
Soltam K6(ソルタムK6)およびアメリカ軍仕様であるM120は、イスラエルのソルタム・システムズ社(現エルビット・システムズ)が開発した滑腔・前装式の120mm重迫撃砲である。旧型のM30 4.2インチ(107mm)条痕砲を更新する目的でアメリカ陸軍および海兵隊に主力重型間接火力支援兵器として広く採用された。歩兵部隊向けとしてM1100トレーラーによる牽引移動が可能なほか、M1287やM1129などの装甲兵員輸送車やストライカー装甲車に車載して運用されるM121バリエーションも存在する。手動での前線担送限界を超える威力を持ち、フィン安定式の多種多様な高威力弾薬を圧倒的な高角高精度で連続投射し、機甲旅団や普通科連隊の戦術作戦を力強く支える信頼性の極めて高い兵器である。
| Official Name (正式名称) | Soltam K6 / M120 120 mm mortar |
| Country of Origin (開発国) | イスラエル |
| Manufacturer (製造メーカー) | Elbit Systems Land(旧 Soltam Systems)/アメリカ軍向けライセンス製造:Watervliet Arsenal(ウォーターヴリート工廠 ※砲身担当)など |
| Designed (設計年) | ソルタム社により1980年代前半に設計開発が行われ、アメリカ軍の緊急評価試験を経て1991年にアメリカ陸軍の「M120重迫撃砲システム」として公式に制式化されたことで実戦部隊への配備と運用を開始 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(機甲・ストライカー・歩兵旅団戦闘チーム)およびアメリカ海兵隊にて、牽引型「M120」や装甲車搭載型「M121」を大量運用中 イスラエル:イスラエル国防軍(陸軍各旅団支援中隊)にて、ベースの「K6」のほか、自動照準車載型「CARDOM(Keshet)」や最新の「CROSSBOW」を主力運用中 ウクライナ:ウクライナ陸軍(各独立機械化・突撃旅団)にて、米国政府から軍事援助として公式寄贈された米国仕様の「M120」を最前線で運用中 デンマーク:デンマーク王立陸軍(第一旅団機械化歩兵大隊)にて、米国より公式調達した「M120」を重歩兵部隊の間接火力として運用中 エストニア:エストニア陸軍(第1・第2歩兵旅団、および領土防衛部隊)にて、NATO規格共通化に基づき公式調達された「M120」を運用中 ラトビア:ラトビア陸軍(陸軍機械化歩兵旅団)にて、バルト三国の防衛ライン構築の一環として米国より公式供給された「M120」を運用中 ジョージア:ジョージア陸軍(各歩兵・機動旅団大隊支援中隊)にて、安全保障支援に基づき配備された「M120」を山岳・国境警備用に運用中 アルメニア:アルメニア陸軍(各独立親衛モータード歩兵旅団)にて、兵器多角化調達の一環として公式導入された「M120」バリエーションを運用中 カザフスタン:カザフスタン陸軍(航空機動部隊および普通科旅団)にて、米国との二国間合意に基づき試験導入された「M120」バリエーションを運用中 イラク:イラク陸軍(各治安維持機甲旅団および対テロ特殊部隊)にて、国軍再編時に米国からFMS購入した総計450門以上の「M120」を運用中 ボリビア:ボリビア陸軍(各普通科・山岳歩兵大隊)にて、南米における限定的火力として米国仕様の「M120」バリエーションを公式運用中 ミャンマー:ミャンマー陸軍(各作戦統制司令部配下の戦術歩兵大隊・砲兵部隊)にて、過去に直接購入した「Soltam K6 / M120」を現役維持・運用中 中華民国(台湾):中華民国陸軍(各機械化歩兵・装甲旅団)にて、K6をベースに自国開発した「63式120mm迫撃砲」および装甲車載型を主力運用中 フィリピン:フィリピン陸軍(機甲師団・軽機甲大隊)にて、M113A2装甲車にK6ベースの自動反動吸収システムを組み込んだ車載型「CARDOM」を運用中 タイ:タイ王国陸軍(歩兵旅団および機甲部隊)にて、BTR-3E1やM113装甲車の後部にK6ベースの自動旋回型「CARDOM」を統合した自走迫撃砲仕様を運用中 アゼルバイジャン:アゼルバイジャン陸軍(各機械化・突撃旅団)にて、サドリン装甲車等の荷台にK6ベースの自走式システム「CARDOM」を統合して運用中 ウガンダ:ウガンダ人民国防軍(陸軍治安機動部隊)にて、イスラエルからの直接購入に基づき、Soltam K6の地上設置牽引型フリートを公式運用中 ブラジル:ブラジル陸軍(各機械化歩兵大隊)にて、基本型「K6」のほか、新型のグアラニ6×6輪装甲車にK6ベースの車載型「CARDOM」を統合して運用中 モロッコ:モロッコ王立陸軍(各機甲・機械化旅団)にて、イスラエルとの提携に基づき、VAB装甲車等へK6ベースの車載型「CARDOM」を完全統合して運用中 ドイツ:ドイツ空軍・陸軍にて、ヴィーゼル2軽量空挺装甲車にSoltam K6のシステム構造をライセンス統合した車載型「M120R1」を空挺部隊限定で運用中 イラン:イラン国防軍にて、Soltam K6を無許可でリバースエンジニアリングしたコピー版「HM 16 ハディド」を製造運用し、傘下の中東武装勢力へ拡散中 |
