
スウェーデンのヘグランド&サナー社(現BAEシステムズ・ヘグランド)が開発した全地形対応の連結式装軌(キャタピラ)式多目的輸送車両。前部と後部の2つの車体を操舵ジョイントで連結した独自の構造を持ち、すべての履帯が駆動することで接地圧を極限まで低減している。これにより、通常の車両では走破不可能な深い積雪地、泥濘地、沼沢地、岩場などを極めて高い機動性で移動できる。車体には軽量なグラスファイバー強化プラスチック(FRP)が採用されており、完全な水陸両用性能を備え、準備なしで水上を浮航自航することが可能である。標準型で最大17名(前部6名、後部11名)の兵員、または約2,250kgの物資を輸送でき、寒冷地や不整地における西側諸国の標準的な軽輸送アセットとして、世界各国で広く運用されている。
| Official Name (正式名称) | Bandvagn 206 / Bv 206 |
| Country of Origin (開発国) | スウェーデン |
| Manufacturer (製造メーカー) | Hägglund & Söner(現 BAE Systems Hägglunds) |
| Designed (設計年) | 北部の豪雪・泥濘地帯における部隊移動能力を強化するスウェーデン国防軍の要求に基づき1974年に設計開発が開始され、1976年から1978年にかけて3つのロットの試作車による過酷な評価試験を経て、1979年に最初の製造契約が締結されたのち、1980年にスウェーデン防衛装備庁へ量産最初の機体が引き渡されたことで公式に運用を開始 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(第11空挺師団などの北極・寒冷地対応部隊)において、自国制式名「M973 SUSV(Small Unit Support Vehicle)」として、兵員輸送(M973)、救急(M1067)、貨物(M1065)、指揮(M1066)の各ファミリー仕様をアラスカ等の極地・積雪地帯の作戦用として現役運用中 スウェーデン:スウェーデン陸軍(第19高地歩兵連隊(I 19)などの北部作戦管区部隊)にて、基本のグラスファイバー(FRP)仕様「Bv 206」に加え、装甲型派生品「Bv 206S(自国名:Bv 308)」、さらには機動迫撃砲や対空ミサイル(RBS 70 / RBS 90)を架装した戦闘・支援用各種バリアントを大量現役運用中 イギリス:イギリス海軍(王立海兵隊所属の第3海兵旅団、および特殊部隊(SBS)等の全地形ロジスティクスユニット)にて、後継のBvS10(バイキング)の導入を進めつつも、既存のBv 206D(ディーゼルエンジン仕様型)を依然として極地・沿岸用の軽貨物・兵員輸送用として現役運用中 ドイツ:ドイツ連邦陸軍(第23山岳猟兵旅団等の山岳歩兵部隊、および空挺部隊)にて、排気ガス対策等を施した「Bv 206D」仕様車、および自国防空部隊や前線歩兵用に調達された装甲型派生品「Bv 206S(計370台以上)」を現役運用中 フランス:フランス陸軍(第27山地歩兵旅団に所属する各山岳猟兵連隊)にて、後継のVHM(BvS10)を補完する形で、未装甲の基本型Bv 206およびBv 206Dフリートをアルプスなどの高地・豪雪戦域における軽輸送アセットとして現役運用中 オランダ:オランダ王立海軍(オランダ海兵隊所属の各海兵戦闘大隊)にて、極地・水陸両用作戦における軽量ロジスティクスプラットフォームとして、長年維持されているBv 206Dおよび少数の装甲型派生品Bv 206Sを現役運用中 イタリア:イタリア陸軍(アルピーニ(山岳歩兵)旅団所属の各歩兵・連隊ユニット)にて、アルプス山脈等の豪雪・泥濘地帯における戦術・物資供給用として、装甲型派生品「Bv 206S(計180台以上)」を主力現役運用中 スペイン:スペイン陸軍(高地戦・山岳作戦部隊、および第1「アラゴン」山岳大隊等)にて、山岳地帯における歩兵随伴用の機動装甲車として、防弾鋼板を備えた装甲型派生品「Bv 206S」を主力現役運用中 フィンランド:フィンランド陸軍(ジャガー(歩兵)旅団、およびカイヌー旅団などの北部国境防衛部隊)にて、独自の国産類似車両であるSisu Nasu(NA-110/140)と多層リンクさせながら、数百台におよぶBv 206を泥炭地・積雪期の主力輸送アセットとして現役運用中 ノルウェー:ノルウェー陸軍(第6旅団傘下の「フィンマルク国軍土地防衛隊」などの最北部防衛ユニット)にて、過酷な北極圏の冬期作戦における歩兵兵站および機動力を担保するため、大量のBv 206フリートを現役運用中 カナダ:カナダ陸軍(カナダ軍各山岳・極地対応普通科連隊、および各州の主要予備役部隊)にて、国内の豪雪地域や北極圏での巡回・防衛任務(作戦アナコンダ等への投入実績あり)のための主力全地形対応装軌キャリアとして現役運用中 ウクライナ:ウクライナ陸軍、およびウクライナ海軍(第5独立海兵旅団、第141独立機械化旅団等の前線部隊)にて、ドイツ、イギリス、オランダ等の西側諸国から公式に緊急供与された「Bv 206D」および少数の「Bv 206S」を、泥濘期や泥地における最前線の貴重な物資補給・負傷者後送(救急バリアント)用として実戦現役運用中 エストニア:エストニア陸軍(エストニア国防軍第1・第2歩兵旅団)にて、バルト海沿岸の泥濘・軟弱地盤における歩兵支援および物資輸送用として、北欧諸国からの安全保障支援パッケージを介して公式調達された機体フリートを現役運用中 ラトビア:ラトビア陸軍(ラトビア国防軍陸上コンポーネントおよび国家防衛隊)にて、国土の防空・地上ロジスティクス強化を目的として北欧諸国より公式調達されたBv 206Dシリーズを現役運用中 リトアニア:リトアニア陸軍(リトアニア国防軍「鉄の狼」機械化歩兵旅団)にて、NATO東部戦線での相互運用および泥濘地走破用の軽量搬送アセットとして調達された機体を現役運用中 