M24 SWS / M24A2/A3

M24SWS

概要と開発の背景

M24 SWS(Sniper Weapon System)は、1980年代後半にアメリカのRemington Arms(レミントン・アームズ)社が開発し、1988年にアメリカ陸軍へ制式採用されたボルトアクション式狙撃銃システムである。1960年代から運用されていたM21狙撃銃(自動小銃M14の狙撃改修型)は、木製ストックの収縮や狂い、半自動機構に起因する作動精度の低下、過酷な野外環境における耐久性不足が課題となっていた。アメリカ陸軍は、天候変化に強く高い集弾精度を長期間維持できる専用狙撃火器の獲得を決定した。将来的な.300 Winchester Magnum弾等への大口径化変更も見据え、Remington社製のM700ライフル(ロングアクション機関部)をベースに採用し、銃本体に光学照準器、二脚、ハードケース等のアタッチメント群を一括統合したシステムとして開発がスタートした。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、高精度な416Rステンレス鋼製ハンマー鍛造フリーフローティング・バレルと、内部にアルミニウム製シャーシ(ベディングブロック)を内蔵したH-S Precision社製グラスファイバー複合樹脂ストックを組み合わせている点にある。これにより、過酷な温湿度環境下でも銃身に余計な応力がかからず、極めて高い射撃精度と耐久性を保持する設計上の工夫がなされている。作動方式には作動信頼性の高いボルトアクション方式を採用し、基本型(M24)では5発の固定式インナーボックスマガジンを備える。改修型のM24A2では、H-S Precision社製アジャスタブル・ストックと10発着脱式ボックスマガジン、夜間照準器対応のMARS(Modular Accessory Rail System)レール、サプレッサー装着機能が追加された。さらにM24A3では、より長距離での精度向上を狙い.338 Lapua Magnum弾への適応と27インチ長銃身構造が導入されている。

運用実績と評価

1988年の制式化以降、アメリカ陸軍や空軍をはじめ、日本の陸上自衛隊(「対人狙撃銃」として2002年よりFMS調達)など世界各国の軍・警察組織で広く導入された。湾岸戦争やイラク戦争、アフガニスタン紛争での実戦配備において、800mを超える遠距離射撃における極めて優れた命中精度と高い作戦稼働率が具体的に高く評価された。日本の陸上自衛隊においても普通科連隊の狙撃班や特殊作戦群へ配備され、富士総合火力演習等で500m先の標的を正確に射撃する能力が実証されたほか、近年では改修型であるM24A2の配備も確認されている。イラク戦などの市街戦では速射性に優れる半自動式のM110 SASS等との分業が進められ、さらに後継としてM2010やMk 22 ASR等への世代交代が展開されているものの、シンプルで強固なボルトアクション狙撃火器の象徴として不動の評価と実績を確立している。

Official Name (正式名称)M24 SWS / M24A2/A3
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)Remington Arms
Designed (設計年)アメリカのRemington Armsによって1980年代に開発され、1988年にアメリカ陸軍で制式採用・運用開始された狙撃銃である。改良型のM24A2およびM24A3は2000年代に開発され、2000年代中盤から特殊部隊や狙撃部隊で運用が開始された。
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ陸軍、75th Ranger Regiment、101st Airborne Division、82nd Airborne Division、アメリカ陸軍特殊部隊グリーンベレー(M24 SWS、M24A2、M24A3)、アメリカ空軍(警備隊)
日本:陸上自衛隊、特殊作戦群(M24 SWS)
韓国:大韓民国陸軍特殊戦司令部(M24 SWS)
フィリピン:フィリピン陸軍、Scout Rangers、特殊作戦軍(M24 SWS)
タイ:タイ王国陸軍特殊部隊(M24 SWS)
台湾:中華民国陸軍(M24 SWS)
インドネシア:Kopassus(M24 SWS)
インド:インド陸軍特殊部隊 Para SF(M24 SWS)
イラク:イラク陸軍、イラク対テロ部隊 ICTS(供与M24 SWS)
アフガニスタン:アフガニスタン国軍、特殊治安部隊(旧政権時代)(供与M24 SWS)
アフガニスタン:タリバン(鹵獲M24 SWS)
ウクライナ:ウクライナ陸軍、ウクライナ特殊作戦軍(供与M24 SWS)
ポーランド:JW GROM(M24 SWS)
リトアニア:リトアニア軍特殊作戦部隊(M24 SWS)
オーストラリア:SASR(M24A2)
カナダ:JTF2(M24A3)
フランス:COSの一部運用例(M24A2)
ドイツ:KSKの一部運用例(M24A2)
ノルウェー:Forsvarets Spesialkommando(M24A2)
メキシコ:メキシコ海軍特殊部隊 FES(M24 SWS)
コロンビア:コロンビア陸軍特殊部隊(M24 SWS)
ブラジル:ブラジル特殊作戦部隊(M24 SWS)
サウジアラビア:サウジアラビア特殊部隊(M24 SWS)
アラブ首長国連邦:UAE Presidential Guard(M24A2)
イギリス:イギリス陸軍SAS共同訓練運用例(M24A2)
Type (種類)スナイパーライフル
Caliber (口径)7.62x51mm NATO
Action (作動方式)Bolt-action(ボルトアクション方式)
Overall Length (全長)1092mm
Barrel Length (銃身長)610mm
Weight (重量)5.4kg
Rate of Fire (発射速度)ボルトアクション
Effective Range (有効射程)800m
Feed System (給弾方式)5-round magazine

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. DoD photo by Sgt. Jeremiah Johnson, U.S. Army. (Released) – http://www.defense.gov/photos/newsphoto.aspx?newsphotoid=5773, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2267666による

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