Mortier 120 mm Rayé Tracté Modèle F1 / MO-120-RT-61

Mortier 120 mm Rayé Tracté Modèle F1
Mortier 120 mm Rayé Tracté Modèle F1

フランスのトムソン・ブラン(現テレス)社が開発した120mm重迫撃砲。メーカー名称である「MO-120-RT」や「RT-61」の名でも広く知られている。最大の特徴は、一般的な迫撃砲のような滑腔砲ではなく、砲身内に「ライフリング(腔線)」が刻まれている点である。これにより極めて高い命中精度と長い射程、そして155mm榴弾砲に匹敵する強力な破壊力を併せ持つ。さらに、バイポッド(二脚)の代わりに2輪の大型タイヤ付き脚を常時装備した独自の複雑な構造をしており、牽引車両を用いて容易に輸送・機動できる高い機動性を確保している。1961年の運用開始以来、フランス軍の砲兵連隊の主要火力として湾岸戦争やアフガニスタン紛争などで実戦投入されてきた。その卓越した基本性能から、世界24ヶ国以上へ輸出、あるいはライセンス生産(日本アメリカ、トルコ、ブラジルなど)が広く行われており、現代の重迫撃砲における世界的なベストセラーとなっている。

Official Name (正式名称)Mortier 120 mm Rayé Tracté Modèle F1 / MO-120-RT-61
Country of Origin (開発国)フランス
Manufacturer (製造メーカー)homson-Brandt (現在は Thales Group / TDA Armements)
Designed (設計年)1950年代に設計が開始され、1961年にフランス軍への導入を機に正式な運用を開始
Primary Operators (主な運用組織)フランス:フランス陸軍(砲兵連隊、各歩兵連隊。最新の装輪装甲車VBMRに車載型派生品「2R2M(Griffon MEPAC)」を搭載して砲兵部隊へ配備開始)
イタリア:イタリア陸軍(※ライセンス生産品を運用。また、フレッチャ歩兵戦闘車の車体に車載型派生品「2R2M」を組み込んだ自走迫撃砲型を運用)
オランダ:オランダ王立陸軍(※「HB Rayé」の名称でホットチキス・ブラン社によるライセンス生産品を運用)
ベルギー:ベルギー陸軍(※ライセンス生産品を運用。ロシア侵攻に際し、一部をウクライナへ供与)
キプロス:キプロス国家守備隊(陸軍砲兵・支援部隊で運用)
エストニア:エストニア陸軍
ウクライナ:ウクライナ陸軍、ウクライナ空中襲撃軍(※ロシアによる侵攻開始以降、ベルギー等からMO-120-RTが供与され実戦投入)
日本陸上自衛隊(※豊和工業によるライセンス生産品「120mm迫撃砲 RT」として各普通科連隊の重迫撃砲中隊等に配備。また、派生品として重装軌車に搭載した「96式自走120mm迫撃砲」を第7師団等で運用。最新の共通戦術装輪車ファミリーとして車載型「2R2M」の導入も進行中)
マレーシア:マレーシア陸軍(※車載型先進派生システム「2R2M」をACV-15(ACV-300)装甲車およびデフテックAV8装甲車に搭載して運用)
パキスタン:パキスタン陸軍、および準軍事組織「フロンティア・コア」
バングラデシュ:バングラデシュ陸軍
トルコ:トルコ陸軍(※MKEK社によるライセンス生産品「HY-12」を運用。北キプロスへの駐留部隊等にも配備)
オマーン:オマーン王立陸軍(※車載型派生システム「2R2M」をVAB(6×6)装甲車に搭載して運用)
サウジアラビア:サウジアラビア国家警備隊(※牽引型のほか、M113装甲車に車載型派生システム「2R2M」を組み込んだ自走迫撃砲仕様を運用)
クウェート:クウェート陸軍(砲兵部隊で運用)
カタール:カタール陸軍(砲兵部隊・支援部隊で運用)
ヨルダン:ヨルダン王国陸軍
レバノン:レバノン陸軍(フランスから導入)
イスラエル:イスラエル国防軍
クルディスタン(イラク北部自治政府):準軍事組織「ペシュメルガ」(※フランスからの供与や旧イラク軍からの鹵獲品を運用)
ブラジル:ブラジル陸軍(※ライセンス生産品「120mm M2 Raiado」を運用)
メキシコ:メキシコ陸軍
コロンビア:コロンビア陸軍
ジブチ:ジブチ陸軍
チュニジア:チュニジア陸軍
アメリカ合衆国:アメリカ海兵隊(※過去の運用組織。米軍仕様の派生型「M327 EFSS」として運用。2017年以降、徘徊型無人機Hero-120等の導入に伴い全門退役)
カナダ:カナダ陸軍(※過去に公式な運用記録がある元運用組織)
イラク:旧イラク陸軍(※過去の運用組織。湾岸戦争期などに運用、現在は退役)
パナマ:パナマ国防軍(※過去の運用組織。1989年の米軍によるパナマ侵攻以前に運用、現在は組織改編に伴い退役)
ルワンダ:ルワンダ陸軍(※過去に公式な運用記録がある元運用組織。1990年代に導入・運用記録あり)
Type (種類):重迫撃砲 (Heavy mortar)、牽引式迫撃砲 (Towed mortar)
Caliber (口径): 120 mm
Operation / Mechanism (作動・推進方式):砲口装填式(Muzzle loading)/ ライフリング滑腔(Rifled)、墜発(自重落下)および撃発(トリガー紐・ランヤード)の選択式
Barrel Length / Total Length (砲身長/全長):砲身長(Tube length):2,080 mm、全長:3,010 mm
全長(L):3,010 mm、最大幅(W):1,930 mm、全高(H):1,330 mm(射撃・牽引時の姿勢により変動)
Total Weight (総重量):戦闘時総重量:582 kg
Rate of Fire (発射速度):最大:毎分15発 〜 18発(短時間バースト時) / 持続:毎分6発 〜 10発
Elevation & Traverse (射角・旋回角):仰角(Elevation):+30度 〜 +85度 / 左右旋回角(Traverse):計28度(左右各14度)
Effective Range (射程):最小射程約1,100 m / 最大射程8,140 m(通常弾)から約13,000 m(ロケット補助推進弾)
Ammunition & Feed (使用弾薬/装填方式):高爆発弾(HE)、発煙弾、照明弾、対装甲特殊弾、精密誘導砲弾 / 手動砲口装填(弾帯の突起を溝に合わせて装填)
  1. By Ministerie van Defensie – https://magazines.defensie.nl/defensiekrant/2021/03/01_zwaar-geschut_03, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=99387221

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