



概要と開発の背景
M1252A1 MCVVA1(Mortar Carrier Vehicle Double-V Hull A1)は、2010年代後半にアメリカ陸軍の主導のもとGeneral Dynamics Land Systems(GDLS)が開発したストライカー装輪装甲車ファミリーの最新型自走迫撃砲である。従来のアメリカ陸軍ストライカー旅団戦闘団(SBCT)では、平底構造(フラットボトム)のM1129 MCVや初期型ダブルVハル(DVH)を備えたM1252 MCVVが自走迫撃砲として運用されていた。しかし、対テロ戦争や中東域での戦闘経験から、地雷や即席爆発装置(IED)に対する下部防護性能のさらなる強化と、各種電子機器やデジタル火力統制システムの高度化に伴う電力・走行性能の向上が強く求められた。これを受け、車体底面のV字構造を二重化・最適化した「DVH A1」設計を適用し、サスペンションの強化やパワーパックの出力増強を図った新世代の車載迫撃砲アセットとして開発が進められた。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、爆風を車体外側へ効果的に逃がす二重V字型車体底面構造(Double-V Hull A1)を採用し、下部からの爆発衝撃に対する防御性能を従来型から飛躍的に高めている点にある。車内中央にはターンテーブル付きの120mm迫撃砲システム(Cardom RMS / Soltam Systems製)が組み込まれており、天井開閉式ハッチを開放することで車内からの旋回射撃を可能にしている。従来型と比較して、主機関には350馬力から450馬力へ高出力化されたCaterpillar社製C9ディーゼルエンジンと910アンペアの大型発電機を統合した新パワーパックが搭載された。これにより、装甲強化に伴う重量増加に対応しつつ、デジタル火力統制システム(MFCS)やネットワーク通信機器へ安定した大電力を供給し、精密な即時曲射支援を維持する構造が採られている。また、降車戦闘用として60mm(M224A1)や81mm(M252A1)の可搬式迫撃砲も同時積載可能な仕様となっている。
運用実績と評価
2010年代末よりアメリカ陸軍のストライカー旅団戦闘団(SBCT)へ順次配備が開始され、主力自走迫撃砲車両として制式導入・運用されている。実際の運用においては、ワシントン州ルイス・マコード統合基地(Joint Base Lewis-McChord)に駐屯する第2歩兵師団第1ストライカー旅団戦闘団をはじめ、全米および海外展開部隊への実戦配備が進められてきた。各種演習や前方展開において、高脅威環境下の悪路走破性と450馬力パワーパックによる優れた機動性を発揮しながら、デジタル戦術ネットワーク経由で伝送された目標座標へ瞬時に射撃を開始できる即時火力支援能力が高く評価されている。DVH A1共通プラットフォームの導入に伴い整備性や部品互換性も大幅に向上しており、地上戦闘において歩兵部隊の間接火力を至近距離から支える主要アセットとして機能している。
| Official Name (正式名称) | M1252A1 MCVVA1 |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 / カナダ |
| Manufacturer (製造メーカー) | General Dynamics Land Systems (GDLS) |
| Designed (設計年) | アメリカ陸軍のストライカー近代化プログラム(エンジニアリング変更提案:ECP)に基づき2012年から約6年をかけて二重V字型車体底面の導入や新型パワーパックの統合設計が行われ、2018年9月に実戦部隊による最終的な全規模運用試験をクリアしたことで量産が承認され、翌2019年から2020年にかけて最初のストライカー旅団戦闘チームへ配備されたことで公式に運用を開始 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(開発国かつ筆頭運用国。各ストライカー旅団戦闘チーム(SBCT)傘下の各歩兵大隊・中隊直属の迫撃砲班(Mortar Platoon / Section)に主力現役実戦配備。既存の平底型「M1129」や初期の二重V字底面型「M1252」からの近代化アップグレード(ECP改修)を完了した最新仕様の「M1252A1(DVH-A1 MCV)」として、高精度デジタル射撃管制システム(FCS)およびイスラエル・ソルタム社製120mm反動吸収迫撃砲システム(RMS6-L / Cardom)を完全統合して独占運用中) ブルガリア:ブルガリア陸軍(初の公式な国外輸出・FMS受領国。2023年末に米国政府(DSCA)と総額15億ドル規模のストライカー大量調達契約を公式締結し、2026年2月より本国への車両引き渡し・ノックダウン最終組み立てが正式に開始。同国陸軍のNATO相互運用性および機械化歩兵部隊の間接火力支援アセットとして、他バリエーション(M1126、M1130など)とともに、二重V字型車体底面・A1パワーパック仕様の「M1252A1 迫撃砲輸送車」が第61機械化旅団等へ公式に導入・運用中) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 5名 (操縦手、車長、迫撃砲指揮官、砲手、副砲手) |
| Combat Weight (戦闘重量) | 28,576 kg (28.58 t / 63,000 lbs) ※最新の二重V字型車体底面(DVH)構造、足回りの強化、および追加装甲マウントをすべて含む最大総重量 |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | W: 3,406 mm (3.40 m ※サイドミラー・外装マウント部含む) / L: 7,381 mm (7.38 m ※車体バンパー等を含む車体長) / D: 3,180 mm (3.18 m ※車長キューポラ、および閉鎖時の後部天面ハッチを含む垂直高) / 基本車体幅:2,720 mm (2.72 m) / 車体天面高:2,640 mm (2.64 m) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | High-hard steel structure hull with Double-V Hull (DVH) design, optional bolt-on ceramic armor, and internal spall liners (高硬度鋼板溶接構造に加え、地雷・IEDの爆風を外側へ逃がす特殊な二重V字型車体底面(DVH)構造を標準採用。さらにボルト留め式セラミック増加装甲、内面防破ライナー、スラット/ケージ装甲オプションを統合) ※14.5mm重機関銃弾や152mm砲弾の空中炸裂破片、および地雷に対して極めて高い防御力を有する。複合装甲や爆発反応装甲(ERA)は装備していない。 |
| Main Armament (主武装) | 1x 120 mm Soltam Recoil Mortar System 6-Light (RMS6-L / Cardom) (120mmソルタム反動吸収迫撃砲システム) ※車体後部の天面大型ハッチを開放し、車内から直接間接火力支援を行う。最新のデジタル射撃管制システム(FCS)を標準統合。 |
| Secondary Armament (副武装) | 1x パワーアシスト付き車長キューポラマウントに以下のいずれか 1基を選択装備。 1x 12.7 mm M2HB heavy machine gun または 1x 40 mm Mk 19 automatic grenade launcher および 4x M6 smoke grenade launchers |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Caterpillar C7 6-cylinder inline 4-cycle turbocharged liquid-cooled diesel engine (キャタピラー社製 C7 直列6気筒4サイクルターボチャージドディーゼル。 出力: 450 hp (336 kW) ※重量増加に対応するため、従来の350馬力から450馬力へ完全強化され、デジタル機器安定稼働用の910アンペア大容量オルタネーターを備えた最新パワーパック仕様) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): 96 km/h (運用制限値) Unpaved (不整地): 約 40 km/h 〜 50 km/h |
| Operational Range (航続距離) | 483 km (300 miles) ※車体底面の重装甲化および高出力パワーパックへの刷新に伴い、従来の530kmから483kmへ変更。 |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- By Spc. Aliza Washington – https://www.dvidshub.net/image/9302775/rotation-24-07, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=175665353
- By Spc. Aliza Washington – https://www.dvidshub.net/image/9302775/rotation-24-07, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=175665352
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- By Spc. Aliza Washington – https://www.dvidshub.net/image/9302775/rotation-24-07, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=175665351












