P-8A Poseidon

P-8A Poseidon

概要と開発の背景

P-8A Poseidonは、2000年代にアメリカ合衆国のBoeingが開発し、アメリカ海軍等に制式採用された双発ジェット多目的海洋哨戒機である。アメリカ海軍では1960年代よりターボプロップ四発機であるP-3C Orionを主力哨戒機として長年運用してきたが、長期運用に伴う機体フレームの疲労蓄積や維持コストの増大、さらに不整地や広域海域での迅速な展開能力の限界が課題となっていた。こうした背景から、アメリカ海軍は次世代の海洋哨戒機獲得を目指す「多目的海洋航空機(MMA)」計画を開始した。同計画において、信頼性の高い民間旅客機Boeing 737-800の基本構造をベースに大規模な軍事用統合改修を行うBoeing案が選定された。2004年に正式な開発契約が締結され、2009年に初飛行を成功させると、2013年より初期作戦能力を獲得してP-3Cの本格的な後継機として展開が始まった

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、世界中で広範に運用されている商業用旅客機Boeing 737-800ERXの機体をベースとしながら、高高度での高速巡航性能と低空での海洋警戒性能を高次元で融合させている点にある。後退角を強めたレイクド・ウイングチップ(主翼端)を採用して空力効率を向上させ、パワートレインにはCFM International製CFM56-7B27ターボファンエンジンを2基搭載している。アビオニクスにはRaytheon製AN/APY-10多機能海洋監視レーダーを機首に組み込み、合成開口(SAR)や逆合成開口(ISAR)モードによる精細な水上・沿岸画像の取得が可能である。機体内部にはオープンアーキテクチャの高度ミッションシステムと最大129基のソノブイ(音響浮標)を積載・自動投下するシステムを備えている。さらに、胴体後部の機内兵装庫(ウェポンベイ)や主翼下のハードポイントに魚雷や対水上誘導弾を装着できる構造を備えている

運用実績と評価

2013年の初期作戦能力獲得以降、アメリカ海軍の各海洋哨戒飛行隊(VP)に急速配備され、既存のP-3Cを順次置き換えた。自国のアメリカ軍だけでなく、オーストラリア空軍、イギリス空軍、ノルウェー空軍、ニュージーランド空軍、大韓民国海軍、ドイツ海軍、カナダ空軍など世界各国の軍事組織で制式採用・運用されている。また、インド海軍では専用派生型であるP-8I Neptuneが主力機として導入されている。広範な太平洋や大西洋、インド洋での哨戒・警戒監視任務をはじめ、広域な捜索救難(SAR)ミッションにも投入され、高高度巡航による現場到着速度の飛躍的向上と高い稼働率が高く評価された。ジェット機化により作戦海域への進出時間が大幅に短縮され、高度なデータリンクを介して他機のF-35やイージス艦とリアルタイムで情報共有を行う現代の統合ネットワーク型海洋安全保障において極めて重宝されている

Official Name (正式名称)P-8A Poseidon
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Boeing
Designed (設計年)2000年代初頭にBoeingによって設計・開発が開始され、試験・評価を経て、2013年にアメリカ海軍で運用が開始
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ海軍(哨戒飛行隊〔VP〕:VP-1、VP-4、VP-5、VP-8、VP-10、VP-16、VP-26、VP-40、VP-45、VP-47 ほか多数)
イギリス:イギリス空軍(第120飛行隊〔No.120 Squadron〕、第201飛行隊〔No.201 Squadron〕)
オーストラリア:オーストラリア空軍(第11飛行隊〔No.11 Squadron〕、第292飛行隊〔No.292 Squadron〕〔訓練〕)
インド:インド海軍(海上哨戒飛行隊)※派生型:P-8I
ノルウェー:ノルウェー空軍(第333飛行隊〔No.333 Squadron〕)
ニュージーランド:ニュージーランド空軍(第5飛行隊〔No.5 Squadron〕)
韓国:大韓民国海軍(海上哨戒部隊)
Crew (乗員)パイロット2名 + TACCO2名 + オペレーター5名
Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高L: 39.47m / W: 37.64m / H: 12.83m
Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量)62,730 kg / 85,820 kg
Powerplant (エンジン):型式、推力2x CFM56-7B27E turbofans (27,300 lbf each)
Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度Mach 0.73 / 907 km/h
Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離)2,222 km (4 hrs on station) / 8,300 km
Service Ceiling (実用上昇限度)41,000 ft(12.496 km)
Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力5x Internal bay / 6x External pylons (Harpoon, Mk 54 Torpedoes)
Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数なし

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. 作者 Balon Greyjoy – 自己的作品,CC0,https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=117663934

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