General Dynamics Ajax AFV (Armoured Fighting Vehicle)

Ajax

概要と開発の背景

General Dynamics Ajax(ジェネラル・ダイナミクス・エイジャックス)は、2010年代よりイギリスのGeneral Dynamics UKがイギリス陸軍向けに開発し、2020年代より配備が進められている次世代装甲戦闘車両(AFV)ならびに装甲偵察車である。開発の背景には、1970年代よりイギリス陸軍の機甲偵察部隊で主力として長年運用されてきたCVR(T)(戦闘偵察車両・履帯型)シリーズ(FV107 Scimitar等)の老朽化と、デジタル化が進む現代戦における火力・防護力・情報処理能力不足という更新ニーズが存在した。従来の軽量型偵察車は空輸性や機動性に優れる反面、装甲防護力が限定的であり、強力な過圧衝撃や対戦車兵器の脅威に晒される現代の戦場環境に対応しきれなくなっていた。これらを解決し、高度なデジタルセンサー網による即時情報収集能力(ISTAR)と高い生存性、さらには40t級の強靱な装甲を備えた全天候型の装甲偵察・戦闘プラットフォームを獲得すべく、Scout SV計画として開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、オーストリア・スペイン共同開発のASCOD 2装甲戦闘車両のシャーシをベースに先進のデジタル・アーキテクチャを統合し、主要攻撃型(Ajax)にCTA International社製の40mmケースド・テレスコープ(CTAS40)機関砲を搭載している点にある。CTAS40機関砲は弾薬ケース内部に弾頭を完全埋め込み型とした特殊構造を採用しており、従来の同口径機関砲と比較して砲塔内の占有スペースを大幅に削減しつつ、高い初速と貫通効果を実現している。照準・観測機構にはThales UK社製のOrion光学・熱画像センサーシステムを全周統合し、昼夜間を問わず遠距離の敵目標を自動検知・識別して戦術データリンク経由で味方部隊へリアルタイム共有する能力を保持する。防護面においては、Mastiff耐地雷装甲車と同等レベルの車体底面対地雷・IED防護構造とモジュール式複合装甲を採用しており、7軸の走行転輪を備えた懸架装置とMTU製V8ターボディーゼルエンジン(805馬力)により、重量増大に対応した高い全天候走破性を獲得している。

運用実績と評価

2014年の制式発注および2015年の「Ajax」への改称以降、本車輛はイギリス陸軍(深層打撃・偵察旅団および装甲旅団戦闘団)を中心に全589両(うち砲塔付きのAjaxが245両、人員輸送型Aresなどの派生型含む計6タイプ)の制式導入が進められている。実際の導入プロセスにおいては、初期の評価試験段階で車体の騒音や高周波振動に起因する搭乗員の健康影響やシステム不具合が発生し、試運転の一次中断や改良型の改修プログラムが実施されるなど技術的課題の解決に時間を要した。しかし、制振・静音化対策や空気ろ過・電源系統の改良を経た過酷な寒冷地試験や約42,000kmに及ぶ長距離走破試験、および20,000発以上の実弾射撃試験が完遂され、部隊受領と搭乗員訓練が再開された。全自動化された最新の40mm機関砲による高い精密打撃力とデジタルネットワーク連携機能が高く評価されており、イギリス陸軍における地上偵察および装甲機動戦力の中核アセットとして第一線での運用が進められている。

Official Name (正式名称)General Dynamics Ajax AFV (Armoured Fighting Vehicle)
Country of Origin (開発国)イギリス
Manufacturer (製造メーカー)General Dynamics UK (General Dynamics Land Systems–UK)
Designed (設計年)2010年に開発・設計が着手され(2012年12月に初期デザインレビューを完了)、開発遅延や試験中断などを経て2025年11月に初期運用能力(IOC: Initial Operating Capability)達成が宣言されイギリス陸軍での運用が開始された。
Primary Operators (主な運用組織)イギリス:イギリス陸軍(王立装甲軍団/Household Cavalry Regiment、6th Battalion Royal Electrical and Mechanical Engineers (REME)、Armoured Trials and Development Unit (ATDU)、Deep Recce Strike Brigade Combat Team (BCT)、Armoured Brigade Combat Teams等/全589両の配備に向け部隊転換・評価・運用試験を実施中)
Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数)3名 (Commander, Gunner, Driver)
Combat Weight (戦闘重量)約38 tonnes (41.9 short tons) [最大 約42 tonnes (46.3 short tons)]
Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高)L (全長): 7.62 m (25.0 ft)
W (全幅): 3.35 m (11.0 ft)
D (全高): 3.00 m (9.8 ft)
Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無)Modular Composite Armor (モジュール式複合装甲)
STANAG 4569 Level 4 All-Around (全周14.5 mm (0.57 in) 弾・小火器耐性) / 車体底面 STANAG 4569 Level 3 (対地雷・爆弾耐性)
Acoustic Detection System (音響検出システム) & Laser Warning System (LWS) (レーザー警報システム)
Main Armament (主武装)120 mm (4.7 in) L55A1 High-Pressure Smoothbore Cannon (滑腔砲)
Secondary Armament (副武装)Coaxial (同軸機関銃): 7.62 mm L94A1 Chain Gun
RWS (リモート・ウェポン・ステーション): Kongsberg Protector Remote Weapon System (7.62 mm L7 GPMG / 12.7 mm HMG / 40 mm Grenade Machine Gun)
Engine (エンジン出力 hp/kW)MTU Friedrichshafen V8 199 TE21 Turbocharged Diesel Engine (800 hp / 600 kW)
Max Speed (最高速度: 整地/不整地)Paved (整地): 70 km/h (43.5 mph)
Unpaved (不整地): 不明
Operational Range (航続距離)Paved (整地): 約500 km (311 mi)
Unpaved (不整地): 不明

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Airwolfhound from Hertfordshire, UK – Ajax, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=154349931

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