RG-33 / RG-33L

RG-33 / RG-33L
アメリカ陸軍のRG-33L

概要と開発の背景

RG-33(4×4型)および長車体型のRG-33L(6×6型)は、2006年に南アフリカ起源の技術を元にBAE Systems(BAE Systems Land Systems South AfricaおよびBAE Systems Land & Armaments)が開発し、2007年よりアメリカ陸軍やアメリカ海兵隊へ導入された装輪式地雷耐性防護車両(MRAP)である。開発の背景には、イラク戦争やアフガニスタン紛争において、路傍に仕掛けられた即席爆発装置(IED)や対戦車地雷による攻撃が激化し、従来のHMMWV(ハンヴィー)などの軽装甲車両では乗員の安全確保が困難になった事情が存在する。米軍は緊急要求としてMRAPプログラムを開始し、前世代機であるRG-31 Nyalaの成果を基盤としつつ、車内空間の拡大、防護力および走破性能の大幅な向上を目指した次世代の防護アセットとして開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、爆風エネルギーを外側へ逃がすV字型車体底面(V-hull)構造をスチール製モノコック車体に標準導入し、衝撃吸収座席と組み合わせることで地雷や爆風に対する高い抗耐性を確立した点にある。前世代のRG-31と比較して全高や車幅が拡張されており、4×4仕様のRG-33(Category I)と、車体を延長して6輪化した6×6仕様のRG-33L(Category II)の2軸で展開された。後部乗降口には急速昇降が可能な油圧式大型ランプドアを備え、緊急時の歩兵乗降を容易にしている。車体上部には防護用セラミック装甲や防弾ガラスが多用され、自衛兵装としてM153 CROWS IIなどの遠隔操作式兵器ステーション(RWS)を搭載できる。パワートレインには400馬力を発揮するCummins ISLターボディーゼルエンジンとAllison自動変速機が組み合わされ、大重量でありながら安定した機動性を保持する。

運用実績と評価

2007年の制式採用以降、アメリカ陸軍、アメリカ海兵隊、アメリカ特殊作戦軍(SOCOM)へ数千両規模で配備された。イラクおよびアフガニスタンでの実戦運用において、路上での爆風や襲撃に対し高い乗員防護性能を示し、部隊の生存性向上に直接貢献した。6×6型のRG-33Lは広い車内容積を活かし、爆発物処理(EOD)車、装甲救急車(HAPE)、移動指揮車など多角的な派生型へ展開された。前級のRG-31や他社製MRAPと比較して車内視界と作業居住性に優れる点が評価された。米軍での大規模運用を経た後も、改修型が継続して活用されているほか、クロアチアやブルンジなど世界各国の安全保障機関へも調達・供与された。現在においても、危険地域における歩兵輸送や爆発物処理支援を担う信頼性の高い重装甲アセットとして運用が続けられている。

