
概要と開発の背景
48-tonne Army Workboat(48トン級アーミー・ワークボート / AWB)は、2000年代半ばにイギリスのVT Halmatic(現 BAE Systems Surface Ships)が受注し、Warbreck Engineeringによって建造され、2007年よりイギリス陸軍へ制式配備された多目的軍用作業艇である。開発の背景には、イギリス陸軍の王立物流軍団(RLC)が過酷な海外展開領域や未整備の沿岸部において運用する旧式小型作業艇の老朽化と、多様化する現代の遠征ロジスティクス支援ミッションへの対応ニーズが存在した。港湾設備や係留インフラが存在しない海岸線において、無動力のMexeflote(メクセフロート)自航ポンツーン台船やRSP(ランプ・サポート・ポンツーン)の位置決め・曳航支援、洋上でのドラコーン(可撓性燃料タンク)の曳航、ならびに単一ポイント繋留ブイ(SPM)の設置やパイプライン設営など、前線部隊への自給自足的な燃料・物資補給網を構築するための基幹海洋ロジスティクス支援船体として開発が進められた。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、総重量48t(排水量48トン)に達する堅牢なスチール製船体構造と、押し・引き(Push-Pull)の双方で強力な曳航力を発揮する高耐久な作業船型デザインにある。船体寸法は全長14.75m(14.8m)、全幅4.3m(4.5m)とコンパクトに収められており、大型揚陸艦(LPD / LSD(A))のウェルデッキ内への収容や甲板上への積載移送を想定した設計となっている。パワートレインには高トルクを発揮する舶用ディーゼルエンジンが組み合わされ、最大10ノットの最高速度とともに、重重量のMexefloteや燃料ドラコーンを低速で安全に曳航・操船できる優れた推力性能を備えている。また、自衛・作業用の高圧消火放水銃(消防機能)や強力な牽引装置、ならびに水上作業での全周囲視界を確保する全天候型ハイキャビン(操縦室)が装備され、過酷な荒天・波浪環境下でも高い作業安全性と操縦安定性を保持する技術的工夫が施されている。
運用実績と評価
2007年の配備開始以降、48-tonne Army Workboatはイギリス陸軍の王立物流軍団(RLC)第17港湾・海上連隊(17 Port and Maritime Regiment RLC)に配備(AWB41 “Storm”、AWB42 “Diablo”、AWB43 “Sirocco” 等の同型船)され、制式運用されている。実際の運用においては、マーチウッド軍港(Marchwood Sea Mounting Centre)での日常的な港湾管理作業をはじめ、イギリス軍の海外遠征演習やエリザベス女王ダイヤモンド・ジュビリー(水上パレード)などの公的イベントでの水上警戒・支援ミッションへ投入された。前級の小型20t級旧型作業艇と比較して、倍以上に拡大された船体規模と圧倒的な曳航出力により、大型Mexefloteの接岸ガイドや荒天時の水上パイプライン展開において高い作業安定性を証明した。自力での大規模揚陸を支える「陰の立役者」として、イギリス陸軍の揚陸・ロジスティクス部隊において極めて高い信頼と評価を獲得している。
| Official Name (正式名称) | 48-tonne Army Workboat |
| Country of Origin (開発国) | イギリス |
| Manufacturer (製造メーカー) | Warbreck Engineering (VT Halmatic からの下請け建造) |
| Designed (設計年) | VT Halmaticからの下請けによりWarbreck Engineering(リバプール)によって2007年に製造(建造)され、同2007年頃よりイギリス陸軍の王立物流軍団(Royal Logistic Corps / RLC)にて配備・運用が開始された |
| Primary Operators (主な運用組織) | イギリス:イギリス陸軍(王立物流軍団 第17港湾・海上連隊 17 Port and Maritime Regiment RLC)において上陸用ポンツーン(Mexeflote)押し航行、単一繋留ブイ・燃料パイプライン設置、消火支援等用として48-tonne Army Workboatを配備・運用 |
| Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量 | 総重量 / 排水量: 約 48 tonnes (48,000 kg / 約 47.24 long tons / 52.91 short tons) |
| Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水 | W (全長): 約 14.75 m (48.39 ft / 48 ft 4.8 in) H (全幅): 約 4.30 m (14.11 ft / 14 ft 1.3 in) D (喫水): 不明 |
| Propulsion (機関): | 型式: ディーゼルエンジン (機体搭載の機関詳細型式は非公表) |
| Speed (速力): | 最大速度: 約 10.0 kt (10 knots / 約 18.5 km/h / 11.5 mph) |
| Range (航続距離): | 非公開 |
| Complement (乗員数): | 公表諸元における定員数は非公開 |
| Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー): | 航法用レーダー・各種船舶航行補助センサーおよび消防(消火)設備を搭載 |
| Armament (兵装): | None |
| Aircraft Carried (艦載機)、 Carrying capacity(積載能力): | 上陸用ポンツーン(Mexeflote)の押航・位置調整作業能力、JOFS燃料輸送システム用パイプラインおよび単一繋留ブイの設営・運用能力、消火支援能力 |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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