はイギリス陸軍(Project TIQUILAに基づき2022年12月に159セットを契約・導入)をはじめ、アメリカ軍の各種特殊作戦部隊、治安維持・法執行機関などで制式導入・運用されている。実際の運用においては、小規模小隊・分隊レベルでの近接戦術監視、市街地戦闘での建造物偵察、暗闇下における熱源追尾、ならびに地上作戦端末(ATAK / VCSi Touch)と連動したリアルタイムの地理位置情報(ジオポインティング)提供ミッションで卓越した性能を実証した。従来の前傾固定翼型小型ドローンと比較して、滑走路や投射器を一切必要としない垂直離着陸(VTOL)能力と、ほぼ無音での滞空(Whisper Quiet)による敵からの低シグネチャー性(発見されにくさ)が高く評価されている。現代のネットワーク化された戦場(Connected Battlespace)における最前線歩兵の「目」として不可欠な戦術小型UAVプラットフォームとして高い信頼を獲得している。

Official Name (正式名称)Lockheed Martin Indago 4 Tactical Quadcopter
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Lockheed Martin (Lockheed Martin Skunk Works)
Designed (設計年)2023年7月にNATO加盟国国防省顧客への初の売却が発表され2023年第4四半期から納入・運用が開始されたが、本機モデル(Indago 4)としての特定の単一な設計年については不明である(前世代機Indago 3等のシリーズ発展型として開発され、2021年頃よりカスタムバッテリー供給等関連コンポーネントの選定が進行していた)。
Primary Operators (主な運用組織)イギリス:イギリス陸軍(王立砲兵連隊 第47砲兵連隊 47th Regiment Royal Artillery など)において、Desert Hawk IIIの後継機としてIndago 4を計159機調達・運用
※2023年にNordic Unmanned経由で「某NATO加盟国の国防省」へのIndago 4の初売却が発表されたが、具体的な国名・軍種・部隊名は非開示のため不明
Crew (乗員)None
Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高展開時 (Operational):
L: 約 1.07 m (42 in)
W: 約 1.07 m (42 in)
H: 約 0.30 m (12 in)
折りたたみ時 (Folded):
L: 約 0.32 m (12.5 in)
W: 約 0.24 m (9.5 in)
H: 約 0.13 m (5 in)
Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量)Empty Weight (機体単体自重 / ペイロード含まず): 約 2.0 kg – 3.4 kg (4.4 lbs – 7.4 lbs)
Max Takeoff Weight / Max Payload Weight (最大離陸重量 / 最大ペイロード重量): 最大ペイロード重量 約 2.27 kg (5.0 lbs) (※総重量換算 約 4.27 kg – 5.67 kg / 9.4 lbs – 12.5 lbs)
Powerplant (エンジン):型式、推力4 × Electric Motors (電動モーター・4軸ローター駆動)
Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度最大速度: 不明 (耐風速性能: 最大約 56 km/h / 35 mph)
Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離)Combat Range (データリンク直接制御通信範囲): 約 10 km – 12 km (6.2 miles – 7.5 miles / 5.4 nm – 6.5 nm)
Ferry Range (連続飛行時間 / 航続時間): 50分 – 70分 (バッテリー種別および搭載ペイロードに依存、ペイロード250g時 55分以上 / 600g時 45分以上)
Service Ceiling (実用上昇限度)約 5,486 m + MSL (18,000 ft + MSL / 海抜高度) (通常運用飛行高度: 地上高度 約 30 m – 152 m / 100 ft – 500 ft AGL)
Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力None (固定ハードポイントおよびミサイル・爆弾搭載能力非搭載 / 3基の着脱式アタッチメントポートはEO/IRカメラ・各種センサー等の情報・監視・目標補足・偵察 (ISR) 用ペイロード専用)
Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数None

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. Photo Credit: Lockheed Martin Courtesy of Lockheed Martin Corporation. – https://www.lockheedmartin.com/en-us/news/features/2025/teaming-up-to-accelerate-autonomy-of-uncrewed-aerial-vehicles.html

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