
概要と開発の背景
B-777(特別輸送機)は、2000年代初頭にアメリカの The Boeing Company が開発した長距離大型双発機 Boeing 777-300ER を基盤とし、日本政府が導入した政府専用機仕様の特別輸送機である。開発および導入の背景には、1993年より約26年間にわたり皇族や内閣総理大臣の外国往訪、ならびに在外邦人等の輸送を担ってきた旧型政府専用機(Boeing 747-400)の老朽化と、委託先の民間航空会社における同型機の退役に伴う整備維持体制の変更が存在した。4発エンジンの大型機から燃費効率に優れた最新双発機への更新が求められる中、政府は2014年に Boeing 777-300ER の選定を決定した。双発機でありながら長距離海洋上を進出飛行する ETOPS 基準を達成し、長大な航続力と優れた環境性能を誇る新世代の要人輸送機として、2019年4月より正式に就役した。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、全長約73.9mに達する超大型ワイドボディ構造を持ち、主翼先端部には空気抵抗を低減させるレイクド・ウイングチップを備える点にある。推進システムには、世界最大級の推力を有する General Electric Company 製 GE90-115B ターボファンエンジン2基を搭載し、最大離陸重量約351tという重量級の機体を支える強力な上昇性能と高速巡航性能を保持している。政府専用機仕様としての機内は、最前部の貴賓室をはじめ、執務室、会議室、随行員席、同行記者席などの各種区画が機能的に配置されている。さらに政府・防衛省の指揮通信ラインとシームレスに接続する暗号化衛星通信(SATCOM)機材を装備している。外観には日章旗をモチーフとした赤い曲線デザインが大きく施されており、民間整備委託契約を結ぶ全日本空輸(ANA)による高度な整備支援体制と連携して優れた安全稼働率を維持している。
運用実績と評価
2019年4月の運用開始以降、B-777 政府専用機は航空自衛隊の特別航空輸送隊(北海道千歳基地)に2機(80-1111、80-1112)が制式配置され、集中運用されている。実際の運用においては、内閣総理大臣の欧米やアジア諸国への外遊や皇族の外国訪問における長距離直接輸送に投じられ、国際緊急援助や緊急時の在外邦人等輸送への即応体制が敷かれている。旧型の Boeing 747-400 と比較して、約14,000kmにおよぶ無給油航続性能を活かした直行飛行を実現すると同時に、大幅な燃費節減と二酸化炭素排出量の削減を達成した。主機と予備機の2機体制で同時運航を行うことで、任務の確実な完遂とトラブル発生時のバックアップ体制が強固に確立されており、日本の機動的な要人外交と国際貢献を支える基幹輸送アセットとして第一線で現役運用が続けられている。
| Official Name (正式名称) | B-777-300ER(日本国政府専用機仕様) |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | Boeing Commercial Airplanes |
| Designed (設計年) | 開発ベースとなったBoeing 777のプログラムは1990年に開始、日本国政府専用機仕様としては2014年8月に導入が決定され、2016年7月29日に初飛行が実施。運用開始年については、2018年8月に1号機、12月に2号機が受領され、運用試験等を経た2019年4月1日より正式に運用が開始されている。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | 日本:航空自衛隊(航空支援集団特別航空輸送隊第701飛行隊)で運用中 |
| Crew (乗員) | 17名〜19名(操縦士2〜4名、空中輸送員等を含む)、搭乗・輸送可能人員(定員)は約140名〜150名(防衛省資料の主要諸元では乗員として「約150名」と記載される) |
| Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高 | L (全長): 73.86 m (242 ft 4 in) [一部の公式データでは 73.9 m (242 ft 5 in) ] W (全幅): 64.8 m (212 ft 7 in) H (全高): 18.85 m (61 ft 10 in) [一部の公式データでは 18.5 m (60 ft 8 in) ] |
| Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量) | 自重 (Empty Weight): 非公開 最大離陸重量 (Max Takeoff Weight): 約342,000 kg (342 t / 753,981 lb) [ベース機の通常仕様データでは 348,800 kg (348.8 t) と記載される] |
| Powerplant (エンジン):型式、推力 | 型式: 2x General Electric GE90-115BL (または GE90-115B) ターボファンエンジン 推力: 1基あたり 52,160 kg (115,000 lbf / 511 kN) |
| Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度 | マッハ表記: 約Mach 0.89 高度別の速度: 巡航速度として約925 km/h(約500 knots)とするデータが存在する |
| Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離) | 航続距離 (Ferry Range): 約14,000 km (7,559 nmi) |
| Service Ceiling (実用上昇限度) | 非公開、ベース機の通常仕様データでは最大運航高度として 13,100 m (43,000 ft) |
| Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力 | None |
| Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数 | None |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- By 航空自衛隊 – https://www.mod.go.jp/asdf/special/download/wallpaper/B-777/index.html, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=112851910









