


概要と開発の背景
Jackal 3(ジャッカル3)は、2020年代前半にイギリスの防衛企業であるSupacat(SC Group)が設計し、Babcock Land Defence(Babcock International)との協働製造によって開発された最新世代の4×4輪駆動(および6×6可変)高機動多目的トラックである。Supacatが長年展開してきたHMTV(High Mobility Transporter)シリーズの最新モデル「HMT Mk3」シャーシをベースとしている。イギリス陸軍は、過酷なアフガニスタン紛争等で運用された従来のJackal 1およびJackal 2(HMT 400)の不整地走破性と全周視界を評価しつつも、近年の現代戦における脅威の多様化に対応しうる最新アセットを求めていた。特に、地雷や対装甲脅威、電子戦が存在する作戦環境において、従来の優れた機動性能を損なうことなく、より重厚なミッション装備や防護装甲、最新の通信・電子機器を同時搭載できる積載能力(ペイロード)の大幅な拡張が課題となっていた。こうした要求に応えるため、イギリス国防省(MoD)は2023年にSupacatおよびBabcockと製造契約を締結し、2024年より本格的な量産と部隊配備が開始された。
構造と技術的特徴
Jackal 3の構造における最大の技術的進歩は、サスペンション機構の全面的な強化とシャーシのモジュール設計にある。独自開発の可変高独立エアサスペンションシステムがアップグレードされたことで、過酷な岩場や砂地における走破性を保持しつつ、許容荷重が引き上げられた。パワートレインには改良型のCummins製ターボディーゼルエンジンとAllison製自動変速機が組み合わされ、車重増加に対応する十分な出力と向上した燃料効率を提供する。防護構造面では、Jankel Armouring Ltd.等の技術を盛り込んだ装甲パッケージに加え、搭乗員を横転事故から保護する強力なロールオーバー保護構造(ROPS)や、車体底部の爆風耐性を高めた構造、衝撃緩和シートが標準装備されている。さらに、HMT Extenda Mk3仕様では必要に応じて第3軸を追加し、4×4から6×6駆動へと車体構成を迅速に変更できる柔軟性を備える。オープン・トップ型の乗員室は優れた視界と状況把握能力(Situational Awareness)を確保しており、最新の遠隔操作兵器ステーション(RWS)や各種センサー、戦術通信システムを安定して稼働させる電力供給基盤が配備されている。
運用実績と評価
Jackal 3は、イギリス陸軍(British Army)およびイギリス海兵隊(Royal Marines)に制式採用され、2024年初頭よりBabcockのデヴォンポート施設およびSupacatのダンクスウェル施設において順次生産・納入が進められている。本車は、従来のJackal 2と比較して最大積載重量が約2,100kgへと向上し、車両総重量約7,600kgの過酷な運用条件下でも高速走行と優れた不整地走破性能を両立させている点が高く評価された。実戦的な訓練や配備現場においては、長距離長時間の単独哨戒任務、機動偵察、補給・連絡、火力を伴う機動強襲など多様な任務への適応力が認められている。さらに、イギリス国防省は2024年に追加発注を行うなど配備規模を順次拡大させており、次世代の統合陸上作戦における高機動偵察・打撃アセットの主力として重要な立ち位置を確立している。
| Official Name (正式名称) | Jackal 3 High Mobility Truck / Supacat HMTV Mk3 (High Mobility Transporter Mark 3) ※軍公式の指定記号・型式としては HMT 400 series Mk3 とも表記 |
| Country of Origin (開発国) | イギリス |
| Manufacturer (製造メーカー) | Supacat (設計・開発) / Babcock International Group (Devonport Dockyard / 共同量産・製造担当) |
| Designed (設計年) | 設計年(契約・開発開始年)は2022年–2023年(イギリス国防省による発注およびHMTV Mk3プラットフォームとしての開発年)であり、運用開始年は2024年(量産車両の製造開始およびイギリス軍への納入・配備開始年)である。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | イギリス:イギリス陸軍(王立機甲軍団(RAC)所属の偵察連隊、王立スコットランド・ドラグーン・ガーズ(Royal Scots Dragoon Guards)などの軽騎兵部隊、歩兵大隊等において高機動装甲巡察車・長距離偵察車両として配備・運用) 、イギリス海軍(SBS: Special Boat Serviceにて運用) チェコ:チェコ陸軍(特殊作戦部隊(Special Forces)において 6×6 駆動仕様の Jackal 3 Extenda を配備・運用) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 3名 (Driver, Commander, Gunner) [※車体後部の荷台・装備構成に応じて運用人数は変動] |
| Combat Weight (戦闘重量) | 車両自重 (Kerb Weight / 燃料・基本装甲含む重量): 約 5,500 kg (5.5 tonnes / 12,125 lb) 車両総重量 (Gross Vehicle Weight / 最大許容重量): 約 7,600 kg (7.6 tonnes / 16,755 lb) (※4×4 状態。6×6 Extenda モジュール追加時の車両総重量は約 10,500 kg) 最大積載量 (Payload Capacity): 約 2,100 kg – 2,500 kg (2.1 – 2.5 tonnes / 4,630 – 5,510 lb) |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | L (全長): 5.79 m (5,790 mm / 228 in / 19.0 ft) [※4×4 状態車体全長(6×6 状態では 7.05 m / 277.5 in)。固定火器の突出し部含まず] W (全幅): 2.05 m (2,050 mm / 80.7 in / 6.7 ft) [※ミラー展開前の車体幅] D (全高): 最小 1.88 m (1,885 mm / 74.2 in / 6.2 ft) – 最大 2.44 m (2,445 mm / 96.3 in / 8.0 ft) [※可変エアサスペンション調整時の車体高。ルーフ武装未搭載時] |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | Modular Mine Blast and Ballistic Protection Kit (オプションの地雷・爆風・防弾防護キット) Blast-protected Hull & Rollover Protection (地雷・IED爆風分散構造および横転時保護フレーム強化) |
| Main Armament (主武装) | 1x 12.7 mm M2HB Heavy Machine Gun または1x 40 mm Heckler & Koch GMG (Grenade Machine Gun) を ISTEC 製主旋回ガンマウント へ装備 / オプションで Remote Weapon Station (RWS) に変更可能) |
| Secondary Armament (副武装) | 1x 7.62 mm L7 GPMG (General Purpose Machine Gun) ※ISTEC 製助手席・車長用マウントに搭載 Smoke Grenade Launchers (オプションで煙幕発射機を搭載可能) |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Cummins 6.7-litre 6-cylinder Turbocharged Diesel Engine 出力: 134 kW (180 hp / 180 bhp) / トルク: 700 Nm [※トランスミッションは Allison Transmission 2500 Specialty Series 5速全自動変速機] |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): 約 120 km/h (75 mph) |
| Operational Range (航続距離) | Paved (整地): 約 800 km (500 mi) [※燃料タンク容量: 200 L] |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- Credit: UK Ministry of Defence / Crown Copyright (OGL v3.0)
- Photo by AS1 Jason Russell RAF / UK MOD via Defence Imagery (Filename: VCOPS-20260623-0091-RAF Regiment Jackal 3 (10).jpg / Crown Copyright 2026)
- Photo by Corporal Rebecca Brown, RLC / UK MOD via Defence Imagery (Filename: AHQCPL4-OFFICIAL-20240306-027-054.jpg / Crown Copyright 2024)











