H&K G28

H&K G28

概要と開発の背景

H&K G28は、2010年代初頭にドイツのHeckler & Kochが開発し、2011年にドイツ連邦軍へ制式採用された7.62×51mm NATO弾を使用する半自動選抜射手用ライフル(DMR)である。2000年代後半のアフガニスタン派遣等において、従来の5.56mm小銃(G36等)では600mを超える遠距離での射撃精度や威力が不十分であり、老朽化したG3小銃の派生型では最新の照準装備や軽量性に限界がある点が課題となった。歩兵班に追従し、中・遠距離の目標に対して高精度な火力を速やかに提供できる新たな選抜射手用火器の獲得要請に伴い、Heckler & Koch社が自社のMR308(HK417の民間競技用モデル)をベースに軍用性能を高める改修を行い、「G28」として開発・導入が決定した。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、民間用の高精度競技用メカニズムを基礎としながら、過酷な環境下での動作信頼性と100m射撃時に1.5 MOA以内(散開幅45mm以下)という極めて再現性の高い集弾性能を両立している点にある。作動方式には信頼性の高いショートストローク・ガスピストン方式と回転ボルト閉鎖機構を採用し、サプレッサー装着時の動作を安定させる2段階調整式ガスレギュレーターを備える。本体には迷彩効果の高いRAL-8000(グリーンブラウン)カラーが施され、STANAG 4694レールを標準装備する。照準系にはSchmidt & Bender製PM II 3-20×50光学スコープに加え、100m未満の近接に対応するためAimpoint Micro T1ドットサイトを上面に複合配置する工夫がなされている。さらに、短銃身ハンドガードや1-8倍スコープに換装することで約1.6kg以上軽量化する「Patrol」仕様へ可換なモジュラー構造を有する。

運用実績と評価

2011年の制式採用以降、ドイツ連邦軍の派遣部隊や歩兵部隊へ優先的に配備され、アフガニスタンでの作戦活動等で実践的に運用された。また、本機をベースとした改修型(G28E)はアメリカ陸軍の新型選抜射手ライフル選定において採用を獲得し、「M110A1 CSASS / SDMR」として米軍へ大規模導入される実績を残した。実際の訓練や実戦においては、従来のG3ベース機と比較して夜間照準器やサーマルサイトとの高度な親和性、600mから800mの遠距離領域における確実な命中精度、近接領域へ即座にアプローチできる複合照準システムが具体的に高く評価された。ボルトアクション式狙撃銃に匹敵する精度と自動火器の連射即応性を兼ね備えた現代型DMRの代表格として確固たる立ち位置を占めている。

Official Name (正式名称)H&K G28
Country of Origin (開発国)ドイツ
Manufacturer (製造メーカー)Heckler & Koch
Designed (設計年)ドイツのHeckler & Kochによって2000年代後半に開発され、2011年頃からドイツ連邦軍で運用が開始された選抜射手ライフルである。改良型のHK G28E、HK G28E2、HK G28E3は2010年代に開発され、特殊部隊や輸出向け仕様として順次運用が開始
Primary Operators (主な運用組織)ドイツ:ドイツ陸軍(基本型の「G28E2(Standard)」および軽量型の「G28E3(Patrol)」を分隊選抜射手用・狙撃用に運用)、ドイツ連邦警察局(BPOL:仕様違いの「DMR762」を法執行機関用として運用)
アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(G28Eをベースに独自の要求に合わせて軽量・コンパクト化やM-LOKハンドガードへの変更などを施した派生品「M110A1 CSASS / SDMR」を制式採用し、一般部隊から特殊部隊まで広く現役運用)
フランス:フランス陸軍(評価試験を経て「DMR762 / G28」を実戦部隊向けに導入・運用)
スペイン:スペイン陸軍(特殊作戦コマンド[MOE]などの精鋭ユニットにて選抜射手・精密狙撃用に運用)
トルコ:トルコ国家憲兵隊(国家憲兵隊特殊部隊[JÖAK]等において「G28E2」を導入し運用)
日本:陸上自衛隊(従来の対人狙撃銃M24 SWSの後継として「7.62mm対人狙撃銃G28E2」の品名で2023年より調達を開始し、特殊作戦群や普通科などの狙撃ユニットへ配備・運用)
Type (種類)マークスマンライフル
Caliber (口径)7.62x51mm NATO
Action (作動方式)Bolt-action(ボルトアクション方式)
Overall Length (全長)1092mm
Barrel Length (銃身長)610mm
Weight (重量)5.4kg
Rate of Fire (発射速度)ボルトアクション
Effective Range (有効射程)800m
Feed System (給弾方式)5-round magazine

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. Por Allied Joint Force Command Brunssum – DEU Mountain Infantry, San Gregorio, Spain, Trident Juncture 15, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=44829877

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