HK SFP9 / VP9

9mm拳銃SFP9
日本陸上自衛隊の9mm拳銃SFP9(SFP9 M)

概要と開発の背景

HK SFP9 / VP9は、2010年代初頭よりドイツのHeckler & Kochが開発を進め、2014年に発表されたストライカー打撃方式のポリマーフレーム半自動式拳銃である(欧州市場や官公庁向け名称がSFP9[Striker-Fired Pistol]、北米民間・法執行機関向け名称がVP9[Volkspistole])。Heckler & Koch社は過去にVP70やP7などのストライカー式小型火器を開発していたが、その後はハンマー打撃方式のUSPやP2000、P30を主軸としていた。しかし、GLOCKシリーズをはじめとするストライカー方式のポリマーフレーム拳銃が世界の軍・警察および民間市場で主流となるなか、バイエルン州警察からの老朽化した従来型装備の更新要請を受け、約4年以上の開発期間を経て本機が誕生した。軽量さ、優れた操作性、そして高い安全基準を両立した次世代の個人携帯火器として開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、ガラス繊維強化ポリマー製フレームに冷間鍛造のポリゴナルライフル銃身を組み合わせ、スライド後部に手袋着用時や素早いスライド後退操作を助ける特許取得済みの突起部品(チャージングサポート / Charging Supports)を備えている点にある。作動方式には信頼性の高いショートリコイル・ブローニング型チルトバレル方式を採用し、トリガーシステムにはシングルアクション(SA)ストライカー打撃式を搭載している。欧州警察技術規格(TR)に準拠したストロークの長いTRトリガーと、短いリセット距離を持つSF(Special Forces)トリガーなどが用意されている。従来機や競合モデルと比較して、グリップ側面のパームアドレスパネルとバックストラップを独立交換(27通りの組み合わせ)できる高度な人間工学設計が施され、完全両利き対応(アンビ)スライドストップおよびマガジンキャッチを標準装備している。また、通常分解時にトリガーを引く必要がない構造とし、誤放電を防ぐ安全設計上の配慮がなされている。

運用実績と評価

2014年の制式発表以降、ドイツ国内の複数の州警察(メクレンブルク=フォアポンメルン州、ベルリン警察など)で相次いで導入・採用された。さらに、日本の陸上自衛隊において従来の9mm拳銃(SIG SAUER P220)の後継となる「9mm拳銃SFP9」として制式採用されたほか、ルクセンブルク警察やリトアニア軍など世界各国の法執行機関・軍組織で広く導入されている。北米市場においても、優れたトリガーフィーリングと高い命中精度、手頃な価格帯が具体的に極めて高く評価された。耐塩水処理と水抜き構造(OTB機能)を備えたSFP9-M(Maritime)、サプレッサー装着に対応したSFP9 SD / VP9 Tactical、光学照準器を直接マウント可能なOR(Optics Ready)仕様、コンパクト型のSFP9K / VP9SK、競技用のSFP9 Matchなど豊富な派生モデルへ展開している。現代におけるポリマーフレーム自動拳銃の代表的傑作として不動の地位を築いている。

Official Name (正式名称)HK SFP9 / VP9
Country of Origin (開発国)ドイツ
Manufacturer (製造メーカー)Heckler & Koch
Designed (設計年)ドイツのHeckler & Kochによって2014年に設計・販売開始された自動拳銃
同年から各国の軍・警察機関で採用が始まり、日本では2019年に採用が決定され、2020年から陸上自衛隊で運用
Primary Operators (主な運用組織)日本:陸上自衛隊(9mm拳銃SFP9)
リトアニア:Lithuanian Armed Forces(VP9/SFP9系列)
※SFP9/VP9は警察向け採用例が非常に多い一方、軍隊での正式採用例は少ない
Type (種類)半自動式拳銃
Caliber (口径)9×19mm Parabellum
Action (作動方式)Short recoil-operated(ティルトバレル方式ショートリコイル)
Overall Length (全長)186mm
Barrel Length (銃身長)104mm
Weight (重量)0.7kg
Rate of Fire (発射速度)セミオートマチック
Effective Range (有効射程)50 m
Feed System (給弾方式)15-round magazine

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Marcel Fosca – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=44866094

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