
概要と開発の背景
01式軽対戦車誘導弾は、1990年代に日本の防衛庁技術研究本部(当時)と川崎重工業(Kawasaki Heavy Industries, Ltd.)が開発し、2001年(平成13年度)に自衛隊へ制式採用された歩兵携帯用の軽対戦車ミサイルである。1980年代当時の陸上自衛隊においては、近接対戦車火器として84mm無反動砲や110mm個人携帯対戦車弾、レーザー誘導方式の87式対戦車誘導弾を運用していた。しかし、従来の誘導方式では発射後も射手が目標を照準し続ける必要があり、反撃を受ける危険性や射手の生存性に課題が存在した。さらに、歩兵単体で容易に搬送・操作できる軽量性と、発射直後に離脱可能な「撃ちっ放し(ファイヤー・アンド・フォーゲット)」機能を備えた次世代対戦車火器の配備ニーズが高まったことから、1993年より「軽対戦車誘導弾」として本格的な開発がスタートした。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、非冷却型の非感温式赤外線画像(IIR)シーカーを誘導部に採用し、冷却時間を不要とすることで目標捕捉から迅速な即時発射を可能にしている点にある。作動方式には発射後に自律誘導されるファイヤー・アンド・フォーゲット機構を備え、射手は発射後即座に遮蔽物へ退避することができる。目標の特性や状況に応じて、装甲の薄い上面を狙うトップアタック(高角飛翔)モードと、直接正面から狙うダイレクトヒット(直線飛翔)モードを任意に切り替えられる設計上の工夫がなされている。使用弾薬には爆発反応装甲(ERA)を無効化するタンデム成形炸薬弾頭(タンデムHEAT)を搭載する。発射装置(CLU)と弾頭入りキャニスターを合わせた総重量は約17.5kgに抑えられており、低伸発射(ソフトローンチ)メカニズムにより発射ガスの後方爆風を最小限に抑え、屋内や遮蔽物の陰からの射撃を可能にしている。
運用実績と評価
2001年の制式採用以降、陸上自衛隊の普通科部隊(歩兵部隊)の対戦車小隊を中心に幅広く配備・運用されている。歩兵手持ちでの肩載せ射撃だけでなく、軽装甲機動車(LAV)の上部ハッチから身を乗り出して射撃・運用する車載化スタイルにも完全対応している。各種演習や富士総合火力演習等における実弾射撃訓練においては、動体目標に対する高い自律追尾精度と即射性が具体的に高く評価された。旧式の84mm無反動砲や87式対戦車誘導弾の一部を置き換える形で配備が進められ、アメリカ軍のFGM-148 Javelin(ジャベリン)やイスラエルのSpike(スパイク)に先駆けて量産化された国産トップアタック対応ミサイルとして高い技術的評価を獲得した。防衛体制における近接対戦車支援の基幹火器として現在も確固たる立ち位置を維持している。
| Official Name (正式名称): | 01式軽対戦車誘導弾 / Type 01 LMAT |
| Country of Origin (開発国): | 日本 |
| Manufacturer (製造メーカー): | 川崎重工業 |
| Designed (設計年): | 84mm無反動砲の後継として1993(平成5)年から川崎重工業による研究試作・開発設計に着手され、各種試験を経て2001(平成13)年に制式化(運用組織へ導入承認)がなされ、2003年度から陸上自衛隊への納入に伴う正式な運用を開始 |
| Primary Operators (主な運用組織): | 日本:陸上自衛隊(普通科部隊、水陸機動団、第1空挺団、即応機動連隊、教育部隊など※全国の普通科連隊に属する普通科小隊、および第1空挺団などの精鋭・快速展開部隊に個人携行式(肩撃ち)主力対戦車火器として広く配備。また、本誘導弾システムをそのまま「軽装甲機動車(LAV)」に車載・統合し、車上からロックオンおよび発射を行って迅速に離脱する移動式対戦車プラットフォームとしての運用形態が各地の普通科部隊に配備されている) |
| Type (種類): | 対戦車誘導弾 (個人携行式対戦車ミサイル) |
| Caliber / Diameter (口径/ミサイル直径): | 140mm |
| Guidance System (誘導方式): | 赤外線画像誘導方式 (IIR:非冷熱式赤外線イメージ・センサーによる赤外線画像登録・自動追尾、ファイア・アンド・フォーゲト) |
| Overall Length (全長/キャニスターサイズ): | 970mm (発射筒含む全長) |
| Wingspan (翼幅): | 展開時約330mm (折畳み式主翼4枚、尾翼4枚を装備) |
| Weight (重量/総システム重量): | ミサイル単体重量約11.4kg / 総システム重量約17.5kg (発射筒・非冷熱式赤外線夜間照準器を含む射撃直前総重量) |
| Flight Speed (飛翔速度): | 非公表 (亜音速) |
| Effective Range (有効射程): | 最大有効射程約4,000m (※実戦での有効射程目安として1,000m〜2,000mとも言われている) |
| Warhead & Propulsion (弾頭/推進方式): | タンデム成形炸薬弾頭(HEAT/爆発反応装甲 ERA 対策) / 推進方式:固形燃料ロケット・モーター (射手保護のため2段階推進のソフトローンチ方式) |
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画像の引用元
- Los688, CC0, via Wikimedia Commons , https://commons.wikimedia.org/wiki/File:JGSDF_Light_Armored_vehicle_%26_Type01_light_anti-tank_missile_20120610-01.JPG










