



陸上自衛隊において人員や物資の輸送を主任務として広く運用されていた汎用中型輸送車両。1973年に制式化され、設計および製造を日野自動車が担当し(納入はトヨタ自動車)、防衛庁(当時)に納入された。前席2名、後席16名の計18名が乗車可能であり、荷台に幌を装着した状態での人員輸送や、幌を外した物資輸送など、自衛隊の様々な任務や災害派遣において「1t半(いっとんはん)」や「キャリア」の愛称で親しまれ、主力トラックとして活躍した。フロントサスペンションにはリジッドアクスル(車軸懸架)を採用し、変速機は5速マニュアルトランスミッションを搭載したパートタイム4WD仕様であった。運転台は、中央にエンジンカバーが大きく張り出した構造となっており、パワーステアリングは後期の改良型から装備されるようになった。マニュアル車特有の操作性から、隊員間では「じゃじゃ馬」と称されることもあったとされる。後年、高機動車のコンポーネントを流用した「新型」へと生産が移行し、エアコンやオートマチックトランスミッション、独立懸架サスペンションが採用されて定員が19名に増えるなど近代化が図られたが、この頑強な旧型車両も老朽化や過酷な使用環境、さらには近年の排出ガス規制などの対応が難しいため、2000年代を通じて段階的に数を減らし2010年代前半頃までの長きにわたり国防や災害派遣の屋台骨を支え続けた。
概要と開発の背景
(旧)1 1/2tトラック(73式中型トラック)は、1970年代前半に日本の防衛庁(当時)の要求のもと、日野自動車(Hino Motors, Ltd.)とトヨタ自動車(Toyota Motor Corporation)の共同開発により、1973年(昭和48年)に自衛隊へ制式採用された中型汎用四輪駆動トラックである。1950年代から運用されていたアメリカ製ダッジWCシリーズおよびそれをベースとする前級「3/4tトラック」は、長年の運用による老朽化やガソリンエンジンに起因する航続距離の制限、不整地における貨物積載能力の不足が課題となっていた。自衛隊の野戦輸送体系における燃料体系の共通化(ディーゼル化)および長距離自走能力の向上が強く求められた。また、荷台長を確保しつつ小回りの利く車体寸法を実現するため、従来のボンネット型から高効率なキャブオーバー構造への転換を図り、中型物資・兵員輸送の中核を担う新型車両として開発がスタートした。
構造と技術的特徴
構造上の最大の特徴は、キャブオーバー型の堅牢なスチール製ラダーフレームに、日野製の直列4気筒ディーゼルエンジン「DQ100」(排気量4.3L、100馬力〜105馬力級)とパートタイム4輪駆動(4WD)システムを組み合わせている点にある。キャブオーバー(運転台下にエンジンを配置)設計を採用した構造上の配慮により、全長約5.36mのコンパクトな車体サイズでありながら後部荷台長を広大に確保し、乗員2名に加え後部荷台に完全装備の隊員16名または約2,000kgの物資を輸送可能とした。トランスミッションには5速マニュアルトランスミッションと高低2速の副変速機が組み合わされ、泥濘地や傾斜地などの過酷な不整地においても優れた粘り強い走破力を発揮する。足回りには高剛性リーフリジッド(車軸懸架)サスペンションと大径オフロードタイヤを採用し、タフな耐荷重構造と悪路順応性を両立している。
運用実績と評価
1973年の制式配備以降、1990年代半ばに高機動車シャーシを流用した「新型1 1/2tトラック」へ生産が移行するまで、陸上自衛隊を中心に全国の普通科・特科・施設科などのあらゆる部隊へ基幹輸送車両として大量に導入・運用された。演習や野外訓練においては、過酷なフィールドでもトラブルを起こしにくいシンプルな機械式構造と高い悪路走破性が具体的に高く評価され、隊員からは「1t半(いっとんはん)」や「キャリア」、「ジャジャ馬」などの通称で長年親しまれた。単なる兵員・物資輸送にとどまらず、1 1/2t救急車、通信器材を搭載した野外通信車、対空レーダー車など多種多様な派生型のベース車体として活用された。2003年以降は「1 1/2tトラック」へ名称変更されたが、新型1 1/2tトラックの導入に伴い、老朽化や過酷な使用環境、さらには近年の排出ガス規制などの対応が難しいため、2000年代を通じて段階的に数を減らし2010年代前半頃までの長きにわたり国防や災害派遣の屋台骨を支え続けた。
| Official Name (正式名称) | (旧)1 1/2tトラック(73式中型トラック)/ Type 73 medium truck 1st gen. |
| Country of Origin (開発国) | 日本 |
| Manufacturer (製造メーカー) | トヨタ自動車と日野自動車の共同開発(製造は日野、納入はトヨタ) |
| Designed (設計年) | 日本で1970年代初頭に開発が進められ、1973年頃から陸上自衛隊で運用が開始された中型軍用トラック |
| Primary Operators (主な運用組織) | 日本:陸上自衛隊(普通科連隊、特科部隊、施設科部隊、通信科部隊、補給処、方面輸送隊など/幌付輸送型、通信器材車型、燃料輸送型、作業車型など ※現在は全車退役済み) |
| Crew / Capacity (乗員および兵員輸送数) | 2名 (前席) + 16名 (後部荷台・兵員輸送時) |
| Combat Weight (戦闘重量) | 車両重量:約3,200 kg (約7,055 lbs) (最大積載量:約2,000 kg / 約4,409 lbs) |
| Dimensions (寸法: 全長/全幅/全高) | W: 2.09 m (約6.86 ft) L: 5.36 m (約17.59 ft) H: 2.49 m (約8.17 ft) |
| Armor (装甲の詳細: 複合装甲、ERA、APSの有無) | Soft-skinned configuration / No armor (非装甲、複合装甲および爆発反応装甲なし) |
| Main Armament (主武装) | なし |
| Secondary Armament (副武装) | なし(ただし部隊構想により車載用12.7mm重機関銃M2や62式7.62mm機関銃などを前席上部や荷台にマウント可能) |
| Engine (エンジン出力 hp/kW) | Toyota 2B / 3B water-cooled 4-stroke inline 4-cylinder diesel, 115 hp / 85 kW (※後に日野製W04Dエンジン等へ換装・移行) |
| Max Speed (最高速度: 整地/不整地) | Paved: 95 km/h, Unpaved: Approx. 45 km/h |
| Operational Range (航続距離) | 600 km |
OPERATING FORCES / 運用国・軍種
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画像の引用元
- Crescent moon – 投稿者自身による著作物, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=124489714による
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- By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=52120913
- By Hunini – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=63981467












