
M1A2 SEPv3(System Enhancement Package version 3)は、アメリカ合衆国のGeneral Dynamics Land Systemsが製造する第3世代主力戦車M1 Abramsの最新近代化改修型である。本車は、イラクの自由作戦をはじめとする実戦で得られた教訓を反映し、長年のアップグレードによって限界に達していた車内スペース、重量、電力システムを根本から回復・最適化することを目的に開発された。前級であるSEPv2からの最大の違いは、火力、生存性、およびネットワーク電子システムの抜本的な強化にある。火力面では、射撃管制システムに弾薬データリンク(ADL)が統合され、目標に応じて信管の起爆モードをプログラム可能な新型のM1147多目的榴弾(AMP弾)の運用が可能となった。さらに、解像度が向上した新型の赤外線前方監視装置(IFLIR)や遠隔操作兵装ステーション(CROWS)が搭載され、全天候下での目標捕捉および交戦能力が飛躍的に向上している。生存性の面では、砲塔および車体に新世代の複合装甲が導入され、即席爆発装置(IED)に対する車体底部の耐爆性能が向上したほか、飛来する対戦車ミサイルなどを迎撃するTrophyアクティブ防護システム(APS)の搭載にも対応した。また、主エンジンを停止した状態でも車載電子機器へ電力を安定供給できる装甲内蔵型補助動力装置(UAAPU)が新たに装備され、燃料消費の削減と静粛性の高い作戦行動を両立している。これらの重装甲化や新機材の追加により、戦闘重量は約66.8トン(73.6ショートトン)と歴代で最も重厚な車両となったが、サスペンションや動力分配システムの改良によって機動性の低下を抑制している。現在はアメリカ陸軍のみならず、ポーランドやオーストラリアなど同盟国軍への輸出・導入も本格化しており、完全な新規設計となる次世代戦車M1E3が登場するまでの間、現代のデジタル化された戦場において戦術的優位性を保つための要として最前線で運用されている。
| Official Name (正式名称) | M1A2 SEPv3 Abrams (M1A2C) |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | General Dynamics Land Systems |
| Designed (設計年) | 2015年ごろに設計・試作が進められ、同年10月に開催された全米陸軍協会(AUSA)の展示会で初めて一般公開。2020年7月にアメリカ陸軍第1騎兵師団第8騎兵連隊第3大隊へ初の量産車が引き渡されて就役を果たした。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(M1A2 SEPv3 / M1A2Cを実戦配備) ポーランド:ポーランド陸軍(250両を導入中、2025–2026年にかけて受領) ルーマニア:ルーマニア陸軍(54両を発注、2026年から受領開始予定) オーストラリア:オーストラリア陸軍(2024年から豪陸軍第1装甲連隊(1st Armoured Regiment)などの機甲部隊へ導入・配備が順次進められている) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 4名 |
| Combat Weight (戦闘重量) | 66.8 t |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | L: 9.77m (gun fwd) / W: 3.66m / H: 2.44m |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | Next-gen composite (NGAP), DU layers, Trophy APS ready, ERA compatible (次世代複合装甲(NGAP)、劣化ウラン装甲層、トロフィーAPS搭載対応、爆発反応装甲(ERA)装着対応) |
| Main Armament (主武装) | 120mm M256 Smoothbore Gun |
| Secondary Armament (副武装) | 1x .50 cal M2HB, 2x 7.62mm M240 MG |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Honeywell AGT1500 Gas Turbine (1,500 hp) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | 67 km/h (Road) / 40 km/h (Off-road) |
| Operational Range (航続距離) | 425 km |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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