Official Name (正式名称)RG-33 / RG-33L
Country of Origin (開発国)南アフリカ共和国 / アメリカ合衆国
基本設計は南アフリカのBAE Systems Land Systems South Africaによるものであるが、米軍のMRAP要件を満たすため、米国内のBAE Systems Land & Armaments社によって電子戦・通信システムやサスペンション、エンジンおよび追加装甲が大幅に再設計・現地製造された
Manufacturer (製造メーカー)BAE Systems Land & Armaments
Designed (設計年)アメリカ国防総省の緊急調達要求に基づき2006年に設計開発が行われ、2007年1月にアメリカ海兵隊から最初の量産契約を獲得して同年に引き渡しが開始された後、2007年後半にイラクやアフガニスタンなどの実戦地域へ直接投入されたことで公式に運用を開始
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(戦闘工兵旅団、中型地雷防護車両(MMPV)プログラム部隊)、アメリカ海兵隊(各海兵遠征軍(MEF)所属の歩兵・爆発物処理(EOD)大隊)、アメリカ空軍(基地警備隊)、および統合特殊作戦コマンド(SOCOM)にて、特殊作戦仕様「RG-33 SOCOM」、中空増加装甲付き「RG-33L PLUS」、重装甲救急車仕様「RG-33L HAGA」などを含む数千両規模を最前線の主力装甲巡鑼・多目的アセットとして大量現役運用中
エジプト:エジプト陸軍(砂漠地帯やシナイ半島に展開する反テロ・治安維持主力機械化旅団など)にて、米国からの大規模なEDA供与プログラムに基づき、標準戦闘型の「RG-33L」を約360両、および野戦救急車バリエーションの「RG-33L HAGA」を89両導入し、合計400両を大きく超える大規模フリートを戦術主力MRAPアセットとして現役運用中
クロアチア:クロアチア陸軍(国際平和維持活動派遣部隊、および本国即応・衛生後送部隊)にて、米国政府から引き渡された計20両の6×6輪重装甲地上救急車仕様である「RG-33L HAGA(Heavy Armored Ground Ambulance)」を、前線での負傷者高防護搬送・医療支援の中核アセットとして現役運用中
ジブチ:ジブチ陸軍(国境警備部隊、およびアフリカ連合平和維持活動(ATMIS)等への派遣機械化部隊)にて、米国政府からの防衛援助(EDA)プログラムを通じて公式移管された計10両の「RG-33」実車を、過酷な砂漠地形における耐地雷パトロールおよび戦術移動アセットとして現役運用中
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)RG-33 (4×4仕様): 2名 (操縦手、車長) + 兵員輸送数: 6名 (最大収容人数:8名)
RG-33L (6×6仕様): 2名 (操縦手、車長) + 兵員輸送数: 12名 (最大収容人数:14名) ※重装甲地上救急車(HAGA)仕様などの構成により車内収容数は変動
Combat Weight (戦闘重量)RG-33 (4×4仕様): 17,237 kg (17.24 t / 38,000 lbs ※最大総重量基準)
RG-33L (6×6仕様): 26,308 kg (26.31 t / 58,000 lbs ※各種バリエーションや追加のPLUS増加装甲パッケージ、装備品を含んだ最大総重量(GVW)基準、バージョンにより26 t〜37 tに達する)
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)RG-33 (4×4仕様): W: 2,438 mm (2.44 m / 96 in) / L: 6,731 mm (6.73 m / 265 in) / D: 3,454 mm (3.45 m / 136 in ※輸送時等には全高を低減させることが可能。主砲身はないため全長は車体長に等しい)
RG-33L (6×6仕様): W: 2,438 mm (2.44 m / 96 in) / L: 8,585 mm (8.59 m / 338 in) / D: 3,454 mm (3.45 m / 136 in)
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)High-hard steel structure monocoque hull with V-shaped base design, TRAPP transparent armor, and modular add-on armor kits (高硬度鋼板の全溶接モノコック構造車体に加え、爆風を外側へ受け流す伝統的なV字型ハル底面設計を採用。また、優れた視界を確保するTRAPP防弾ガラス、および脅威の進化に応じて現地でボルト留め換装可能なモジュラー式追加装甲キット(PLUS装甲)を統合) ※中口径・小口径銃弾の多方向からの直撃を完全に防ぎ、車体底面での強力な対戦車地雷や即席爆発装置(IED)の炸裂に対して最高レベルの乗員生存性を保証する。
Main Armament (主武装)なし
Secondary Armament (副武装)運用国・任務に応じて車体天面のコモン・ウェポンリング(Common Weapon Ring)に以下のいずれか1つをマウント
1x 12.7 mm M2HB heavy machine gun (手動式のOGPK装甲銃塔(GPK)、またはM153 CROWS等の遠隔武器ステーション(RCWS)にマウント)
1x 7.62 mm M240 machine gun
1x 40 mm Mk 19 automatic grenade launcher
Engine (エンジン出力 hp/kW)Cummins 400 I6 (or 450hp upgraded version) 6-cylinder inline turbocharged liquid-cooled diesel engine (カミンズ社製 400馬力(または機動性向上のため450馬力へ完全強化された改良型パワーパック)直列6気筒ターボチャージドディーゼル。出力: 400 hp (298 kW) 〜 450 hp (336 kW) ※高度なデジタル通信(C4I)システムや対IED電子戦妨害装置(CREW)を安定駆動させる大容量発電システム、およびAllison 3200シリーズ6速オートマチックトランスミッションと結合)
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)RG-33 (4×4仕様): Paved (整地): 109 km/h (68 mph) / Unpaved (不整地): 約 40 km/h 〜 50 km/h
RG-33L (6×6仕様): Paved (整地): 108 km/h (67 mph) / Unpaved (不整地): 約 35 km/h 〜 45 km/h
Operational Range (航続距離)500 km 〜 600 km (※80ガロン(303リットル)の標準大容量燃料タンクを搭載し、オンロード巡航速度時の公称航続距離。搭載ペイロードや不整地走行の頻度により変動する)

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By U.S. Navy Petty Officer 2nd Class Molly A. Burgess – This image was released by the United States Navy with the ID 070824-N-2855B-120 (next).This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing.العربية ∙ বাংলা ∙Bahaso Jambi ∙Deutsch ∙ Deutsch (Sie-Form) ∙ English ∙ español ∙ euskara ∙ فارسی ∙ français ∙ italiano ∙ 日本語 ∙ 한국어 ∙ македонски ∙ മലയാളം ∙ Plattdüütsch ∙ Nederlands ∙ polski ∙ پښتو ∙ português ∙ русский ∙ slovenščina ∙ svenska ∙ Türkçe ∙ українська ∙ 简体中文 ∙ 繁體中文 ∙ +/−photo essay http://www.defense.gov/photoessays/photoessayss.aspx?id=416, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=21473129

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