| Type (種類): | 重迫撃砲(Heavy Mortar)、車載迫撃砲(車載型はM121としてM1287やM1129に搭載) |
| Caliber (口径): | 120 mm (4.72 in) |
| Operation / Mechanism (作動・推進方式): | 砲口装填式(マズルローディング)/滑腔砲(スムースボア)、落射撃発方式(自重落下した弾薬が砲底の固定撃針に接触して自動平射。車載型の一部やオプション機能として手動引き金式撃発機構も選択可能、リコイルダンパー等の後座緩衝機構は地上設置型にはなく、車載型派生モデル(CARDOM)等に標準統合される) |
| Barrel Length / Total Length (砲身長/全長): | 144.7 kg (319 lbs) ※地上設置戦闘状態のシステム総重量(M1100二輪牽引トレーラー結合時は 326.1 kg / 719 lbs) 砲身コンポーネント(M298 Cannon):50.0 kg (110 lbs) 二脚マウント(M190 Bipod):32.0 kg (70 lbs) 底板(M9 Baseplate):62.0 kg (136 lbs) 照準器(M67 Sight Unit):1.1 kg (2.4 lbs) |
| Total Weight (総重量): | Conventional Mode (通常二脚運用時総重量): 17.19 kg (37.9 lbs) Handheld Mode (手持ち運用時総重量): 8.89 kg (19.6 lbs) 【各コンポーネント内訳】 1x M225A1 Lightweight Cannon (軽量砲身): 5.90 kg (13 lbs) 1x M170A1 Bipod (チタン・アルミ製バイポット): 5.81 kg (12.8 lbs) 1x M7A1 Lightweight Baseplate (通常時用軽量ベースプレート): 4.17 kg (9.2 lbs) 1x M8 Baseplate (手持ち時用小型ベースプレート): 1.68 kg (3.7 lbs) 1x M67 Sight Unit (標準照準器ユニット): 1.32 kg (2.9 lbs) |
| Rate of Fire (発射速度): | 最大発射速度:毎分 16発 (最初の1分間) 持続発射速度:毎分 4発 (連続射撃時) |
| Elevation & Traverse (射角・旋回角): | 仰角(射角):+45度 〜 +85度 (ミリラジアン換算:800 mils 〜 1,511 mils) 左右旋回角:左右各 5.1度 (二脚の固定位置を動かさずにギヤ駆動で微調整できる左右合計幅。底板を中心とした二脚の踏み直しにより全周囲360度への投射に対応。車載型CARDOM等の自動旋回派生システムでは、車内から電動駆動で全周囲360度の連続旋回が可能) |
| Effective Range (射程): | 最小射程:200 m (推進チャージ最小時) 最大射程:7,240 m (7.24 km ※通常通常弾薬の最大推進チャージ時。GPS誘導精密砲弾(XM395 APMI)や長射程対応弾薬を使用した場合は最大8km〜10kmに達する) |
| Ammunition & Feed (使用弾薬/装填方式): | 使用弾薬:M933/M934シリーズ「高爆発弾(HE)」、M929「発煙弾(白リン)」、XM930/XM983シリーズ「照明弾/赤外線(IR)照明弾」、XM931「演習弾(TP)」、XM395「GPS誘導精密砲弾(APMI)」※これらはすべてスピン安定ではなくフィン(翼)安定式弾薬 装填方式:手動砲口装填(装填手が砲口から手動で弾薬を落とし込む方式。M303サブキャリバー・インサート(副砲身)を装着することで、81mm迫撃砲弾を射撃する演習・訓練にも対応する) |








