
概要と開発の背景
やまぎり型練習艦は、1980年代末に日本の防衛庁(現・防衛省)および三井造船株式会社(現:三菱重工業玉野艦船工場)、石川島播磨重工業株式会社(現:株式会社IHI)によって開発・建造され、2004年(平成16年)より順次種別変更・導入された海上自衛隊の練習艦(TV)である。本型はもともと、昭和50年代末から昭和60年代にかけて汎用護衛艦(DD)の主力として整備された「あさぎり型」の初期建造艦(1番艦あさぎり、2番艦やまぎり)である。平成期に入り、昭和期に整備された旧式練習艦(「かとり」等)の退役や自衛艦隊の近代化に伴い、初任幹部自衛官に対する高度で実践的な洋上教育訓練・遠洋航海へのニーズが高まった。これを受け、2004年に2番艦「やまぎり(TV-3515)」、2005年に1番艦「あさぎり(TV-3516)」が練習艦へ種別変更された。その後、両艦は周辺海域の警戒監視態勢強化に伴い一度護衛艦籍へ復帰したが、2025年(令和7年)3月に練習艦「はたかぜ」の除籍に伴い「やまぎり」が再度練習艦へ種別変更され、幹部教育の中核アセットとして再投入された。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、前級にあたる「はつゆき型」護衛艦(基準排水量2,950トン)の基本構造を踏襲しつつ、基準排水量を3,500トンへと拡大し、船体構造(特に上部構造物)の素材をアルミニウム合金から全鋼製へと変更することで耐火性および防堪性を大幅に向上させた点にある。推進機関にはオール・ガスタービン(COGAG)方式を採用し、Rolls-Royce plcが開発し川崎重工業がライセンス生産する「Spey SM1A」ガスタービン4基を搭載し、30ノットの高速巡航性能を維持している。兵装面ではOto Melara社製62口径76mm単装速射砲をはじめ、シースパロー短SAM用8連装発射機(Mk 29)、アスロック8連装発射機(74式)、ハープーンSSM 4連装発射筒2基、CIWS 2基、3連装短魚雷発射管2基という護衛艦時代の強力かつ多角的なフル兵装をそのまま保持している。練習艦への改装においては、後部格納庫スペースなどを実習員用講堂や居住区画へ改修し、女性自衛官の乗艦に対応した専用区画やロービジ(低視認性)塗装、最新の通信システムが完備されている。
運用実績と評価
2004年3月に2番艦「やまぎり」が初代練習艦(TV-3515)として配備されて以降、練習艦隊の主力として多数の近海・遠洋練習航海に従事した。2011年の護衛艦籍(DD-152)復帰期には、第11護衛隊等に所属して日本周辺海域の常時警戒監視や日米共同演習に従事し、2016年には海上自衛隊初となる女性護衛艦艦長が着任した歴史的実績を持つ。そして2025年3月17日、練習艦「はたかぜ」の除籍に伴い「やまぎり」が再度練習艦に種別変更され、呉の第1練習隊へと編入された。実際の部隊運用においては、実用護衛艦ならではの多彩なセンサーと実兵装を備えていることから、極めて実践的で質の高い幹部教育が可能である点が具体的に高く評価されている。2026年の遠洋練習航海においても練習艦「かしま」とともに派遣され、ニューヨーク沖での日NATO共同訓練や多国間親善訓練へ参加するなど、現代の海上自衛隊における幹部育成と国際海洋外交の現場で極めて重要な立ち位置を占めている。
| Official Name (正式名称) | やまぎり型練習艦(あさぎり型) / Yamagiri-class training ship |
| Country of Origin (開発国) | 日本 |
| Manufacturer (製造メーカー) | 三井造船 玉野事業所(やまぎり)、石川島播磨重工業 東京第一工場(あさぎり) |
| Designed (設計年) | 五六中業中の昭和58年度(1983年度)計画から昭和61年度(1986年度)計画にかけて基本設計および予算化が行われ、護衛艦(DD)として1番艦「あさぎり」が1988年3月17日、2番艦「やまぎり」が1989年1月25日に竣工・就役し、運用が開始 その後、艦齢等による種別変更に伴い、2番艦「やまぎり」が2004年3月18日に本型初の練習艦として運用を開始(のちに護衛艦籍へ復帰、2025年3月17日に再び練習艦へ種別変更)した |
| Primary Operators (主な運用組織) | 日本: 海上自衛隊(練習艦隊第1練習隊等において、実習幹部の教育および訓練用アセットとして「やまぎり(TV-3515)」などを配備し現役運用中) |
| Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量 | 基準排水量:3,500 t 、満載排水量:非公開(旧護衛艦時代の公表値は4,900 t) |
| Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水 | (全長) 137 m × 幅(最大幅) 14.6 m × 喫水 4.4 m(深さ 8.8 m) |
| Propulsion (機関): | ガスタービン推進方式(COGAG方式)、ガスタービン4基2軸推進、総出力:54,000 PS |
| Speed (速力): | 30 kt(約56 km/h) |
| Range (航続距離): | 非公開 |
| Complement (乗員数): | 約220人(※実習幹部等を含む総定員) |
| Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー): | 対空捜索レーダー:型式非公開 対水上捜索レーダー:型式非公開 射撃指揮装置:型式非公開 |
| Armament (兵装): | 艦砲:1x 62口径76ミリ速射砲 CIWS:2x 高性能20ミリ機関砲 短SAM(対空ミサイル):短SAM装置一式(シースパロー) SSM(対艦ミサイル):SSM装置一式(ハープーン) SUM(対潜ミサイル):アスロック装置一式 魚雷:2x 3連装短魚雷発射管 |
| Aircraft Carried (艦載機)、 Carrying capacity(積載能力): | 搭載機数:哨戒ヘリコプター 1機、実習航海時は定数・運用状況により異なる。 ヘリコプター運用能力:艦後部に飛行甲板および格納庫(一部は練習艦移行時に講堂・実習区画へ改修)を備え、ヘリコプターの運用・格納能力を有する。 車両・貨物運搬能力:非装備(実習用の訓練設備、居住区、講堂以外の車両運搬用甲板や貨物倉庫等の積載能力は持たない)。 |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- By Mass Communication Specialist 1st Class Dennis C. Cantrell, U.S. Navy – This image was released by the United States Navy with the ID 060818-N-8157C-228 (next).This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing.العربية ∙ বাংলা ∙Bahaso Jambi ∙Deutsch ∙ Deutsch (Sie-Form) ∙ English ∙ español ∙ euskara ∙ فارسی ∙ français ∙ italiano ∙ 日本語 ∙ 한국어 ∙ македонски ∙ മലയാളം ∙ Plattdüütsch ∙ Nederlands ∙ polski ∙ پښتو ∙ português ∙ русский ∙ slovenščina ∙ svenska ∙ Türkçe ∙ українська ∙ 简体中文 ∙ 繁體中文 ∙ +/−, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6206279



