Support Vehicle Heavy Cargo / MAN HX77 32.440 8×8 Heavy Tactical Truck

Support Vehicle Heavy Cargo / MAN HX77 8×8 Tactical Truck
イギリス陸軍

概要と開発の背景

Support Vehicle Heavy Cargo / MAN HX77 32.440 8×8 Heavy Tactical Truck(マン HX77 8×8 重戦術トラック)は、2000年代初頭にドイツのMAN Nutzfahrzeuge(現 Rheinmetall MAN Military Vehicles / RMMV)が開発し、2007年よりイギリス軍をはじめ世界各国の防衛機構へ配備された8×8高機動重戦術トラックである。開発の背景には、冷戦期より運用されてきたFoden 8×8ロジスティクス・トラックやScammell重輸送車などの旧式大型車両における老朽化と、現代戦の苛烈な戦術環境下における15t級重物資の高速自走輸送・自動荷役ニーズが存在した。イギリス国防省の「サポート・ビークル(SV)」大規模調達計画(Heavy Cargo枠)の中核として、20ft ISO規格コンテナや重弾薬・器材パレットを前線へ迅速かつ安全にピギーバック輸送できる、次世代重機甲ロジスティクスプラットフォームとして開発が進められた。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、高剛性スチール車体フレームに商用トラックの高品質コンポーネントを融合させたミリタリー・オフ・ザ・シェルフ(MOTS)設計思想と、Multilift製EPLS(改良型パレット・ロード・システム)またはLHS(脱着式コンテナ・フックリフト装置)の全装にある。パワートレインには440馬力を発揮するMAN D2066 10.5L 直列6気筒ターボディーゼルエンジンとZF製12速TipMatic全自動トランスミッションを搭載し、フルタイム8輪駆動(8×8)とリーフスプリング懸架機構により、15tの重積載状態であっても優れた不整地走破性を発揮する。旧型のトラックと比較して、作業員が車外へ出ることなく車内操作のみでコンテナやパレットの自力昇降・離着脱を完結できる画期的な荷役自動化を実現した。また、モジュール式増加装甲キャビン(MAC / IAC)への換装適合性や、CTIS(タイヤ内圧調整装置)、Rotzler製の自己回収用油圧ウインチを備え、脅威下における高い乗員防護性と自己脱出能力を獲得している。

運用実績と評価

2007年の配備開始以降、MAN HX77 8×8はイギリス陸軍(SV Heavy Cargo / EPLS仕様)をはじめ、オーストラリア陸軍(LAND 121 Phase 3B計画で大量調達)、ニュージーランド防衛軍、デンマーク、スロバキア、ハンガリー、オーストリア、スウェーデン(Archer 155mm自走砲車体用)などNATO加盟国および同盟国で主力重戦術トラックとして制式導入・運用されている。実際の運用においては、アフガニスタンでの作戦展開や各国での大規模野外機動演習へ投入され、前線陣地への長距離重補給ミッションや20ft ISOコンテナ・弾薬パレットの迅速展開において極めて高い信頼性と作業効率を証明した。旧型車輛と比較して圧倒的な不整地走破性能と優れた整備性、さらには公道90km/h〜100km/h走行による迅速な作戦機動能力が高く評価されている。現代の重機甲・野戦物流網を足元から支える不可欠な高機動重ロジスティクスアセットとして確固たる地位を維持している。

