
アメリカのエアロヴァイロメント社が開発した、歩兵携帯・手投げ発射型の超小型戦術無人航空機(SUAV)である。本機は、地上部隊や小規模チームに対してリアルタイムでの昼夜間空中偵察、監視、目標捕捉、およびフォースプロテクション(部隊防護)任務を即座に提供する設計が特徴である。軽量な機体は電動モーターのプッシャープロペラ(推進式)で駆動し、GPSウェイポイントによる完全自律飛行や自動着陸(ディープストール着陸)機能を備えている。アメリカ陸軍の中隊レベルをはじめ世界中の多くの同盟国で標準採用され、前線における状況認識能力を劇的に向上させるタクティカルアセットとして実戦に多数投入されている。
| Official Name (正式名称) | AeroVironment RQ-11 Raven A/B/B DDL (各バリエーション呼称:RQ-11A / RQ-11B / RQ-11B DDL / 原型システム呼称:FQM-151 Pointer) |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | AeroVironment, Inc.(エアロヴァイロメント社) |
| Designed (設計年) | 基礎となった原型システム(FQM-151 ポインター)は1990年代に開発され、現在の形状となる実質的な基本設計およびプロトタイプ初飛行は2001年10月に達成、2002年に公開された。その後、アメリカ陸軍による限定的な戦術フィールド評価を経て、2003年5月に公式に軍への導入および作戦運用を開始した。なお、陸軍の制式SUAVプログラム選定に勝利し、フルレート生産(大量量産)へ移行したのは2005年から2006年にかけてである。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(各歩兵中隊・大隊レベルの標準偵察アセット)、アメリカ海兵隊(遠征部隊(MEU)の戦術監視用)、アメリカ空軍(第919特殊作戦セキュリティフォース飛行隊などの基地防御用)、およびアメリカ特殊作戦コマンド(USSOCOM)にて、最大規模の基幹小型無人航空機(SUAV)として大量現役運用中 ウクライナ:ウクライナ陸軍、およびウクライナ空中強襲軍(各戦術旅団の歩兵・偵察ユニットなど)にて、米国からの防衛援助(2016年の初期供与分および紛争激化以降の大量追加分)を前線の昼夜間戦術情報収集用として大規模に実戦現役運用中 イギリス:イギリス陸軍(第1情報監視偵察旅団や特殊部隊(UKSF)など)にて、アフガニスタンでの緊急調達以降、FMS経由で導入されたフリートを低空戦術偵察アセットとして現役運用中 オーストラリア:オーストラリア陸軍(陸軍航空隊および各歩兵大隊の戦術偵察・観測要員など)にて、米軍との高い相互運用性を維持するための標準SUAVとして公式現役運用中 イタリア:イタリア陸軍(第151歩兵連隊や特殊部隊など)にて、海外派遣作戦における分隊・小隊レベルのフォースプロテクション(部隊防護)用戦術空域監視アセットとして現役運用中 スペイン:スペイン陸軍(情報連隊、および各種機械化歩兵部隊)にて、国内軍用登録名「UR-11 Raven」として、前方展開部隊の状況認識向上のために公式現役運用中 オランダ:オランダ王立陸軍(合同情報監視偵察コマンド(JISTARC)など)にて、小規模戦術チームの自律的スカウティングアセットとして公式現役運用中 ベルギー:ベルギー陸軍(中隊レベルの戦術作戦監視アセットとして)にて、2017年8月に総計32機の調達契約を締結し、部隊展開完了後の現在も現役運用中 ルクセンブルク:ルクセンブルク陸軍(偵察中隊など)にて、NATO共同作戦の枠組みにおける情報収集能力維持のため、16機体制のSUAVフリートとして公式現役運用中 ポルトガル:ポルトガル陸軍(第5砲兵連隊・ISTAR大隊の監視システム中隊など)にて、2018年よりFMS経由の調達デリバリーが完了したデジタルデータリンク(DDL)仕様を現役運用中 リトアニア:リトアニア陸軍(機械化歩兵旅団「アイアン・ウルフ」など)にて、バルト海沿岸における対領空・国境戦術監視任務の基幹SUAVとして現役運用中 エストニア:エストニア陸軍(第1・第2歩兵旅団の偵察・観測ユニットなど)にて、米国からの安全保障援助プログラムに基づき取得した戦術情報アセットとして公式現役運用中 チェコ:チェコ陸軍(第102偵察大隊など)にて、アフガニスタンなどでの国際治安支援ミッション派遣時から維持されている標準近接監視フリートとして現役運用中 ルーマニア:ルーマニア陸軍(第282機械化歩兵旅団、および特殊作戦部隊(SOF)など)にて、NATO東部戦線における即応戦術能力強化および米国との合同訓練アセットとして公式現役運用中 スロバキア:スロバキア陸軍(地上軍の各戦術大隊偵察班など)にて、周辺安全保障・防衛ネットワークの近代化枠組みで公式現役運用中 ノルウェー:ノルウェー陸軍(情報大隊など)にて、極寒冷地における地上部隊のスタンドオフ視界確保のための戦術小型アセットとして公式現役運用中 デンマーク:デンマーク陸軍(陸軍情報センターなど)にて、海外展開および戦術防衛ミッション用のポータブル空中偵察アセットとして公式現役運用中 北マキドニア:北マキドニア陸軍(特殊作戦大隊など)にて、NATO加盟前後の軍事近代化プログラムを通じて米国から取得したSUAVとして公式現役運用中 レバノン:レバノン陸軍(第2・第3国境不正規警備旅団など)にて、過酷な国境境界地域における対テロ作戦を支援するため、米国より公式移管された12システム(計36機以上)を現役運用中 サウジアラビア:サウジアラビア陸軍(機甲師団の歩兵斥候ユニットなど)にて、イエメン国境周辺や主要紛争戦域における地上警戒監視目的として調達したアセットを現役運用中 パキスタン:パキスタン陸軍(前線準軍事組織や特殊部隊など)にて、対テロ作戦における山岳・不正規地帯の空中リアルタイム監視用に限定調達したフリートを現役運用中 タイ:タイ王立陸軍(歩兵旅団および長距離偵察中隊など)にて、国境付近の監視能力強化を目的としてFMSを通じて公式受領したモデルを現役運用中 