
アメリカのOshkosh Defense社が製造する、重高機動戦術トラック(HEMTT)ファミリーの回収・レッカー車仕様車輌である。8輪駆動(8×8)の巨大なシャーシをベースとし、泥、砂、雪、水に埋もれた10トン(9,072 kg)以上の戦闘車両や大型トラックを牽引・救出するヘビーデューティな回収任務を担う。車体後部には、車両を迅速に吊り上げて牽引可能なリフト&トウ(Lift-and-tow)システムや、戦車等のパワーパック(エンジン・変速機ユニット)を吊り上げ可能なGrove社製大型クレーン、および最大牽引力約27トン(60,000 lbs)の2速回収用メインウインチを装備する。歩兵部隊や前線兵站コンボイ(車列)に追従し、戦場で損傷・故障した車輌の現場修理(溶接等含む)や回収・後方搬送を行う、米陸軍・空軍・海兵隊等の地上ロジスティクスを支える重要アセットである。
| Official Name (正式名称) | M984 HEMTT Wrecker |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | Oshkosh Defense, LLC (Oshkosh Corporation 傘下の防衛車両部門) |
| Designed (設計年) | HEMTTファミリーの基本設計・開発は、アメリカ陸軍の次世代重戦術トラック(HMTT)プログラムに基づき1978年に着手され、1981年にOshkosh社が製造契約を獲得して試作設計が完了した。その後、過酷な実戦環境試験をパスし、1982年にアメリカ軍に正式採用・製造が開始され、1985年に前線部隊への大規模な配備(デリバリー)が行われたことで本格的な公式運用が開始された。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(各師団の野戦整備中隊(SMC)や前線支援大隊(FSC)等の主力回収アセット)、アメリカ空軍(主要航空基地の土木工兵隊・戦闘工兵部隊(RED HORSE)等における大型機材牽引・重機回収アセット)、およびアメリカ海兵隊(後方兵兵站大隊(CLR)等の重レッカー・救出任務ユニット)にて大規模に現役運用中 ウクライナ:ウクライナ陸軍(対ロシア戦域における米国からの安全保障援助(PDA)枠に基づき、FMTVやHETと並んで公式に引き渡された複数の「M984A4」を前線戦闘車両の戦術回収アセットとして公式現役運用中 サウジアラビア:サウジアラビア陸軍(パトリオット防空システム運用部隊、および機甲旅団等の野戦兵站・機材回収ユニットにおいて、米国から公式に有償調達された各種「M984」を公式現役運用中 アラブ首長国連邦:アラブ首長国連邦軍(防空・ミサイル防衛コマンドのサポート部隊、および重輸送・兵站ユニットにおいて、M983トラクターと並び公式調達された「M984」を公式現役運用中 ギリシャ:ギリシャ陸軍(重兵站輸送部隊、および主要機甲大隊の技術・整備支援ユニットにおいて、長年にわたり米国から調達・維持されている「M984」を公式現役運用中 エジプト:エジプト陸軍(パトリオット防空大隊の支援中隊、および第4機甲師団等の後方支援兵站ユニットにおいて、FMSプログラムを介して導入された「M984」を公式現役運用中 イスラエル:イスラエル国防軍(陸軍の技術・兵站総監部傘下の各野戦整備大隊において、過剰防衛装備(EDA)および有償援助で取得された約400両以上のHEMTTインベントリの一部として「M984」を公式現役運用中 中華民国(台湾):中華民国陸軍(各軍管区の防空ミサイル指揮部、および飛弾(ミサイル)旅団において、パトリオットミサイルシステムの展開随伴・重機材および故障車回収用アセットとして公式現役運用中 ヨルダン:ヨルダン王立陸軍(前線野戦兵站部隊、および防空部隊の技術支援・メンテナンスユニットにおいて、米政府の軍事援助を介して配備された「M984A2/A4」を公式現役運用中 モロッコ:モロッコ王立陸軍(南部軍管区の各種戦術輸送・ロジスティクス大隊、およびアフリカン・ライオン(African Lion)等の多国籍共同演習を展開する前線兵站ノードにおいて、公式に調達された「M984A4」を公式現役運用中 クウェート:クウェート陸軍(第15防空ミサイル旅団、および各機甲部隊の後方修理・牽引サービスユニットにおいて、米国から公式発注された517両の重戦術車両(HTV)供給プログラムの一環として「M984」を公式現役運用中 カタール:カタール首長国陸軍(防空ミサイル部隊、および近年近代化が進む重兵站支援ユニットにおいて、M983A4等と同時に新規発注・デリバリーされた「M984A4」を公式現役運用中 バーレーン:バーレーン王立陸軍(高高度防空・ミサイルアセットの兵站支援ユニット、および装甲・車両回収タスクフォースにおいて、米国からのFMSルートで導入された「M984」を公式現役運用中 イラク:イラク陸軍(陸軍の各技術兵站大隊、および重輸送・回収セクションにおいて、戦後再建期の軍事援助プログラムによって配備された「M984」を公式現役運用中 