
概要と開発の背景
ROMULUS-25 は、2020年代半ばにアメリカ最大手の造船・防衛技術企業である HII(Huntington Ingalls Industries)と MetalCraft Marine が共同開発し、2026年5月にアメリカ海兵隊へ試作機が納入された27フィート級の高速迎撃型自律無人水上艇(USV)である。開発の背景には、インド太平洋地域をはじめとする島嶼・沿岸領域において、従来の有人艇のみに依存する偵察・哨戒・物流支援に伴う要員の安全リスクや機動性の限界という課題が存在した。アメリカ海兵隊が推進する遠征前進基地作戦(EABO)構想やハイブリッド型有人・無人艦隊の構築において、広大な海洋領域を長航続距離で自律カバーし、各種ミッションモジュールの移送や沿岸監視を低コストかつ即座に担える高速迎撃用無人プラットフォームの獲得ニーズに応える形で本艇が構築された。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、高耐久なアルミニウム合金で形成された 27 フィート(約 8.23 m)の船体に、HII が自社開発した高度な「Odyssey」AI 自律制御スイートを直接統合している点にある。従来の小型無人艇と比較して、艇体規模に対して最大 1,000 ポンド(約 453 kg)のミッションペイロード(各種センサー、通信機器、戦術機材)を移送可能であり、最大 1,000 海里(約 1,852 km)におよぶ広大な作戦行動半径を保持する。自律制御システムには最新の AI アルゴリズムとセンサーアレイが組み込まれ、他船の自動避航、障害物検知、ならびに高精度な自律ウェイポイント航行を完遂する。商用造船プロセスを活用することで量産性とコスト効率を高め、有人艦艇や無人潜水艇(REMUS UUV 等)と連動した領域横断的な情報共有(クロスドメイン統合)を実現するモジュール式オープンアーキテクチャ設計を有する。
運用実績と評価
2026年5月に HII および MetalCraft Marine からアメリカ海兵隊へ最初の試作実証艇が納入された後、同年8月には過酷な環境下での重要運用テスト(DOWテスト)を完了した。実際の評価運用においては、25 ノット(約 46.3 km/h)以上の高速航行性能、長距離進出性能、AI による自律操縦および避航動作、さらには有人・無人チーム(MUM-T)構成下での通信・データ中継機能が実証された。アメリカ海兵隊をはじめとするアメリカ軍の無人水上艇実証プログラムや各種遠征演習において中核アセットとして位置づけられており、有人艇を危険に晒すことなく遠距離での偵察・迎撃を完遂する自律型水上プラットフォームとして高く評価されている。大型モデルである ROMULUS-151 や ROMULUS 190 とともにファミリー化が進められており、次世代の海洋無人艦隊における基幹モデルとして実証・運用の拡充が進められている。
| Official Name (正式名称) | ROMULUS-25 Autonomous Unmanned Surface Vessel (USV) |
| Country of Origin (開発国) | アメリカ合衆国 |
| Manufacturer (製造メーカー) | HII (Huntington Ingalls Industries) / MetalCraft Marine(※共同開発。自律運航ミッションシステムはHII社、ボートハルの建造はMetalCraft Marine社が担当) |
| Designed (設計年) | アメリカ海兵隊向けにHIIとMetalCraft Marineが共同開発した小型自動無人水上艇の試作モデル「ROMULUS-25」は、国防イノベーションユニット(DIU)の契約に基づき2025年12月にプロトタイプ2隻が納品されて洋上試験を完了した実績を持つが、開発プロジェクト全体の具体的な基本設計年は公式に明記されておらず不明、また現時点では試作・テスト評価フェーズにあるため、正式な量産・制式アセットとしての最終的な運用開始年も不明である |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ海兵隊(国防イノベーションユニット[DIU]の小型自律艇プロトタイプ契約に基づき、自律ミッション動作のテスト評価・実証、および将来的な部隊配備に向けた試作アセットとして運用・評価中) |
| Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量 | 不明 |
| Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水 | W (最大幅/全幅):不明 D (喫水):不明 L (全長):8.2 m (27 ft) |
| Propulsion (機関): | 不明 |
| Speed (速力): | 5 kt 以上 (25+ knots) ※ROMULUSフリートとしての共通基本性能仕様 |
| Range (航続距離): | 最大 約 1,000 nm (1,000 nautical miles) |
| Complement (乗員数): | 0名(基本構成は完全自律運航が可能な無人艇) |
| Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー): | None |
| Armament (兵装): | None |
| Aircraft Carried (艦載機)、 Carrying capacity(積載能力): | 最大約 453 kg (1,000 lbs) までの各種ミッションモジュールやペイロードの積載・輸送能力を有する |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
PR:関連商品








