CMV-22B Osprey

CMV-22B Osprey

概要と開発の背景

CMV-22B Ospreyは、2010年代半ばにアメリカ合衆国のBell TextronとBoeing(Bell Boeing)が共同開発し、アメリカ海軍に制式採用された艦上輸送機(COD)である。アメリカ海軍では長年、艦上輸送機として固定翼機であるC-2A Greyhoundを運用し、陸上基地から航行中の航空母艦へ人員、郵送物、重要資機材を搬送してきた。しかし、C-2Aの老朽化が進むとともに、空母航空団への第5世代ステルス戦闘機F-35Cの導入に伴い、同機の大型パワープラントであるPratt & Whitney F135エンジン(パワーモジュール)を分解・加工することなく機体内部へ直接積載し、空母へ急速搬送できる新世代の輸送アセットが必要となった。また、C-2Aはカタパルト発艦とアレスティングワイヤ着艦を前提とするため運用先が平甲板の大型空母に限られていたが、水上艦艇や前線拠点への直接輸送能力へのニーズも高まった。これらの要求を満たすため、アメリカ海兵隊が運用する垂直離着陸ティルトローター機 MV-22 Ospreyをベースとした海軍向け専用改修型として本機が開発された。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、垂直離着陸(VTOL)能力と固定翼機の高速巡航性能を両立するティルトローター機構に加え、C-2Aの代替およびF135エンジンの機内輸送に対応するため航続距離と貨物収容能力が大幅に強化されている点にある。ベースとなったアメリカ海兵隊のMV-22Bと比較して、主翼側面のスポンソン(張り出し構造)を大型化・再設計し、内部の燃料タンク容量を増強した。これにより、無補給での行動半径は1,150海里(約2,130km)以上に延伸され、陸上基地から遠く離れた海域で行動する空母打撃群へダイレクトに補給できる長距離進出能力を獲得した。パワートレインにはRolls-Royce製T406-AD-400ターボシャフトエンジンを2基搭載する。機体内部には大型貨物用リアラダーと貨物固縛用レールシステムを備え、F135エンジンモジュールを専用コンテナごと積載可能である。さらに、機内通信の利便性を高める高周波(HF)無線システムや乗員向けキャビンPAシステム、誘導照明等の艦載輸送に特化した各種技術的工夫が施されている。

運用実績と評価

2020年の初号機納入および2021年の初期作戦能力(IOC)獲得以降、アメリカ海軍の艦上輸送飛行隊(VRM-30 “Titans” 等)に本格配備され、太平洋や中東地域に展開する空母打撃群(ニミッツ級およびジェラルド・R・フォード級航空母艦)の長距離ロジスティクス支援を担っている。2021年から2022年にかけて空母カール・ヴィンソンへの初の実用展開(F-35CおよびE-2Dとの統合展開)を果たし、陸上拠点から空母甲板への人員・エンジン・緊急物資の即時直接輸送において極めて優れた柔軟性と展開力を示している。前級C-2Aと比較してカタパルトやアレスティングワイヤを使用せずに離着艦できるため、空母の飛行甲板運用への負担を軽減できるだけでなく、強襲揚陸艦や大型水上艦艇へ直接アクセスして物資を分配できる点が実用面で高く評価されている。現在ではC-2Aからの更新が完了し、空母航空団の遠征ロジスティクスを支える核心的アセットとして確固たる立ち位置を築いている。

Official Name (正式名称)CMV-22B Osprey
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Bell Boeing
Designed (設計年)2010年代前半にBell Boeingによって設計・開発が進められ、試験・評価を経て、2021年にアメリカ海軍で運用が開始
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ海軍(艦隊兵站支援飛行隊〔VRM〕:VRM-30、VRM-40 ほか)
Crew (乗員)4名 (パイロット、副操縦士、機長/クルーチーフ、第2エアクルーマン) + 兵士最大23名収容可能
Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高L (全長):胴体長 約17.47 m (57.3 ft) / 全長(ローター格納時) 約19.20 m (63.0 ft)
W (全幅 / 主翼幅・ローター回転時):全幅(ローター回転時) 約25.78 m (84.6 ft) / 幅(ローター格納時) 約5.61 m (18.4 ft) / ローター直径 各 約11.6 m (38.1 ft)
H (全高):約6.73 m (22.1 ft) ※ナセル垂直時
Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量)最大総重量 (VTOL時) 約23,859 kg (52,600 lbs)
最大総重量 (STOL時) 約25,855 kg (57,000 lbs)
Powerplant (エンジン):型式、推力2x Rolls-Royce Liberty AE1107C ターボシャフトエンジン
出力 各約6,150 shp / 4,586 kW
Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度巡航速度 約269 knots (約498 km/h)
Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離)無補給航続距離 約1,150 nm (約2,130 km) ※空中給油対応
Service Ceiling (実用上昇限度)25,000 ft(7.62 km)
Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力None
Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数オプション: 7.62mm M240 or .50 cal GAU-21

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By U.S. Navy photo by Mass CommunicationSpecialist 3rd Class Isaiah B. Goessl – https://www.dvidshub.net/image/7980136/uss-carl-vinson-cvn-70-conducts-cmv-22b-osprey-flight-operations, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=138252771

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