いずも型護衛艦 / Izumo-class helicopter destroyer

Izumo-class destroyer
DDH-183 いずも

概要と開発の背景

いずも型護衛艦は、2010年代前半に日本の防衛省とジャパン マリンユナイテッド株式会社(横浜事業所 磯子工場)によって開発・建造され、2015年(平成27年)より海上自衛隊へ導入された全通甲板型のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)である。海上自衛隊では、昭和期に導入された「しらね型護衛艦」の老朽化に伴う更新ニーズと、周辺海域における静音化潜水艦の増勢に対する広域対潜戦能力の更なる強化が喫緊の課題となっていた。さらに、大規模な自然災害における国際緊急援助活動や被災地支援、離島防衛時の多用途な補給・輸送・医療拠点としての機能拡充が強く求められた。これを受け、前級「ひゅうが型」の運用知見を基盤としつつ、航空運用能力や指揮統制機能、輸送・補給支援能力を飛躍的に拡大させた海上自衛隊史上最大級の護衛艦(計画時名称: 22DDH / 24DDH)として開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、前級ひゅうが型(全長197m、基準排水量13,950トン)を大きく上回る全長248m、基準排水量19,500トンの広大な船体と全通飛行甲板構造にある。左舷側にヘリコプター発着スポット5箇所を配置し、最大5機のヘリコプターを同時に発着艦させることが可能である。昇降機(エレベーター)は、飛行甲板上の機体移動や大型機の運用効率を高めるため、前級の甲板インボード配置から、後部エレベーターを右舷アウトボード(船体外側)配置へと変更された。これにより大型の輸送ヘリコプター(CH-47等)や傾斜ローター機(V-22 オスプレイ)の円滑なエレベーター昇降と格納が実現された。自艦防空兵装をCIWSおよびSeaRAM(近接防空ミサイル)に絞り込み、機関スペースや居住・医療・補給スペースを大幅に確保した設計思想により、洋上での他艦艇への燃料補給(約3,300kL)や多用途な輸送・医療支援メカニズムを兼ね備える。

運用実績と評価

2015年3月に1番艦「いずも(DDH-183)」、2017年3月に2番艦「かが(DDH-184)」が就役し、海上自衛隊の自衛艦隊・護衛艦隊における基幹アセットとして配備された。実際の運用においては、インド太平洋地域への長期派遣訓練(INDO-PACIFIC DEPLOYMENT)や日米豪印共同演習(MALABAR等)での旗艦任務において、圧倒的な指揮統制能力と広域警戒能力を具体的に証明した。さらに、安全保障環境の変化に対応するため、2020年代よりSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)戦闘機「F-35B」の艦上運用を可能にする特別改修(耐熱塗料塗布、飛行甲板前部の四角形化等)が段階的に実施されている。米海兵隊所属のF-35Bによる発着艦試験に成功し、多用途運用母艦としての高い適応性を実証した。多次元での統合防衛力を支える中核艦艇として、現在に至るまで洋上警戒および国際安全保障協力の第一線で運用が続けられている。

Official Name (正式名称)いずも型護衛艦 / Izumo-class helicopter destroyer
Country of Origin (開発国)日本
Manufacturer (製造メーカー)ジャパン マリンユナイテッド(JMU)横浜事業所 磯子工場
Designed (設計年)2000年代後半から「ひゅうが型」を上回る輸送・多用途・航空運用能力を持つ「22DDH(平成22年度計画19,500トン型護衛艦)」として設計が進められ、2012年に建造を開始
2015年に1番艦「いずも」が就役し、2017年に2番艦「かが」が就役したことで、本格的な運用が開始されたヘリコプター搭載護衛艦
Primary Operators (主な運用組織)日本: 海上自衛隊(自衛艦隊 護衛艦隊:第1護衛隊群第1護衛隊に1番艦「いずも」、第4護衛隊群第4護衛隊に2番艦「かが」を配備・運用)
Displacement (排水量):基準排水量 / 満載排水量基準排水量:19,500 t / 満載排水量:約 26,000 t
Dimensions (寸法):全長、最大幅、喫水L: 248 m(全長) × W: 38.0 m(最大幅) × D: 7.5 m(喫水)
Propulsion (機関):COGAG(コンバインド・ガス・ガスタービン・アンド・ガスタービン)方式、4x GE/IHI LM2500IEC ガスタービン、2軸推進、出力:112,000 hp
Speed (速力):30 kt(約 56 km/h)
Range (航続距離):非公表(ひゅうが型を上回る優れた遠洋・長期作戦能力を保持)
Complement (乗員数):約 470 名(司令部要員、長期遠征時の長期滞在要員を含め最大約970名の宿泊が可能)
Sensors and Processing Systems (センサー・レーダー):OYQ-12 対空戦闘指揮統制システム(CDS)
OPS-50 多機能レーダー(Cバンド、4面固定フェーズドアレイ)
OPS-28F(またはOPS-48) 対水上レーダー
OQQ-23 艦首バウ・ソナー(※ひゅうが型と異なり、対潜掃討ではなく自艦防衛用に最適化)
Armament (兵装):2x SeaRAM(近接防空ミサイルシステム:11連装発射機)
2x 20mm CIWS(高性能20mm機関砲:ブロック1B)
※VLS(垂直発射システム)および魚雷発射管は非装備
Aircraft Carried (艦載機)、
Carrying capacity(積載能力):
搭載機数:標準搭載 約14機(SH-60K哨戒ヘリコプター、MCH-101掃海・輸送ヘリコプターなど)、最大積載能力は約28機。同時離着陸:5機(スポット数:5基)。また、固定翼のF-35Bステルス戦闘機(最大10〜12機程度)を運用するための空母化改修が進行中。
車両・貨物運搬能力:陸上自衛隊の3 1/2tトラック約50台、および人員約400名の輸送能力を標準装備。Ro-Ro機能を備え、サイドランプから車両を直接格納庫・甲板へ進入・積載可能。

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. By Kaijō Jieitai (海上自衛隊 / Japan Maritime Self-Defense Force) – The Ministry of Defense of Japan, (日本防衛省)https://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/izumo/183.html, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=91866482

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