あきづき型護衛艦 (2代) / Akizuki-class destroyer (Ⅱ)

Akizuki-class
DD-115 あきづき

概要と開発の背景

あきづき型護衛艦(2代)は、2000年代末から2010年代前半にかけて日本の防衛省および三菱重工業株式会社、株式会社IHIによって開発・建造され、2012年(平成24年)より海上自衛隊へ導入された汎用護衛艦(DD)である。海上自衛隊では、弾道ミサイル防衛(BMD)任務に従事するイージス護衛艦が、上空の弾道ミサイル対処に注力する際、自艦および艦隊周辺へ飛来する対艦ミサイルや航空機などの低空脅威から防衛(僚艦防護)する役割が強く求められていた。また、初期に整備された汎用護衛艦「はつゆき型」の老朽化に伴う更新ニーズも存在した。これを受け、前級「たかなみ型」の船体設計をベースに拡大し、高度な多重防空能力を備えた護衛隊群の直衛防空・多用途アセット(計画時名称: 19DD)として開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、前級たかなみ型(基準排水量4,650トン)から5,050トン(2番艦以降は5,100トン)へと艦体を拡大し、上部構造物の傾斜角度を10度へと強めることでステルス性能を大幅に向上させた点にある。推進機関にはCOGAG(ガスタービン複合)方式を採用し、Rolls-Royce plcが開発し川崎重工業がライセンス生産する「Spey SM1C」ガスタービン4基を搭載している。最大の特徴である戦闘システムには、国産の多機能レーダー「FCS-3A」を初搭載した。FCS-3Aは素子に窒化ガリウム(GaN)を採用することで探知距離と出力を大幅に延伸し、Cバンド(捜索用)とXバンド(照準用)の2波長アクティブ・フェイズドアレイ・アンテナを壁面に固定配置している。これにより、Mk 41 VLS(32セル)から射出される発展型シー・スパロー(ESSM)と組み合わせることで、同時に複数の超低空飛来目標に対応する卓越した僚艦防護メカニズムを誇る。

運用実績と評価

2012年3月に1番艦「あきづき(DD-115)」が就役して以降、2014年までに同型艦計4隻(あきづき、てるづき、すずつき、ふゆづき)が順次配備され、4つの護衛隊群(横須賀、佐世保、舞鶴、呉)へ各1隻ずつ配置された。制式採用以降、イージス艦とペアを組む護衛隊群の直衛防空艦として、日米共同演習やソマリア沖・アデン湾での海賊対処行動、中東海域での情報収集活動といった各種洋上任務に従事している。実際の運用においては、FCS-3AとESSMによる高い防空即応性だけでなく、統合ソナーシステム(OQQ-22)や投射型ジャマー・自走式デコイを備えた高度な対潜・対魚雷防御能力が具体的に高く評価された。イージス艦のバックアップおよび汎用護衛艦としての高い多用途性を両立させた評価は極めて高く、後続の対潜強化型「あさひ型」の設計基盤となり、現代の海上自衛隊において最も信頼される基幹アセットとして重要な立ち位置を占めている。

Official Name (正式名称)あきづき型護衛艦 (2代) / Akizuki-class destroyer (Ⅱ)
Country of Origin (開発国)日本
Manufacturer (製造メーカー)三菱重工業 長崎造船所、三井造船 玉野事業所
Designed (設計年)2000年代後半から、前型である「たかなみ型」の設計をベースに、国産の多機能レーダー「FCS-3A」を中核とした高度な対空戦闘システムを搭載し、イージス艦を守る「僚艦防空(LAD)」能力に特化した新型汎用護衛艦(19DD)として設計が進められ、2009年に1番艦の建造を開始
2012年に1番艦「あきづき」が就役し、2014年までに同型艦4隻すべてが就役したことで、防空能力を大幅に強化した新世代の水上戦闘艦としての本格的な運用が開始された護衛艦
Primary Operators (主な運用組織)日本: 海上自衛隊(自衛艦隊 護衛艦隊:第1護衛隊群第5護衛隊に1番艦「あきづき (DD-115)」、第2護衛隊群第2護衛隊に2番艦「てるづき (DD-116)」、第3護衛隊群第3護衛隊に3番艦「すずつき (DD-117)」、第4護衛隊群第8護衛隊に4番艦「ふゆづき (DD-118)」を配備・運用)
Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量基準排水量:5,000 t / 満載排水量:約 6,800 t
Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水L: 150.5 m(全長) × W: 18.3 m(最大幅) × D: 5.3 m(喫水)
Propulsion (機関):COGAG(コンバインド・ガス・ガスタービン・アンド・ガスタービン)方式、4x 川崎重工業 スペイSM1C ガスタービン、2軸推進、出力:64,000 hp
Speed (速力):30 kt(約 56 km/h)
Range (航続距離):約 4,500 nm(マイル)(20 kt 巡航時)
Complement (乗員数):約 200 名
Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー):OYQ-11 艦載情報処理サブシステム(ACDS)
FCS-3A 多機能レーダー(射撃管制用Cバンド+捜索用Xバンド、アクティブ・フェーズドアレイ・レーダー)
OPS-20C 対水上レーダー
OQQ-22 水上艦用ソナーシステム(艦首バウ・ソナーおよび曳航ソナー(OQR-3)を統合)
Armament (兵装):Mk.41 VLS(垂直発射システム):32セル(艦首配備。発展型シースパロー(ESSM)短SAM、および07式垂直発射魚雷(VLA)を混載して装填)
1x 62口径5インチ単装砲(アメリカ・BAEシステムズ社製 Mk.45 Mod 4、日本製鋼所ライセンス生産)
2x 20mm CIWS(高性能20mm機関砲、うち1基はブロック1B基盤の光学・赤外線センサー付き)
2x HOS-303 3連装短魚雷発射管(97式または12式魚雷)
2x 4連装90式SSM(対艦誘導弾)発射筒
Aircraft Carried (艦載機)、
Carrying capacity(積載能力):
搭載機数:定数1機(最大2機)。船体後部にヘリコプター格納庫および着艦拘束装置(新・ベアトラップシステム)を装備。SH-60K哨戒ヘリコプターを1機(緊急時等には最大2機)艦載・運用可能。
車両・貨物運搬能力:専用の貨物・車両格納エリアは非装備。汎用護衛艦としての標準的な自艦用物資・戦闘消耗品の積載能力に留まる。

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By 海上自衛隊, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=88915547

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