
M1117装甲警備車(ASV)は、アメリカ陸軍の憲兵部隊や後方車列護衛部隊の防護力刷新を目的に開発された、4×4輪駆動の装輪装甲車である。愛称はGuardian(ガーディアン)。開発・製造はテキストロン・マリン&ランド・システムズ社が担当し、同社の「V-150 コマンドウ」の基本設計を継承しつつ大幅に刷新している。車体底部には地雷や即席爆発装置(IED)の爆風を外側へと受け流すための「V字型ハル構造」が採用され、ドイツのIBD社が開発したモジュラー拡張型増加装甲(MEXAS)がボルト留めされている。車体上部にはAAV7A1水陸両用強襲車と共通の、車内から安全に再装填・射撃が行える1名用銃塔が統合されている。ハンヴィーを凌駕する高い生存性とC-130輸送機での即応展開能力を兼ね備えており、イラク占領任務などの対ゲリラ戦において主軸として実戦投入された。
| Official Name (正式名称) | M1117 armored security vehicle |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | Textron Marine & Land Systems |
| Designed (設計年) | アメリカ陸軍の憲兵部隊向けに1990年代後半に設計開発が始まり、1997年2月に初期の試作車両4両が完成し、各種検証を経て1999年3月にテキストロン社と初の量産契約を締結、同年の1999年末から2000年初頭にかけて部隊配備(コソボ駐留部隊へのフィールドテストやドイツ駐留の第18憲兵旅団等への引き渡し)が行われたことで公式に運用を開始 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(主たる現役憲兵(MP)部隊、ならびにイラク・アフガニスタン等での前線補給車列護衛・警備部隊において主力運用) ウクライナ:ウクライナ陸軍(米国から250両規模の公式軍事援助・供与を受け、各前線機械化旅団や軽歩兵大隊の主力装甲戦闘・移動アセットとして実戦運用) コロンビア:コロンビア陸軍(EDAプログラムに基づき214両を公式運用。トレイマイダ軍事要塞に拠点を置く前線戦闘部隊等に配備され、国境監視や対反政府武装組織のジャングル巡邏任務へ投入。派生型としてTextron製の独自砲塔を搭載した「コマンドウ・アドバンスド歩兵戦闘車」を28両併せて運用) ギリシャ:ギリシャ陸軍(EDAプログラムにより米国より最大1,200両規模の大規模な調達・移管を進行中。アテネ近郊の第301軍事基地工場等を介して順次前線へ部隊配備され、従来の未装甲車両に代わる国境巡邏・テロ対策アセットとして運用) ブルガリア:ブルガリア陸軍(2020年代現在も、計17両のM1117を野戦主力装甲偵察・通常部隊の警備アセットとして安定維持・運用。一部車両はアフガニスタン派遣等での戦訓から独自にNSVT重機関銃仕様へと換装) イラク:イラク陸軍(イラク戦争後の国軍再編に際して米国より計100両以上を公式取得。装甲兵員輸送車(APC)仕様へと拡張・改修された独自のストレッチ車体派生型などを前線部隊にて運用) カナダ:カナダ陸軍(M1117の直系派生・重装甲アップグレード型である「TAPV:戦術装甲巡邏車(Tactical Armoured Patrol Vehicle)」を、計500両規模で主力装甲アセットとして独占運用) アフガニスタン(タリバン):タリバン・イスラム国家警備隊 / 国防省(旧アフガニスタン共和国軍が米軍から公式取得した600両以上のM1117について、2021年の政権崩壊時に大部分を良質な稼働状態で鹵獲。現在のタリバン治安部隊の主軸装甲車として運用) コソボ:コソボ安全保障軍(KSF:Kosovo Security Force)(米国との安全保障合意に基づき、2021年以降に公式に複数両のM1117 ASVを無償供与され受領。国際治安維持および自国領域警備部隊の主力装甲アセットとして現役運用) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 3名 (操縦手、車長、砲手) + 兵員輸送数: 1名(作戦指揮官や拘束者等の便乗人員) ※本車は憲兵部隊の警備・護衛用車両であり、純粋な装甲兵員輸送車(APC)としての分隊輸送能力(APC専用の派生型であるICV型は除く)は持たない |
| Combat Weight (戦闘重量) | 13,408 kg (13.41 t / 29,560 lbs) ※車体、銃塔、装弾された弾薬、および乗員一式を含んだ標準作戦総重量 |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | W: 2,561 mm (2.56 m) / L: 6,071 mm (6.07 m) / D: 2,590 mm (2.59 m ※車体天面の1名用銃塔の最高部(光学センサー窓)を含む垂直高) / 地上高:460 mm (46 cm) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | High-hard homogeneous steel structure hull with IBD Deisenroth Engineering MEXAS bolt-on ceramic armor, and internal spall liners (高硬度防弾鋼板の溶接構造に加え、車体外面にドイツのIBD社製モジュラー拡張型セラミック増加装甲(MEXAS)をボルト留め。内面防破ライナー、および爆風を外側へ受け流すV字型ハル底面構造を統合) ※12.7mm重機関銃弾の直撃、15mの距離での155mm砲弾の空中炸裂破片、および車輪下での12ポンド(5.4kg)のTNT地雷爆風に対して完全な防御力を有する。爆発反応装甲(ERA)は装備していない。 |
| Main Armament (主武装) | 1x 40 mm Mk 19 automatic grenade launcher ※AAV7A1と共通設計のTextron製1名用密閉銃塔内にマウント。車内から完全遮蔽・装甲防護された状態で射撃および再装填が可能。 |
| Secondary Armament (副武装) | 1x 12.7 mm M2HB heavy machine gun (銃塔内に40mm砲と同軸マウント) および 1x 7.62 mm M240H machine gun (銃塔外部のガンナーハッチ横ピンマウントに外装装備)、4x M6 smoke grenade launchers (銃塔外部に統合マウント) |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Cummins 6CTA8.3 6-cylinder inline 4-cycle turbocharged liquid-cooled diesel engine (カミンズ社製 6CTA8.3 直列6気筒4サイクルターボチャージドディーゼル 出力: 260 hp (194 kW) ※Allison MD3560 6速オートマチックトランスミッションと結合) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): 101 km/h / Unpaved (不整地): 約 40 km/h 〜 50 km/h |
| Operational Range (航続距離) | 708 km (440 miles ※時速約64km/hの巡航速度における公称最大航続距離) |
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画像の引用元
- By George E. Koronaios – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=147147544








