L129A2 Sharpshooter II

L129A2
演習中の空挺連隊第2大隊(2nd Battalion, The Parachute Regiment:通称2 PARA)兵士

概要と開発の背景

L129A2 Sharpshooter II(L129A2 Designated Marksman Rifle)は、2020年代初頭にアメリカの Lewis Machine & Tool Company(LMT Defense)が開発し、2023年にイギリス国防省(MoD)が精鋭部隊向けに導入した半自動式選抜射手用狙撃銃(Designated Marksman Rifle)である。開発の背景には、2010年以降イギリス軍の歩兵分隊で主力中距離火力として運用されてきた前級 L129A1(7.62×51mm NATO弾仕様)において、800 mを超える長距離交戦時の風による弾道の逸れや、着弾密度の限界が浮き彫りとなった事情が存在した。特にイギリス海兵隊のコマンドー部隊(Royal Marines Commandos)などにおける遠距離精鋭射撃能力の強化を目的として、より弾道特性に優れた6.5mm Creedmoor(6.5×48mm)弾頭を採用し、光学照準器や消音システムまでを含めた包括的な近代化射撃システム(Sharpshooter II 計画)として本型が構築・導入された。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、独自の LMT モノリシック・レール・プラットフォーム(MRP)一体系アッパーレシーバーを踏襲しつつ、ロアレシーバーに完全アンビ(左右両利き対応)操作が可能な MARS-H(Modular Ambidextrous Rifle System – Heavy)構造を統合している点にある。従来の L129A1 から作動機構(ダイレクト・インピンジメント式)を引き継ぎつつ、右側ボルトリリースやアンビレバーを完備することで操作性を大幅に高めている。さらに、長距離での着弾精度向上を図るため、18インチ(約 457 mm)の精密ステンレススチールバレルと LMT AXLE 2ステージトリガーを組み込み、銃床には微小調整可能な LMT .308 DMR バットストックを配置している。標準装備として Leupold Mark 5HD 3.6-18×44 光学照準器(Tremor 3 レティクル)、HUXWRX HX-QD Helix 7.62 低背圧サプレッサー、および Atlas BT46-LW17PSR バイポッドが組み合わされ、射手への排気吹き戻しを抑えつつ 0.5 MOA 級の極めて優れた着弾精度を発揮する設計思想を有する。

運用実績と評価

2023年の制式採用以降、L129A2 Sharpshooter II はイギリス海兵隊(Royal Marines)のコマンドー部隊や精鋭歩兵ユニットへ先行配備され、前線の選抜射手(Designated Marksman)および観測手用アセットとして本格運用が開始された。実際の訓練や実地評価試験においては、従来の 7.62mm NATO 弾を使用する L129A1 や各種半自動ライフルと比較して、6.5mm Creedmoor 弾の優れた空力特性と高いフラット弾道により、800 m から 1,000 m を超える超長距離域においても風の影響を受けにくく、優れた標的捕捉能力と着弾集中性を実証した。また、標準統合された HUXWRX 低背圧サプレッサーにより連続射撃時の顔面へのガス吹き戻しが大幅に低減され、構え直しの迅速化と射手への負担軽減が高く評価された。従来の L129A1 を補完・刷新する次世代の半自動長距離精密射撃システムとして、イギリス軍歩兵・海兵隊の長距離火力の中核を担う存在として位置づけられている。

Official Name (正式名称)L129A2 Sharpshooter II
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Lewis Machine & Tool(LMT Defense)
Designed (設計年)イギリス軍仕様の「L129A2」としての明確な設計年不明、公式な部隊運用開始年は、イギリス海軍の王立海兵隊(ロイヤルマリーンズ)によって初めて制式採用および部隊配備が公表された2023年
Primary Operators (主な運用組織)イギリス:王立海兵隊(コマンドー部隊など)、イギリス陸軍(特殊作戦旅団レンジャー連隊など)(※2023年9月に王立海兵隊へ初めて制式配備が公表された後、2024年〜2025年にかけてイギリス陸軍主力部隊保有の既存L129A1をA2へと改修・移行する防衛調達契約が締結され、前線部隊および特殊作戦部隊での現役運用が進められている)
Type (種類)選抜射手ライフル(Designated Marksman Rifle [DMR] / シャープシューターライフル)
Caliber (口径)6.5×48mm(6.5mm Creedmoor)
Action (作動方式)ガス圧作動方式(ガス・インピンジメント式 / 直接圧力利用式)
Overall Length (全長)不明
Barrel Length (銃身長)457 mm(18 in)
Weight (重量)Leupold製Mark 5HDスコープやHUXWRX製サプレッサーを統合したL129A2パッケージとしての、弾薬を含まない本体空重量は不明
Rate of Fire (発射速度)セミオートマチック
Effective Range (有効射程)1,000 m(1,093 yd)(従来の7.62mm口径モデルよりも向上)
Feed System (給弾方式)20-round detachable box magazine

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. U.S. Army photo by Sgt. Max Elliott / Released via DVIDS (Photo ID: 9672653) – https://www.dvidshub.net/image/9672653/2nd-cavalry-regiment-uk-parachute-regiment-conduct-training-operations-during-project-flytrap

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