M1301 ISV (infantry squad vehicle)

M1301 infantry squad vehicle

概要と開発の背景

M1301 ISV(Infantry Squad Vehicle)は、2020年にアメリカ合衆国のGM Defense(Ricardo plcなどのコンソーシアム)が開発し、アメリカ陸軍に制式採用された超軽量の9人乗り多用途戦術車両である。アメリカ陸軍の歩兵旅団戦闘団(IBCT)では、空挺降下やヘリボーン展開の後に兵士が長距離を徒歩で移動せざるを得ず、戦術展開の速度低下や前線到着時の著しい体力消耗が深刻な課題となっていた。従来のハンヴィーやJLTVなどの装甲戦術車両は重量が大きく、中型輸送ヘリコプターの機内収容や迅速な空輸に制約が存在した。これらを克服し、C-130やC-17輸送機からの低高度パラシュート空投、CH-47チヌークヘリコプターへの車内搭載、さらにはUH-60ブラックホークによる外吊り輸送(スリングロード)を可能とする、完全な1個歩兵分隊(9名)とその個人装備を迅速に運搬する超軽量機動兵器として開発された。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、市販の中型ピックアップトラック「Chevrolet Colorado ZR2」のプラットフォームを基盤とし、構成部品の約90%に民生汎用品(COTS)を採用することで、極めて高い信頼性と部品調達性を実現している点にある。ドアやルーフを持たないオープン構造の鋼鉄およびアルミニウム製フレーム構造を採用し、転倒保護構造(ROPS)の内側に完全武装の歩兵9名と個人装備・補給品(最大積載量約1,450kg)を収容できる。パワートレインには2.8リッターDuramaxターボディーゼルエンジン(約186馬力)と6速自動変速機を搭載し、モータースポーツ技術を応用したMultimatic社製DSSVダンパーとロングトラベルサスペンション、前後電子ロッキングディファレンシャルを備えている。防護装甲を完全に排して車両重量を約2.2トン(5,000ポンド以下)へ軽量化することで、機内収容性と圧倒的な不整地走破性能を最優先した設計思想が貫かれている。

運用実績と評価

2020年の制式化以降、アメリカ陸軍の第82空挺師団や第101空挺師団をはじめとする歩兵旅団戦闘団(IBCT)および第75レンジャー連隊を中心に配備が進められている。各種演習や災害支援任務などに投入され、中型ヘリコプターによる迅速な戦入と徒歩移動の負担激減をもたらす卓越した機動展開力が高く評価された。運用上の評価では、極めて高い空中輸送性と悪路走破性が評価された一方で、装甲を持たない軽量オープン構造であるため、小火器や簡易爆発装置(IED)、ドローン攻撃に対する防御力が皆無であり、直接交戦ではなく敵の脅威を回避した迅速な移動と降車戦闘を前提とした兵員輸送キャリアとして位置づけられている。現在は高エネルギーレーザーを統合した対ドローン型(AMP-HEL)や戦術電子戦型(TEWS-I)といった機動派生型の開発・検証も進められており、軽歩兵部隊の機動力を支える重要装備として定着している。

Official Name (正式名称)M1301 ISV (infantry squad vehicle)
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)GM Defense LLC, Ricardo plc, Rod Hall Products, Hendrick Motorsports
Designed (設計年)2019年ごろに設計・開発が開始、その後2020年にアメリカ陸軍が採用を決定し、配備が進められている
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ陸軍
カナダ:ISV系車両の導入契約(派生含む)あり(配備進行中)
ブラジル:ISVベース車両を試験・導入計画(対戦車型)
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)1名 (Driver) + 兵員8名 (計9名)
Combat Weight (戦闘重量)車両自重 (Kerb Weight / Mass) : 2,236 kg (4,930 lbs) 〜 2,268 kg (5,000 lbs)
最大積載量 (Payload Capacity) : 1,451 kg (3,200 lbs)
車両総重量 (GVWR) : 約3,688 kg (8,130 lbs)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)W: 2.07 m (81.5 in)
L: 5.26 m (207 in)
D: 1.87 m (73.6 in)
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)None
Main Armament (主武装)None なし (標準固定火器なし。Pintle mountsに7.62mm M240 machine gun、12.7mm .50 caliber M2 machine gun、40mm Mk 19 grenade launcher等の装着が可能)
Secondary Armament (副武装)None
Engine (エンジン出力 hp/kW)GM Duramax 2.8L Turbo-Diesel I4
出力: 186 hp (139 kW) @ 3,400 rpm (一部資料にて275 hp / 205 kWの記載あり)
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)110 km/h (Road)
Operational Range (航続距離)450 km

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Michael Zigmond (Airborne and Special Operations Test Directorate) – Original article: https://www.army.mil/article/259571/production_model_infantry_squad_vehicles_airdrop_tested_for_long_term_ruggedizationFull-resolution image: https://api.army.mil/e2/c/images/2022/08/23/377a4b91/original.jpg, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=186437184
  2. By Sgt. Austin Paredes – https://www.dvidshub.net/image/9602059/2-27-air-assault-marine-corps-base-hawaii, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=188422922
  3. By Staff Sgt. Joshua Joyner – Defense Visual Information Distribution Service, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=154026887
  4. By Sgt. Brandon Roland – https://www.dvidshub.net/image/9001070/balikatan-25-task-force-gimlets-employ-us-army-boeing-ch-47-chinook-isv-supply-drop, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=164406947
  5. By Spc. Marina Caggeso – https://www.dvidshub.net/image/9448603/rotation-26-02, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=180257080

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