LVSR MKR16 (Tractor)

LVSR MKR16 (Tractor)
第3多領域任務部隊(3MDTF)第5-3長距離射撃大隊が運用するLVSR MKR16

概要と開発の背景

LVSR MKR16(Logistics Vehicle System Replacement Tractor Truck)は、2000年代半ばにアメリカの Oshkosh Defense 社が開発し、2009年よりアメリカ海兵隊へ導入された10×10輪駆動の大型戦術トラクタートラックである。開発の背景には、1980年代から海兵隊の重機材牽引を担ってきた前級 LVS(Logistics Vehicle System)の MK48/MK16 トラクターユニットの老朽化と、現代の戦場における主力戦車や重装甲車両、大型資材の長距離輸送能力強化という切実な更新ニーズが存在した。前級の LVS は中央関節折れ曲がり式構造を採用していたが、不整地での耐久性や増加装甲の装着性に制限があり、超重積載時の走行安定性に課題を残していた。海兵隊は、重機や主力戦車を載せた大型低床セミトレーラーを不整地でも高速度で安全に牽引可能で、優れた耐爆防護性能を併せ持つ次世代の重戦術トラクターとして LVSR MKR16 の調達を開始した。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、10×10輪全輪駆動の強固な単一リジッドフレームに、Oshkosh Defense 社独自の TAK-4 全輪独立懸架サスペンションと、最大50,630lbs(約22,965kg)の垂直荷重に対応する Holland Kompensator 製大型第5輪カプラーを統合している点にある。第5輪には3.5インチ(89mm)キングピンに対応する動的傾斜補正ピボット機構が組み込まれており、極限の不整地走行時であってもトレーラーからの激しいねじれ荷重を相殺し、安全な牽引性能を維持する。自車救出およびトレーラー上への自走不能車両引き揚げ用として、定格60,000lbs(約27,216kg)の強力な油圧ウインチ(横引き10,000lbs対応)をキャビン後方に標準装備している。パワートレインには600hpを発揮する Caterpillar C15 ディーゼルエンジンと Allison 7段自動変速機、4軸連動ステアリング機構が組み合わされ、車両総結合重量定格(GCWR)175,000lbs(約79,379kg)という圧倒的な重牽引力を発揮する。

運用実績と評価

2009年の部隊配備開始以降、MKR16 はアメリカ海兵隊の各海兵物流グループや各師団の物流大隊へ計355両が導入され、アフガニスタン紛争をはじめとする主要な海外派遣ミッションへ集中的に投入された。実際の運用においては、M1A2主力戦車や大型建設重機を運搬する重低床セミトレーラーを連結し、従来の汎用トラクターでは踏破が困難であった砂漠や悪路においても高い地上走破性と速度を兼ね備えた安定輸送能力を実証した。過酷な前線拠点への重装備展開時間を大幅に短縮させた点が高く評価されている。工場統合型のアプライド装甲パッケージ(A-Kit/B-Kit)を適用できる設計により、即席爆発装置(IED)脅威の激しい危険地帯においても高い乗員生存性を確保した。共通の10×10シャーシを持つ貨物型(MKR18)や回収型(MKR15)とともに、アメリカ海兵隊の物流網と機甲部隊の展開能力を支える最重要の重トラクターとして、現在も第一線で現役運用が続けられている。

Official Name (正式名称)LVSR MKR16 (Tractor)
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Oshkosh Defense
Designed (設計年)LVSRファミリーにおける重トレーラー牽引仕様のトラクター型であるMKR16の開発フェーズとなるシステム開発・デモンストレーション契約締結(設計確定)年は2004年であり、その後2007年11月に試作プロトタイプによる技術検証・運用試験へと移行した。量産先行および初期低率生産(LRIP)等を経て部隊への引き渡しが開始され、初期運用試験・評価(IOT&E)の実施に伴い正式に部隊運用が開始された運用開始年は2010年である(2010年9月に運用試験・評価が開始され、翌2011年4月にフルレート量産生産への移行承認が下りている)。
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ海兵隊(各海兵兵站群[Marine Logistics Group / MLG]や各海兵師団の自動車輸送部隊を中心に総計 355 両のMKR16トラクター型を正規配備・現役運用。自己回収用ウインチおよび第5輪キングピンシステムを駆使し、重機運搬セミトレーラーを連結して主力戦車や装甲車両、重戦闘工兵資材の不整地・長距離輸送を担う主要プラットフォームとして稼働している)
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)2名(※基本座席定員はドライバー含む2名仕様。ただし、オプションの銃手用シートとして3人目のスペース拡張に対応)
Combat Weight (戦闘重量)Curb Weight (自重):49,800 lbs (22,589 kg)
Gross Vehicle Weight Rating (車両総重量 GVWR):101,000 lbs (45,813 kg)
Gross Combined Weight Rating (連結総重量 GCWR):175,000 lbs (79,379 kg)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)W (全幅):98 in (2,489 mm)
L (全長):416 in (10,566 mm)
D (全高):122 in (3,099 mm) [※輸送時準備解体(Reducible Height):102 in (2,591 mm)]
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)米陸軍の長期装甲戦略(LTAS:Long Term Armor Strategy)に準拠。設計段階からキャビン構造に工場設置型の防護設計(Factory-installed armor)が施されており、生存性を高めるための追加装甲パッケージの統合に対応可能(複合装甲、爆発反応装甲[ERA]は非搭載)
Main Armament (主武装)None
Secondary Armament (副武装)キャビン上部のルーフマウントハッチ(MCTAGS:Marine Corps Transparent Armored Gun Shield等に対応)に、M2 12.7mm重機関銃またはMk 19 40mm自動グレネードランチャーなどの各種機関銃および弾薬をオプション装備として搭載可能
Engine (エンジン出力 hp/kW)Caterpillar (CAT) C15 15.2-liter, inline-six water-cooled, turbocharged electronic control diesel engine
出力:600 hp (447 kW) @ 1,800 rpm / トルク:2,508 Nm @ 1,200 rpm
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)Paved (整地):65 mph (105 km/h)
Unpaved (不整地):不明(※30%の舗装路面・70%の非舗装路面という運用プロファイルに基づき、積載する総重量[オンロード22.5トン / オフロード16.5トン]および中央タイヤ空気圧調整システム[CTIS]のモード制御に依存する)
Operational Range (航続距離)300 mi (483 km)

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Donald Dugger – This image was released by the United States Marine Corps with the ID 250829-M-FE306-1142 (next).This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing.العربية ∙ বাংলা ∙Bahaso Jambi ∙Deutsch ∙ Deutsch (Sie-Form) ∙ English ∙ español ∙ euskara ∙ فارسی ∙ français ∙ italiano ∙ 日本語 ∙ 한국어 ∙ македонски ∙ മലയാളം ∙ Plattdüütsch ∙ Nederlands ∙ polski ∙ پښتو ∙ português ∙ русский ∙ slovenščina ∙ svenska ∙ Türkçe ∙ українська ∙ 简体中文 ∙ 繁體中文 ∙ +/−, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=179910165

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