ギリシャ:ギリシャ陸軍(各全地形・山岳対応部隊)にて、一部の不整地拠点および山岳地帯におけるレーダー機材の牽引、または地上通信中継・ロジスティクス補給用として公式導入されたフリートを現役運用中 イスラエル:イスラエル国防軍(第210「バシャン」領土師団傘下のアルピニスト部隊(ヘルモン山山岳部隊))にて、レバノン・シリア国境に近いヘルモン山周辺の冬季豪雪地帯において、兵員・重火器輸送および哨戒をおこなう唯一の装軌式全地形対応キャリアとして現役運用中 アルゼンチン:アルゼンチン海軍(アルゼンチン海兵隊所属の対空・輸送ユニット)にて、極地・南極観測ベースの支援、および南米特有の不整地における海兵歩兵の移動用として調達されたM973(SUSV)型を含む機体を現役運用中 ブラジル:ブラジル海軍(ブラジル海兵隊所属の両用作戦大隊)にて、沿岸の湿地帯や渡河、砂浜における揚陸部隊随伴用の高機動輸送キャリアとして調達されたフリートを現役運用中 チリ:チリ陸軍(第6陸軍師団などの北部砂漠・高地作戦管区部隊)にて、アンデス山脈沿いの国境管理および特殊環境下での戦術輸送用として公式導入された機体を現役運用中 ウルグアイ:ウルグアイ陸軍(歩兵・兵站輸送部門)にて、国際平和維持活動(PKO)や国内の不整地パトロール用として、海外余剰防衛装備品ルートから取得したBv 206を現役運用中 マレーシア:マレーシア陸軍(マレーシア国防軍輸送・ロジスティクス部隊)にて、熱帯雨林や泥濘地、河川が入り組んだジャングル戦域における特殊兵站搬送用として公式調達された機体を現役運用中 シンガポール:シンガポール陸軍(各歩兵・戦闘支援大隊)にて、自国独自の新型連結式装甲車「ブロンコATTC(Bronco)」への完全更新を進めつつも、長年運用されてきた「Bv 206S(装甲型・約300台)」のフリートを、一部の予備役・ロジスティクス部門で引き続き現役運用中 中国(中華人民共和国):中国人民解放軍(北部戦区およびチベット軍区等の寒冷・高地山岳部隊)にて、過去に民間および正規ルートを介して評価調達・リバースエンジニアリング技術蓄積用に導入された少数のBv 206、およびそれをベースに国内カスタム化された同型連結式キャリアを極地輸送用として限定現役運用中 |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 1名 運転手 + 5名(前部車体席) + 後部車体への兵員輸送数:最大 11名(合計最大 17名) |
| Combat Weight (戦闘重量) | 車両単体空車重量(Curb Weight):約 4,330 kg 〜 4,500 kg / 最大戦闘時総重量(GVW:前部車体積載能力 580 kg、後部車体積載能力 1,670 kg、計 2,250 kg の最大積載状態を含む):約 6,580 kg |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | W: 1,870 mm / L: 6,900 mm / D: 2,400 mm |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | 基本仕様はグラスファイバー強化プラスチック(FRP)ボディの未装甲・ソフトスキン車両であり、複合装甲や爆発反応装甲(ERA)は非搭載。ただし、後継派生型である装甲仕様の『Bv 206S』に関しては、防弾鋼板のボディを採用し「STANAG 4569 レベル1」相当の小銃弾・砲弾破片防御能力を保有 |
| Main Armament (主武装) | なし |
| Secondary Armament (副武装) | 標準状態では非搭載。ただし、前部車体上部にリングマウントを後付け装着した一部の軍用戦闘バリエーションにおいては、1x 12.7mm重機関銃または 1x 7.62mm機関銃「Ksp 58」等の自衛対空機銃を運用。ほかに前部車体用の煙幕展開用スモークグレネードランチャー(Smoke Grenade Launchers)や後部車体用の迫撃砲(Mortars)を搭載した特殊支援派生型が存在 |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | 初期型仕様: Ford Cologne 2.8L V型6気筒液冷ガソリンエンジン / 出力:132 hp 〜 136 hp (99 kW 〜 100 kW) 改良・現行型仕様 (Bv 206D / M973等): Mercedes-Benz OM 603.950 3.0L 直列6気筒ターボディーゼルエンジン / 出力:136 hp (100 kW) 装甲型派生品 (Bv 206S): Steyr M1 Monoblock 3.2L 直列6気筒ターボディーゼルエンジン / 出力:177 hp (130 kW) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved (整地):55 km/h(※ガソリン型は最大 55 km/h、ディーゼル型は 50 km/h 〜 52 km/h) / Unpaved (不整地):約 30 km/h(完全な水陸両用性能を備え、水上・浮航自航時は 3.0 km/h 〜 4.7 km/h で推進) |
| Operational Range (航続距離) | 約 300 km 〜 330 km(※燃料タンク容量 160L 基準でのロード走行時仕様) |
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画像の引用元
- By Jorchr – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=79607665






