
NLAW(Next-generation Light Anti-tank Weapon)は、スウェーデンのSaab Bofors Dynamics社が開発し、イギリスのThales Air Defence社などで生産されている歩兵携帯用の使い捨て型対戦車ミサイルシステムである。最大の特長は、射手が標的を2〜3秒間追尾するだけで照準器内の火器管制装置が敵の移動速度や弾道を自動計算して誘導する「予測視線(PLOS)誘導方式」を採用している点にある。これにより、発射後は自動で飛翔する「撃ちっ放し(Fire-and-forget)」能力を備えつつ、赤外線ジャミングなどの欺瞞に極めて強い。また、装甲の薄い戦車天板を真上から貫く「トップアタック(OTA)」と、軽装甲車両や構造物を直接狙う「ダイレクトアタック(DA)」の2系統の攻撃モードを瞬時に選択可能である。塩水を用いたカウンターマスシステムによるソフトローンチ(低火薬発射)機構も備えており、後方爆風(バックブラスト)が極めて小さいため、市街戦における建物内部や狭い室内からでも安全に射撃できる。軽量で直感的な操作が可能なため高度な専門訓練を必要とせず、ウクライナ紛争をはじめとする現代戦において、主力戦車を単兵で撃破可能な極めて実戦的かつ強力な兵器として実証されている。
| Official Name (正式名称): | NLAW(Next-generation Light Anti-tank Weapon)※NLAWはイギリス軍の「調達計画名」がルーツの一般公称 製品名:MBT LAW (Main Battle Tank Light Anti-Armor Weapon) |
| Country of Origin (開発国): | スウェーデン / イギリス |
| Manufacturer (製造メーカー): | Saab Bofors Dynamics (最終アセンブリ組み立て:Thales Air Defence) |
| Designed (設計年): | 設計・開発は、1999年にイギリス国防調達庁(DPA)が新型携帯式対戦車兵器の入札を開始し、同年にスウェーデンのBofors社(現Saab Bofors Dynamics社)が製品定義契約を獲得して開発が本格化したことで開始された。その後、2002年から2003年にかけてイギリスとスウェーデン両国による共同開発プログラムとして正式に合意され、2008年まで設計・開発プロセスが継続された。運用開始(部隊配備)については、2008年12月に量産品の引き渡しが始まり、翌2009年にイギリス軍、スウェーデン軍、およびフィンランド軍において公式に運用が開始された。 |
| Primary Operators (主な運用組織): | イギリス:イギリス陸軍(歩兵連隊、第16空中強襲旅団戦闘団[16 Air Assault Brigade Combat Team]などで主力対戦車アセットとして配備)、および王立海兵隊(Royal Marines)(数千基規模の調達を行い広く現役運用中) スウェーデン:スウェーデン国防軍(スウェーデン陸軍がRobot 57(RB 57)の制式名称で、全主力歩兵・機械化歩兵部隊、特殊作戦部隊[SOG]等に広く配備・現役運用) フィンランド:フィンランド国防軍(フィンランド陸軍が102 RSLH NLAWの制式名称で、対戦車・歩兵部隊等の主要火力として現役運用) ルクセンブルク:ルクセンブルク軍(ルクセンブルク陸軍の偵察中隊[Compagnie A、Compagnie D]などの装甲・巡回車両部隊や歩兵に配備・現役運用) スイス:スイス軍(スイス陸軍が対戦車誘導兵器(Pz Abw GW NLAW)として、各歩兵旅団や擲弾兵部隊等で主力配備・運用中) マレーシア:マレーシア陸軍(第10パラトルーパー旅団[10th Paratrooper Brigade]などの対戦車・特殊戦闘ユニットを中心に実戦配備・現役運用) インドネシア:インドネシア陸軍(TNI-AD)(陸軍戦略予備部隊[Kostrad]や一部主力歩兵部隊において、2018年〜2020年にかけて受領した約500ユニットを主要な対戦車誘導弾として配備・実戦運用) ウクライナ:ウクライナ武装部隊(ウクライナ陸軍、空挺軍、領土防衛隊、特殊作戦部隊[SSO]、および各種独立アゾフ旅団など。イギリス、スウェーデン等の第三国より軍事支援として供与された大量のNLAWを、前線でロシア軍戦車の迎撃・撃破用に主力実戦運用) ロシア連邦:ロシア連邦軍、および親ロシア派武装組織(公式な調達国ではないが、ウクライナ紛争下の前線においてウクライナ軍が遺棄、または降伏時に接収されたNLAWを鹵獲品として回収し、一部の陸軍歩兵部隊がそのまま転用・対戦闘車両用として現役で実戦運用) |
| Type (種類): | 対戦車誘導弾(肩撃ち式使い捨て型対戦車ミサイル) |
| Caliber / Diameter (口径/ミサイル直径): | ミサイル弾体(ボディ)直径: 115 mm (4.53 in) 弾頭(ウォーヘッド)部直径: 150 mm (5.9 in) |
| Guidance System (誘導方式): | PLOS(Predicted Line Of Sight / 予測視線)誘導方式(射手が目標を2〜3秒間追尾・照準することで、内蔵の火器管制装置が目標の移動速度、重力、弾道を自動で測定・計算し、発射後はジャミングを回避して自動追従・飛翔する「撃ちっ放し(ファイヤアンドフォーゲット)」メカニズム) |
| Overall Length (全長/キャニスターサイズ): | 1,016 mm (40.0 in) ※使い捨て型ランチャー(保管容器兼用)の全長 |
| Wingspan (翼幅): | 展開時: 410 mm |
| Weight (重量/総システム重量): | ミサイル単体重量: 約 6.8 kg (15.0 lb) 総システム重量(ランチャーおよび即応弾含む): 12.5 kg (27.6 lb) ※工場密閉の使い捨て型のため、携行・射撃時の重量と同一 |
| Flight Speed (飛翔速度): | 初速(ソフトローンチ射出時): 40 m/s (130 ft/s) 最大速度(飛翔中): 200 m/s (660 ft/s) (マッハ約 0.59 相当) |
| Effective Range (有効射程): | 最小射程 20 m から最大戦闘射程 800 m まで(固定目標への最大射程は 1,000 m 以上) |
| Warhead & Propulsion (弾頭/推進方式): | 弾頭: シングル成形炸薬(HEAT)弾頭(102 mm径のペネトレーター・約850 gの低感度炸薬を内蔵、RHA換算で 500 mm 以上の貫通力)。装甲の薄い天板を狙うトップアタック(OTA)用の近接信管、およびダイレクトアタック(DA)用の着発信管を採用 推進方式: 固体燃料ロケットモーター(発射時のソフトローンチ用ブースターと、射出後に点火する主推進用サステイナーモーターの2段推進構成) |
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画像の引用元
- By Photo: Cpl Danny Houghton/UK Ministry of Defence 2021, OGL 3, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=116190857











