L22A2 / SA80 Carbine

L22A2 / SA80 Carbine
イギリス海軍の23型フリゲート HMSサマセットの臨検(ボーディング)チーム

概要と開発の背景

L22A2(SA80 Carbine / SA80K)は、2000年代初頭(2003年〜2004年)にイギリス国防省がドイツの Heckler & Koch 社へ委託して開発・製造し、イギリス軍へ制式配備したブルパップ式のコンパクトカービン(短縮型アサルトライフル)である。開発の背景には、1980年代から運用されてきた標準型アサルトライフル L85 シリーズの短縮モデル獲得に向けた長年のニーズと、戦車や装甲車輌の乗員、ヘリコプタークルーなどの車内・機内における自衛用火器の刷新課題が存在した。1980年代末から90年代にかけてプロトタイプ(L22A1)の試作が行われたものの、当時は動作信頼性の低さから制式採用には至らなかった。その後、2000年代初頭に Heckler & Koch 社による L85A2 改修プログラムが成功したことを受け、車輌乗員(王立装甲軍団など)や航空乗員が狭い操縦席から即座に持ち出せるコンパクトな 5.56mm 個人防衛火器として、A2 規格の信頼性を備えた新型カービンの開発と調達が決定された。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、ブルパップレイアウトを活かして全長をわずか 571 mm に抑えつつ、327 mm(約 11.2 インチ)の銃身を確保している点にある。通常のコンベンショナル(従来)レイアウトの小銃では達成困難な極小のサイズでありながら、標準的なカービンと同等の初速と精度を維持する設計思想を有する。作動方式には L85A2 と共通のショートストローク・ガスピストン機構と回転ボルト閉鎖システムを踏襲し、Heckler & Koch 社によるボルトキャリアやエクストラクターの耐久強化、改良型スチールマガジンの採用により高い動作信頼性を達成している。短小化に伴い前部のハンドガードが短縮されたため、抑圧時の取り回し性と操作性を向上させる垂直フォアグリップと、光学機器・照明器装着用の Picatinny レールが追加された。照準線長が短いため独自のアイアンサイトは排され、SUSAT や ELCAN LDS などの光学照準器および上部簡易バックアップサイトを標準使用する構造となっている。

運用実績と評価

2003年〜2004年の制式化以降、L22A2 はイギリス陸軍の王立装甲軍団(Royal Armoured Corps)に所属する戦車・装甲車乗員、陸軍航空隊(Army Air Corps)のパイロットやヘリコプタークルー、王立海兵隊(Royal Marines)、および一部の乗車・乗船作戦部隊において標準自衛火器として配備された。実際の運用においては、イラク戦争(TELIC 作戦)やアフガニスタン紛争(HERRICK 作戦)などの実戦環境へ投入され、チャレンジャー2 主力戦車やウォーリア装甲戦闘車の狭い車内、あるいはスカウトヘリコプターなどの狭小空間における高い携行性と即応性を発揮した。歩兵用標準小銃 L85A2 と同じ 5.56×45mm NATO 弾や 30 発マガジン(STANAG / EMAG)をそのまま共用可能であり、初期型 A1 時代の不具合を解消した安定した作動信頼性と狭小領域での高い機動性が前線部隊から高く評価され、現在も自衛・近接戦闘用カービンとして運用が続けられている。

Official Name (正式名称)L22A2 / SA80 Carbine
Country of Origin (開発国)イギリス(基本設計) / ドイツ(A2規格改修設計)
Manufacturer (製造メーカー)Heckler & Koch(イギリス軍が保有していた余剰のL86A1 LSW[軽支援火器]のレシーバー等の部品をベースに、Heckler & Koch社が一括してA2規格への近代化アップデートおよびコンバージョン製造を実施)
Designed (設計年)Heckler & Koch社による近代化改修技術をベースに2003年に短銃身カービンモデルとしての設計が完了し、同年の2003年から一部部隊への支給が始まり、2004年初頭にかけて正式に運用が開始された。
Primary Operators (主な運用組織)イギリス:イギリス陸軍(王立装甲軍団[装甲車・チャレンジャー2/3戦車等の戦闘車両搭乗員]、陸軍航空軍[王立陸軍航空隊の定翼機・アパッチ等のヘリコプターパイロット・搭乗員])、イギリス海軍(艦艇乗組員、王立海兵隊の臨検・船舶阻止部隊、各種ヘリコプター航空クルー)、イギリス空軍(航空乗員(Aircrew / ヘリ・輸送機パイロット)、装甲車乗員)(狭いスペースでの自衛用火器[PDW]として、イギリス軍内の該当職種・部隊に限定して運用されている)
Type (種類)カービン / 短銃身自動小銃(Carbine / Personal Defense Weapon)
Caliber (口径)5.56x45mm NATO(.223 Remington互換)
Action (作動方式)ガス圧作動(ショートストロークピストン式)、ターンボルト閉鎖(Gas-operated, rotating bolt)
Overall Length (全長)585 mm (23.0 in)(固定式ブルパップ構造のため、ストック展開時・折り畳み時の区分および機構はなし)
Barrel Length (銃身長)318 mm (12.5 in)
Weight (重量)約 4.42 kg(標準のSUSAT光学照準器を装着した状態の重量)
Rate of Fire (発射速度)610 – 775 rpm
Effective Range (有効射程)フルサイズ仕様の400m〜600mに対し、12.5インチまで短縮された銃身に合わせて初速が低下しているため実効射程は大幅に短くなるが、カービン型単体での公式な有効射程数値は不明
Feed System (給弾方式)30-round detachable STANAG magazine or 20-round magazine

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

PR:関連商品

G&G
¥69,600 (2026/08/07 22:07時点 | Yahooショッピング調べ)
¥50,315 (2026/08/07 22:06時点 | Yahooショッピング調べ)
SAMURAI
¥66,308 (2026/10/26 02:31時点 | 楽天市場調べ)
画像の引用元
  1. By Photo: LA(PHOT) Abbie Gadd/MOD, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26910669
  2. By Karah Cohen\Joint Combat Camera Center Iraq – dvidshub.net, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5322326

上部へスクロール