
HG 85(Hand Granate M1985)は、スイス軍が第二次世界大戦期の旧式手榴弾の後継として開発した、歩兵携帯用の破片手榴弾。開発はスイス連邦弾薬工場(現RUAG社(RUAG Ammotec))によって行われ、独自の厳しい安全性要件を満たす特殊な信管設計とパッケージングが施されている。信管には安全レバーを物理的に固定するスプリングスチール製セーフティクリップが備わり、不意の誤動作を徹底して防ぐ安全性が高い構造を持つ。内面をディンプル(くぼみ)加工したスチール製ライナーが起爆時に約2000個の微小破片となって全周囲に均等散布され、敵のケブラー防弾ベストやチタンプレートを貫通する高い殺傷力を備えつつ、投擲者側への危険を最小化するため加害範囲が精密にコントロールされている。
| Official Name (正式名称) | HG85 Fragmentation Hand Grenade |
| Country of Origin (開発国) | スイス |
| Manufacturer (製造メーカー) | RUAG Ammotec(旧:アルトドルフ連邦弾薬工場 [Munitionsfabrik Altdorf]) |
| Designed (設計年) | 開発・設計は1980年代前半(1980年代初頭)にスイスのアルトドルフ連邦弾薬工場(Munitionsfabrik Altdorf、現在のRUAG Ammotec社)によって開始され、設計および各種試験プロセスが完了した1985年にスイス軍において正式に採用・運用(部隊配備)が開始された |
| Primary Operators (主な運用組織) | スイス:スイス軍(スイス陸軍が制式名称Hand Granate M1985(HG 85)として、全主力歩兵・山岳歩兵部隊や特殊部隊等に広く配備・現役運用) イギリス:イギリス陸軍、王立海兵隊(Royal Marines)、および王立空軍連隊(RAF Regt)(スイスより公式調達し、制式名称L109A1および改良型L109A2として標準の防御用破片手榴弾として広く現役運用) オランダ:オランダ軍(オランダ陸軍、海兵隊[Korps Mariniers]、および空中強襲旅団等において、制式名称Nr 330として主力の手榴弾アセットとして配備・現役運用) リトアニア:リトアニア軍(リトアニア陸軍の各種歩兵旅団、およびボランティア国防組織等において、HG 85を主力精密破片手榴弾として制式配備・現役運用) マレーシア:マレーシア陸軍(マレーシアの防衛関連商社SME Ordnance等を通じて調達し、2024年にBarincorp社が20,000発のRUAG製HG 85 HE手榴弾の供給契約を獲得。主に第10パラトルーパー旅団等の主力部隊向けに配備・運用) アラブ首長国連邦(UAE):UAE軍(2000年代初頭にスイスのRUAG社から大規模な公式調達を行い、主力歩兵および地上軍特殊部隊等に配備・運用) ウクライナ:ウクライナ武装部隊(イギリス軍による公式な防衛軍事支援を通じてL109A1 / L109A2を数万発単位で受領し、対ロシア前線の各種歩兵部隊・特殊部隊等で実戦運用) イエメン武装組織(フーシ派およびジャイアンツ旅団):UAEが公式調達したRUAG製HG 85の一部がイエメン内戦下で第三国流出し、UAEの支援を受ける南部「ジャイアンツ旅団」が実戦運用したほか、対峙する武装組織「フーシ派」が戦利品としてこれを鹵獲し、実戦に転用・運用している事実が国連の軍事調査報告書により実証されている シリア武装勢力および過激派組織:UAEが公式に調達したスイス製HG 85が不正規なルートで流出し、自由シリア軍(FSA)や各種反政府武装グループ、さらには過激派組織ISILの戦闘員らによって実戦で使用されていた実態が、現地で回収された個体のシリアルナンバー追跡調査(CAR報告書)によって裏付けされている |
| Type (種類) | 破片手榴弾(Fragmentation hand grenade) |
| Filler Type (炸薬・内蔵化学物質の種類) | TNT(トリニトロトルエン)、または RDXとTNTの混合(重量比:RDX 55% / TNT 45%) |
| Filler Weight (炸薬・薬量) | 155 g (5.5 oz) |
| Fuze Type (信管方式) | 延期信管 (Time-delay fuze)(信管モデル名:DM 82 CH) |
| Delay Time (遅延時間) | 3.0 – 4.0 seconds |
| Dimensions (外寸) | 全長(高さ) 97 mm (3.8 in) × 直径 65 mm (2.6 in) |
| Total Weight (総重量) | 465 g (16.4 oz)(投擲前の弾薬・信管を含む戦闘即応状態の総重量) |
| Effective Radius (有効加害・効果半径) | 非装甲のターゲット(生体)に対する効果半径: 10 m (33 ft) ケブラー防弾ベスト等の装甲着用ターゲットに対する効果半径: 5 m (16 ft) 安全半径(危険が及ぶ可能性がある最大飛散範囲): 最大 200 m(訓練安全データ等に基づく最大危険範囲) |
| Deployment Method (投擲・運用方式) | 手動投擲 (Hand-thrown) |
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- By Wikimedia Commons user TheBernFiles. – Own photograph. Shot at the Army Days 2006 (Heerestage 2006) in Thun., Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1322517