ルーマニア:ルーマニア共和国軍(ルーマニア陸軍の防空・ミサイル部隊、および特定の重兵站支援中隊において、近年の防衛力近代化(パトリオットシステム導入)に伴い、米政府のFMSプログラムを介して公式に調達された計31両の「M984A4」を含むHEMTTインベントリを公式現役運用中 大韓民国(韓国):韓国陸軍(在韓米軍(USFK)との相互ロジスティクス連携、および米製重機材やパトリオット防空システムのバックアップ運用を担う一部の後方・兵站整備ユニットにおいて、米国から公式に調達・維持されている「M984」を限定現役運用中 オマーン:オマーン王立陸軍(主要な機甲旅団や戦術ロジスティクス支援部隊において、過酷な砂漠環境下で故障・行動不能となった大型戦術トラックや装甲車両の救出・野戦修理アセットとして、米国から公式調達された各種「M984」を公式現役運用中 トルコ:トルコ陸軍(防空コマンドのサポート部隊、および一部の主要重輸送兵站大隊において、長年にわたり軍事援助や独自調達を通じて保有している「M984」レッカーアセットを公式現役運用中 チュニジア:チュニジア陸軍(対テロ治安維持および国境警備任務を展開する前線ロジスティクス・整備支援中隊において、米政府の過剰防衛装備(EDA)供与プログラムや軍事援助を通じて配備された各種「M984」を公式現役運用中 ブルガリア:ブルガリア陸軍(米政府のFMSプログラムに基づくストライカー(Stryker)装甲戦闘車両パッケージの調達契約に付随し、公式に発注・導入された計5両の「M984A4 Wrecker」を重車両回収・前線兵站維持アセットとして公式現役運用中 |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 2名 (Driver、Commander) 兵員輸送数:なし (キャビン内には空圧式サスペンション付き独立シート2席および4点式シートベルトのみが配置されており、追加の兵員輸送を目的としたスペースや座席配置はない) |
| Combat Weight (戦闘重量) | Gross Vehicle Weight Rating (GVWR):97,000 lbs (43,998 kg、標準状態) / With Armor (装甲パッケージ追加時):105,500 lbs (47,854 kg) / Curb Weight (空虚重量):54,900 lbs (24,902 kg) |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | W (全幅): 96 in (2.44 m、サイドミラー構造部等を除く) L (全長): 401 in (10.19 m、固定砲身なし) D (全高): 118 in (3.00 m、ルーフ上のスペアタイヤおよびクレーン収納部の上端まで) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | LTAS (Long Term Armor Strategy) B-kit ready (長期装甲戦略適合・追加装甲Bキット装着対応キャビン)。車体下部には Integrated under cab protection (統合型キャブ底面耐爆・防破構造) を標準装備。標準時は非装甲(A-kit状態)だが、戦域展開時にはボルトオン式の防弾パネルおよび防弾ガラスからなる複合装甲キット(B-kit)を外装に追加統合可能な設計。 |
| Main Armament (主武装) | なし キャビンルーフ上に GPK (Gunner Protection Kit) または有人銃塔、各種機関銃用マウントを統合可能なベース構造を標準装備 |
| Secondary Armament (副武装) | なし ルーフマウントに 12.7mm M2HB 重機関銃 または40mm Mk 19 自動グレネードランチャー などを部隊の戦術要求に応じて搭載可能) |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Caterpillar製 C15 Turbocharged Diesel Engine (15.2リットル 直列6気筒ターボディーゼル) / 出力:500 hp (373 kW) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地): 62 mph (100 km/h、安全制限による) Unpaved (不整地): 約 20 mph〜30 mph (約 32 km/h〜48 km/h、路盤状況および 8×8 駆動サスペンションの追従限界による) |
| Operational Range (航続距離) | 最大 300 miles (約 483 km、燃料タンク容量:155 gal / 587 L、最大積載巡航時) |
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画像の引用元
- By Spc. Monte Swift – https://www.dvidshub.net/image/258174, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=42553098








