



概要と開発の背景
SIG Sauer P228は、1980年代末にスイスのSIG社とドイツのJ.P. Sauer & Sohn社が設立したSIG Sauer社(当時のSIG Arms)が開発した9x19mmパラベラム弾を使用するコンパクト半自動拳銃である。1980年代半ばのアメリカ軍における主力拳銃選定試験(M9ピストル選定)において、フルサイズのP226は優れた性能を示したものの、最終的に価格面等からBeretta M9が制式採用された。しかし、制式採用されたM9や従来のM1911A1などのフルサイズ自動拳銃は、軍の憲兵(MP)や刑事捜査官、要人護衛要員、航空機乗員(パイロット)、特殊部隊員が衣服の下に隠蔽携帯(コンシールメント)して運用したり、狭いコクピットや車内で携行したりするには大型で非効率であった。こうしたニーズに応えるため、P226の信頼性を維持したまま小型・軽量化したコンパクトモデルとして開発され、1989年にアメリカ軍へ導入開始されたのち、「M11」の制式名称で正式採用された。
構造と技術的特徴
本機の設計上における最大の強みは、ベースとなった大型のP226が持つ抜群の作動信頼性と操作体系を保持したまま、過酷な軍用基準を満たすコンパクト化を徹底した点にある。作動方式にはショートリコイル方式とチルトバレル(閉鎖機構)を採用しており、スチール・プレス成形のスライドと軽量なアルミニウム合金製フレームを組み合わせている。撃発メカニズムには伝統的なダブルアクション/シングルアクション(DA/SA)方式を採用しており、マニュアル・セフティ(手動安全装置)を配する代わりに、安全にハンマーを戻すデコッキングレバーと自動ファイアリングピン・ブロックを装備している。これにより、手動安全装置の解除操作なしで安全に携行でき、緊急時にはトリガーを引くだけで即座に第一射を行える高い即応性を確保している。また、従来の小型自動拳銃が単列(シングルスタック)弾倉で装弾数が少ない傾向にあったのに対し、P228は13発装弾数の複列(ダブルスタック)箱型マガジンを標準採用し、小型でありながら十分な持続火力を備えている。
運用実績と評価
1989年の配備開始以降、1990年代初頭にアメリカ陸軍、海軍、空軍、海兵隊の全軍種において「M11」として全面制式化された。主として陸軍刑事捜査司令部(CID)、海軍犯罪捜査局(NCIS)、空軍特別捜査局(OSI)などの捜査機関や、海軍特殊部隊(SEALs)、航空機乗員に標準支給された。軍の制式試験においては、合格基準の3倍以上に相当する数千発の無故障射撃テストを記録するなど、極めて高い機械的耐久性と卓越した命中精度を示し、前線および捜査官から絶大な信頼を獲得した。軍事機関のみならず、FBI(連邦捜査局)やUS Secret Service(シークレットサービス)などのアメリカ政府治安機関でも広く採用された。後にスライド部をステンレス削り出しに更新し多口径化を図った後継モデル「P229」や改修型「M11-A1」へと発展した。近年ではモジュラー・ハンドガン・システム(MHS)計画によるSIG M18等への更新が進められているが、近代における軍用コンパクト自動拳銃の決定版として不変の歴史的名機と評されている。
| Official Name (正式名称) | SIG Sauer P228 |
| Country of Origin (開発国) | ドイツ / スイス |
| Manufacturer (製造メーカー) | SIG Sauer |
| Designed (設計年) | 基本設計は1980年代後半に進められ、1988年に最初の開発および試作機発表が達成された。その後、1989年に民間商業市場への初期デリバリーが開始されるとともに、アメリカ海軍や陸軍の評価プロセスを経て1989年中にアメリカ軍へ公式導入された。さらに1991年6月5日には正式にナショナルストックナンバー(NSN)が付与され、「M11」としてアメリカ軍戦闘部隊や捜査機関における本格的な作戦運用が開始 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍、アメリカ海軍、アメリカ空軍、アメリカ海兵隊(※全軍でM17/M18への置換がほぼ完了し、アメリカ海軍(航空搭乗員や法執行機関)においてのみ、M18への更新途上、あるいはごく一部の予備アセットを残し退役済み。米軍制式名:M11) 日本:海上保安庁(特殊警備隊[SST]) スウェーデン:スウェーデン国防軍(憲兵部隊等) フランス:国家憲兵隊特殊部隊(GIGN) エルサルバドル:国家民警(National Civil Police of El Salvador) インドネシア:インドネシア陸軍(陸軍特殊部隊[Kopassus])、インドネシア海軍(海軍特殊部隊[Kopaska]) アイルランド:アイルランド防衛軍(陸軍レンジャー部隊[Army Ranger Wing]) イスラエル:イスラエル国防軍(各種特殊部隊) マレーシア:マレーシア国家警察(連邦計画隊第4大隊タイガープラトーン[Tiger Platoon-GOF]) フィリピン:フィリピン空軍 ポーランド:ポーランド軍(特殊部隊[GROM]) ポルトガル:ポルトガル軍 アラブ首長国連邦:アラブ首長国連邦軍(および各種特殊部隊) イギリス:イギリス陸軍(王立憲兵(Royal Military Police – RMP)」の要人警護(Close Protection)部隊 ※退役済み、L137A1(Glock 19 Gen4へのリプレイスが完了)、イギリス海軍(特殊舟艇部隊:SBSにて狭い特殊舟艇内での機動や、隠密作戦におけるコンパクトサイドアームの選択肢(インベントリ資産)として L107A1 (P228) を運用されていたが退役済み)、特殊空挺部隊(SAS / 第22SAS連隊(私服での対テロ作戦や、標準支給のフルサイズ(L131A1:Glock 17)では携行に不便な隠密潜入任務用アセットとして L107A1 (P228) を運用していたが現在は退役済み) |
| Type (種類) | 半自動式拳銃 |
| Caliber (口径) | 9×19mm Parabellum |
| Action (作動方式) | Short recoil-operated(ティルトバレル方式ショートリコイル) |
| Overall Length (全長) | 約180 mm |
| Barrel Length (銃身長) | 約99 mm |
| Weight (重量) | 0.74 kg |
| Rate of Fire (発射速度) | セミオートマチック |
| Effective Range (有効射程) | 50 m |
| Feed System (給弾方式) | 13 or 15-round magazine |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
PR:関連商品
画像の引用元
- By US Air Force from USA – M11 Pistol, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=56362995
- By Petty Officer 2nd Class Taylor Smith – https://www.dvidshub.net/image/1445325, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39185810
- By U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Aaron Holt – This image was released by the United States Navy with the ID 080824-N-4005H-338 (next).This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing.العربية ∙ বাংলা ∙Bahasa Indonesia ∙Bahaso Jambi ∙Deutsch ∙ Deutsch (Sie-Form) ∙ English ∙ español ∙ euskara ∙ فارسی ∙ français ∙ italiano ∙ 日本語 ∙ 한국어 ∙ македонски ∙ മലയാളം ∙ Plattdüütsch ∙ Nederlands ∙ polski ∙ پښتو ∙ português ∙ русский ∙ slovenščina ∙ svenska ∙ Türkçe ∙ українська ∙ 简体中文 ∙ 繁體中文 ∙ +/−, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8200782