フィリピン:フィリピン陸軍(特殊作戦連隊など)にて、南部島嶼地域における対ゲリラ・反政府武装勢力掃討作戦の空中情報アセットとして公式現役運用中 ウズベキスタン:ウズベキスタン陸軍(特殊作戦部隊など)にて、中央アジア地域での国境不正規紛争抑止を目的として、米国から公式安全保障供与されたアセットを現役運用中 ケニア:ケニア国防軍(陸軍前線歩兵大隊など)にて、ソマリア国境付近のアル・シャバブ対策に向け、アフリカの角地域安全保障援助プログラムを通じて供与されたシステムを現役運用中 ウガンダ:ウガンダ人民防衛軍(AMISOM/ATMIS平和維持派遣部隊など)にて、ソマリアなどでの対テロ不正規戦における部隊防護目的として米国から公式供与された機体を現役運用中 ロシア連邦:ロシア陸軍、およびロシア国家親衛隊(特殊任務部隊スペツナズ等)にて、ウクライナ戦闘正面(ハルキウ、ドンバス、ザポリージャ戦域など)において、ウクライナ軍の戦術拠点や撃破された通信サイトから回収・鹵獲した、バッテリーおよび電子基板が機能維持状態にあるRQ-11Bを実戦検証・対抗電波妨害テスト用に不正規現役運用中 |
| Crew (乗員) | 0名(無人機、地上運用時はシステム1式あたり 2名の兵士(ミッションオペレーターおよび地上管制ステーションオペレーター)によってバックパックから組み立て・携行運用される) |
| Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高 | L: 0.91 m (3.0 ft) / W: 1.37 m 〜 1.40 m (4.5 ft) / H: 設定なし(手投げの無脚超小型機であり、恒常的な機体全高データは測定値・公式定義なし。主翼面積は 0.25 平方メートル) |
| Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量) | 自重(機体単体、センサーおよびバッテリー含む総自重):1.9 kg (4.2 lbs) ※最新のジンバル式EO/IRセンサーペイロード搭載仕様時は 約 2.2 kg (4.8 lbs) 最大離陸重量(MTOW):2.2 kg (4.8 lbs) ※手投げローンチ可能かつ機体構造上の最大限界重量 |
| Powerplant (エンジン):型式、推力 | 1x Aveox 27/26/7-AV electric motor(アヴェオックス製 27/26/7-AV 高効率ダイレクトドライブ・ブラシレス電動モーター、機体中央上部にプッシャー式プロペラを配置) / 推力(出力):非公表(リチウムイオン二次電池駆動による完全電動推進) |
| Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度 | 最大運用速度(限界ダッシュ時):Mach 0.08 (60 mph / 97 km/h) 標準巡航(偵察)速度:Mach 0.03 〜 Mach 0.04 (20 mph 〜 31 mph / 約 32 km/h 〜 50 km/h) |
| Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離) | 戦闘行動半径(地上管制ステーション(GCS)からの見通し通信範囲):約 10 km (6.2 miles) ※アンテナ構成およびロット等により 8 km 〜 12 km 航続距離(最大飛行持続時間ベース):約 60分 〜 90分(標準の充電式リチウムイオンバッテリー運用時。使い捨ての単一ユース一次電池仕様の場合は最大 80分 〜 110分 の連続徘徊飛行が可能) |
| Service Ceiling (実用上昇限度) | 標準巡航高度:地上高度 30 m 〜 152 m (100 ft 〜 500 ft AGL) ※最大 305 m (1,000 ft) AGLまで展開可能 最大発射・運用限界高度(Ceiling):海抜 4,267 m 〜 4,572 m (14,000 ft 〜 15,000 ft MSL) |
| Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力 | なし |
| Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数 | なし 交換式センサーノーズモジュールに以下のいずれかのパッケージの光学アセットを内蔵・装備可能 ・デュアル前方・側方カラーEOカメラモジュール / 電子PTZ機能付き前方・側方IR(赤外線)カメラモジュール ・360度連続回転式軽量ジンバル搭載型・統合EO/IRセンサー(高精度デジタルズームおよび地上標的を指示するための赤外線レーザーイルミネーター(IR Laser Illuminator)を内蔵) |
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- By U.S. Army photo by Spc. Alexander Chatoff – This image was released by the United States Army with the ID 230130-A-RV289-1015 (next).This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing.العربية ∙ বাংলা ∙Bahaso Jambi ∙Deutsch ∙ Deutsch (Sie-Form) ∙ English ∙ español ∙ euskara ∙ فارسی ∙ français ∙ italiano ∙ 日本語 ∙ 한국어 ∙ македонски ∙ മലയാളം ∙ Plattdüütsch ∙ Nederlands ∙ polski ∙ پښتو ∙ português ∙ русский ∙ slovenščina ∙ svenska ∙ Türkçe ∙ українська ∙ 简体中文 ∙ 繁體中文 ∙ +/−, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=157185977








