LVSR MKR18 (Cargo)

LVSR MKR18 (Cargo)
第2海兵兵站群第8工兵支援大隊橋梁中隊がLVSR MKR18から橋梁を展開する様子

概要と開発の背景

LVSR MKR18(Logistics Vehicle System Replacement Cargo Vehicle)は、2000年代半ばにアメリカの Oshkosh Defense 社が開発し、2009年よりアメリカ海兵隊へ導入された10×10輪駆動の大型戦術貨物トラックである。開発の背景には、1980年代から海兵隊の重物流輸送を支えてきた前級 LVS(Logistics Vehicle System, MK48系列)の老朽化と、過酷な前線環境における輸送・積卸作業の効率化および耐爆防護性能の向上という切実な更新ニーズが存在した。前級の LVS は中央関節折れ曲がり式アーティキュレート構造を採用していたが、不整地での耐久性や増加装甲の装着性に課題を残していた。海兵隊は、20t超の重量物資や20フィート ISO 標準コンテナを自力で積載・運搬可能で、優れた悪路走破性と強固な防護力を兼ね備える次世代の基幹重物流プラットフォームとして LVSR MKR18 の調達を開始した。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、10×10輪全輪駆動の強固な単一フレームに、Oshkosh Defense 社独自の TAK-4 全輪独立懸架サスペンションと、定格45,000lbs(約20.4t)の油圧式自力積降システム(LHS)を統合している点にある。LHS アーム機構により、外部のクレーンやフォークリフトに頼ることなく、20フィート ISO コンテナやフラットラック、液体タンクモジュールを車上へ迅速に引き上げて積載・卸下できる高い自己完結性を備える。走行メカニズムには、第1軸・第2軸・第4軸・第5軸の計4軸が連動して操舵する革新的な4軸ステアリング機構を採用しており、全長約10.9mの巨大車体でありながら最小回転直径約25.3mという優れた小回り性能を発揮する。パワーユニットには600hpを発揮する Caterpillar C15 ディーゼルエンジンと Allison 7段自動変速機を組み合わせ、最高速度105km/hおよび不整地でのパワフルな走破力を担保している。乗員キャビンにはアプライド装甲(A-Kit/B-Kit)を統合可能な構造が施されている。

運用実績と評価

2009年の初期配備開始以降、LVSR MKR18 はアメリカ海兵隊の各支援群や物流大隊に制式採用され、イラク戦争後の治安維持作戦やアフガニスタン紛争などの主要な海外派遣ミッションへ集中的に投入された。実際の運用においては、従来の輸送トラックでは困難であった悪路や砂漠地帯において、大型 ISO コンテナや大量の弾薬・燃料を迅速に前線基地へピストン輸送する極めて高い物流機動力を実証した。外部重機に依存せず数分でコンテナやフラットラックを積み卸しできる LHS 機構と、TAK-4 サスペンションによる高速悪路走破性は、前線基地の設営や補給維持における現場作業時間を劇的に短縮させた。本車を基盤として重トラクター(MKR16)や重回収型(MKR15)といったファミリーバリアントも展開された。現代のアメリカ海兵隊における最重要の重物流輸送アセットとして、現在も第一線で現役運用が続けられている。

Official Name (正式名称)LVSR MKR18 (Cargo)
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Oshkosh Defense
Designed (設計年)LVSRファミリーにおける重輸送仕様車であるMKR18カーゴの開発フェーズとなるシステム開発・デモンストレーション契約締結(設計確定)年は2004年であり、量産先行および低率初期量産試験等を経たのち、実戦配備となる部隊運用能力が正式に開始された運用開始年は2009年である(同年9月に初期運用能力[IOC]を達成し、最初の実戦フィールドへの配備が実行されている)
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ海兵隊(各海兵遠征軍[MEF]直轄の海兵兵站群[Marine Logistics Group / MLG]、各海兵師団[Marine Division]、および各海兵航空航空翼[Marine Aircraft Wing / MAW]の下部モーター・トランスポーテーション(自動車輸送)部隊を中心に総計 1,505両のMKR18カーゴ型を正規配備・現役運用。20フィートISOコンテナ、フラットラック、弾薬、戦術架橋資材等の重物流の自律積載・前線輸送システムとして稼働している)
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)2名(※基本座席定員はドライバー含む2名仕様。ただし、オプションの銃手用シートとして3人目のスペース拡張に対応)
Combat Weight (戦闘重量)A-kit Configuration (基本未装甲自重 / BII含む):53,700 – 54,052 lbs (24,358 – 24,517 kg)
B-kit Configuration (追加装甲システム[MAS]等キット装着時自重):60,124 – 64,125 lbs (27,272 – 29,087 kg)
Gross Vehicle Weight Rating (最大総重量 GVWR):106,000 lbs (48,081 kg)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)W (全幅):98 in (2,489 mm)
L (全長):431 in 〜 432.2 in (10,947 mm 〜 10,980 mm)
D (全高):139 in (3,531 mm) [※ISOコンテナ積載時および技術マニュアル測定時:161.9 in (4,110 mm) / 輸送時準備解体(Reducible Height):102 in (2,591 mm)]
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)米陸軍の長期装甲戦略(LTAS:Long Term Armor Strategy)に準拠。設計段階から工場設置型の基本防護(A-kit)が統合されており、必要に応じてボルト留め式の追加装甲パッケージ(B-kit)を現地または製造ラインで追加統合可能な構造を持つ(複合装甲、爆発反応装甲[ERA]は非搭載)
Main Armament (主武装)None
Secondary Armament (副武装)キャビン上部のルーフマウントハッチ(MCTAGS:Marine Corps Transparent Armored Gun Shield等に対応)に、M2 12.7mm重機関銃またはMk 19 40mm自動グレネードランチャーなどの各種機関銃および弾薬をオプション装備として搭載可能
Engine (エンジン出力 hp/kW)Caterpillar (CAT) C15 15.2-liter, inline-six water-cooled, turbocharged electronic control diesel engine
出力:600 hp (447 kW) @ 1,800 rpm / トルク:2,508 Nm @ 1,200 rpm
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)Paved (整地):65 mph (105 km/h)
Unpaved (不整地):不明(※30%の舗装路面・70%の非舗装路面という運用プロファイルに基づき、積載する総重量[オンロード22.5トン / オフロード16.5トン]および中央タイヤ空気圧調整システム[CTIS]のモード制御に依存する)
Operational Range (航続距離)300 mi (483 km)

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Lance Cpl. Desire Mora – https://www.dvidshub.net/image/1520567, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39475046

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