
イギリス軍などで広く運用されている歩兵携行用の赤リン発煙遮蔽手榴弾。ドイツのRheinmetall社(旧Buck Neue Technologien社)が開発した赤リン発煙弾「SPIRCO」をベースとしており、従来のL84A2の後継として導入された。本兵器は、通常の視覚的な煙幕展開にとどまらず、敵の暗視装置(ナイトビジョン)や近赤外線(IR)スペクトルのセンサー、さらにはレーザー測距儀(レーザーレンジファインダー)による検知や照準を効果的に遮蔽する高度なマルチスペクトル防護能力を備えているのが最大の特徴である。投擲後、約1秒で急速に広範囲の熱遮蔽煙幕を展開し、味方部隊の移動や離脱時の安全性を飛躍的に高める構造を持つ。
| Official Name (正式名称) | L84A3 Red Phosphorus Smoke Screening Hand Grenade (ベースモデル名:SPIRCO) |
| Country of Origin (開発国) | ドイツ |
| Manufacturer (製造メーカー) | Rheinmetall(開発元: Buck Neue Technologien GmbH ) |
| Designed (設計年) | L84A3の設計年および軍への運用開始(導入)年については、詳細な日付や特定の開発完了年を示す公的な一次資料(メーカー仕様書や英国防省[MOD]の調達データなど)が一般公開されておらず、不明である。 ただし、設計ルーツとなるベースモデル「SPIRCO」自体の技術は、2000年代半ば(少なくとも2007年のRheinmetall社手榴弾技術資料等)にすでに確立されていた。また、イギリス軍における運用実態としては、前世代モデルであるL84A2の退役・廃棄プロセスに伴い、遅くとも2019年時点には後継としてL84A3が部隊配備・運用されていた事実が公式文書から確認されている。ただし、客観的かつ間接的な製造・配備記録として、少なくとも2010年代初頭にはイギリス軍などで既に部隊配備・運用されていた事実が確認されている。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | イギリス:イギリス陸軍、イギリス海軍(王立海兵隊)(ドイツRheinmetall社製「SPIRCO」を公式調達し、制式名称L84A3として主力歩兵部隊や特殊作戦ユニットに標準配備・現役運用) エストニア:エストニア国防軍、エストニア防衛連盟(L84A3を公式調達し、領土防衛部隊や実戦訓練にて正規に配備・現役運用) ウクライナ:ウクライナ武装部隊(イギリス軍等による公式な軍事・防衛物資支援パッケージを通じてL84A3を多数受領し、対ロシア前線の各種歩兵部隊・特殊部隊等にて現役で実戦運用) |
| Type (種類) | 発煙手榴弾(赤リン・マルチスペクトル遮蔽用 / Smoke Screening Hand Grenade) |
| Filler Type (炸薬・内蔵化学物質の種類) | 赤リン(Red Phosphorus) |
| Filler Weight (炸薬・薬量) | 全備重量0.38 kgのうち、内蔵されている赤リン発煙組成物単体の純粋なグラム数は非公表 |
| Fuze Type (信管方式) | 延期信管 (Time-delay pyrotechnic fuze / フライオフ・レバー式発火信管) |
| Delay Time (遅延時間) | 投擲から煙幕の放出・展開が開始されるまでの遅延秒数は非公表、展開後は約1秒で急速に遮蔽効果を発揮する |
| Dimensions (外寸) | 全長(全高) 132 mm × 直径 62 mm |
| Total Weight (総重量) | 380 g(0.38 kg) |
| Effective Radius (有効加害・効果半径) | 投擲作動後に最小で長さ10 m以上×高さ2.5 m以上の防護煙幕を急速に展開 |
| Deployment Method (投擲・運用方式) | 手動投擲 (Hand-thrown) |
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