Official Name (正式名称)Support Vehicle Heavy Cargo / MAN HX77 32.440 8×8 Heavy Tactical Truck
Country of Origin (開発国)ドイツ / イギリス ※ドイツ MAN 社開発、イギリス国防省 Support Vehicle 計画主運用
Manufacturer (製造メーカー)Rheinmetall MAN Military Vehicles (RMMV / 旧 MAN Nutzfahrzeuge)
Designed (設計年)設計年は2002年(MAN社によるHXシリーズの開発・設計年)であり、運用開始年は2007年(イギリス軍等への量産車両の初納入・運用開始年)である。
Primary Operators (主な運用組織)オーストラリア:オーストラリア陸軍(LAND 121 Phase 3B/5B計画に基づき、HX77を含む8×8駆動のHX/HX2シリーズを輸送・ロジスティクス部隊において運用)
イギリス:イギリス陸軍、イギリス海軍、イギリス空軍(Support Vehicle計画に基づき、Enhanced Palletized Load System(EPLS)等の重貨物輸送・コンテナ搬送用途でHX77 8×8重戦術トラックを各支援部隊において配備・運用)
デンマーク:デンマーク陸軍、デンマーク空軍、デンマーク海軍(コンテナ・資材搬送用ロードハンドリングシステム搭載型(113台)および一般貨物/タンクローリー仕様(83台)のHX77 8×8重戦術トラックを導入・運用)
ニュージーランド:ニュージーランド陸軍(中型・重型作戦用車両(MHOV)フリートの一部として、8×8駆動のHX77(EPLS仕様等)をロジスティクス部隊において運用)
ウクライナ:ウクライナ武装組織(ドイツ軍等からの軍事支援供与品としてHX77 8×8トラックを導入・運用)
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)3名 (Driver, Commander, Passenger) + 兵員輸送数: 最大 20名 (後部荷台シート装着時)
Combat Weight (戦闘重量)車両自重 (Unladen Weight): 約 13,500 kg – 17,000 kg (13.5 – 17.0 tonnes / 14.8 – 18.7 short tons / 29,760 – 37,480 lb)
車両総重量 (Gross Vehicle Weight / GVW): 約 32,000 kg – 40,000 kg (32.0 – 40.0 tonnes / 35.2 – 44.1 short tons / 70,550 – 88,180 lb)
最大積載量 (Payload Capacity): 約 15,000 kg – 16,500 kg (15.0 – 16.5 tonnes / 16.5 – 18.2 short tons / 33,070 – 36,380 lb)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)L (全長): 10.13 m – 10.33 m (10,130 mm – 10,330 mm / 398.8 in – 406.7 in / 33.2 ft – 33.9 ft) [※装備・フラットベッド/フックリフト仕様による]
W (全幅): 2.50 m – 2.55 m (2,500 mm – 2,550 mm / 98.4 in – 100.4 in / 8.2 ft – 8.4 ft) [※サイドミラー展開前の車体幅]
D (全高): 3.30 m – 3.92 m (3,300 mm – 3,920 mm / 129.9 in – 154.3 in / 10.8 ft – 12.8 ft) [※キャビン上部・荷台コンテナ装着等の最高点高]
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)All-steel Solid Modular Cab (全スチール製標準キャビン)
Modular Armoured Cabin (MAC) / Integrated Armoured Cabin (IAC) (NATO STANAG 4569 レベル1〜レベル2適合の追加・一体型防護装甲キャビン)
Main Armament (主武装)None
Secondary Armament (副武装)1x 7.62 mm L7A2 GPMG (General Purpose Machine Gun) または1x 5.56 mm L110 LMG (キャビンルーフの旋回ハッチマウントに搭載可能)
Engine (エンジン出力 hp/kW)MAN D2066 10.5-litre 6-cylinder Turbocharged Diesel Engine
出力: 324 kW (440 hp / 440 bhp) / トルク: 2,100 Nm [※トランスミッションは ZF 12AS 2301 OD TipMatic 12速自動変速機]
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)Paved (整地): 約 90 km/h – 100 km/h (56 mph – 62 mph) [※スピードリミッター調整時]
Operational Range (航続距離)Paved (整地): 約 400 km – 500 km (250 mi – 310 mi) [※標準燃料タンク装着時]

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By UndateableOne – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45201868
  2. By Photo: Shane Wilkinson/MOD, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=49314802
  3. By Photo: Sgt Wes Calder RLC/MOD, OGL v1.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26914936

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