MINIMI Mk3

MINIMI Mk3

概要と開発の背景

FN MINIMI Mk3は、2013年にベルギーのFN Herstal(Fabrique Nationale Herstal)が発表した小口径軽機関銃および中口径汎用機関銃の最新現代化改修型モデルである。1970年代に開発された初期型MINIMI(Mk1/Mk2)は、西側諸国をはじめとする世界各国の軍事組織で長年にわたり制式採用されてきた。しかし、実戦環境の変化に伴い現代歩兵の運用ニーズが大きく変化した。現代の歩兵戦闘においては、ボディアーマー(防弾チョッキ)や各種プレートキャリアの着用が一般的となり、従来の固定型や金属製折りたたみ銃床では適切な射撃姿勢やアイリリーフの調整が困難となった。また、各種光学照準器や暗視装置、フォアグリップ等の拡張装備を無加工で装着できる共通インターフェースが強く求められた。こうした現代化や人間工学的(エルゴノミクス)な更新要請に対応するため、FN Herstal社は基本メカニズムを活かしつつ各種アタッチメントに完全適応する改修型として本機を完成させた。

構造と技術的特徴

構造上の最大の特徴は、徹底的な人間工学の再設計と最新のアクセサリー拡張インターフェースを統合している点にある。銃床部には5段階の長さを調節できる伸縮機構と高さ可変のチークピースを完備し、厚手の防具着用時でも最適な構えやすさを提供する設計上の配慮がなされている。ハンドガード部およびフィードカバー上面にはピカティニーレール(MIL-STD-1913)を標準装備し、各種光学スコープや照準補助具の確実な固定を実現している。作動方式には信頼性の高いガス圧利用式と回転ボルト閉鎖機構を踏襲しつつ、給弾トレーの爪部改修により片手でのベルトリンク装填作業を容易にする構造上の工夫が施されている。さらに、片手で安全に交換できる改良型クイックチェンジ・バレル(迅速交換式銃身)や統合型バイポッド(二脚)を備え、旧型のMk1/Mk2レシーバーからコンバージョンキット(改修部品)を用いて直接Mk3仕様へ相互アップグレード可能な柔軟構造を有している。

運用実績と評価

2013年の正式発表以降、開発国ベルギー軍をはじめ、ポルトガル陸軍や各種特殊部隊などで既存MINIMIからの更新および新規導入が進められた。日本の自衛隊においては、国内ライセンス生産を担っていた住友重機械工業の機関銃事業撤退に伴い、後継となる新小口径機関銃の選定試験が実施された。その結果、過酷な環境での動作信頼性や運用適合性に優れた「MINIMI Mk3」が選定され、2023年度より「5.56mm機関銃MINIMI(B)」の正式名称でFN Herstal社からの直接輸入による導入調達が開始された。約3,000挺以上の順次導入が進められ、陸上自衛隊の普通科部隊における最新の分隊支援火器として配備運用されている。実際の訓練や演習においては、各種照準補助具の無加工装着や防弾チョッキ着用時の高い射撃安定性、片手給弾による即応性の向上が具体的かつ高く評価されている。従来型からの絶大な作戦信頼性を維持しつつ、21世紀の最新兵士装備に完全対応した現代型軽機関銃として確固たる立ち位置を占めている。

Official Name (正式名称)MINIMI Mk3
Country of Origin (開発国)ベルギー
Manufacturer (製造メーカー)FN Herstal
Designed (設計年)FN Herstalによって2013年頃に開発・発表され、同時期から各国軍で運用が開始された軽機関銃
Primary Operators (主な運用組織)日本:陸上自衛隊(普通科部隊、水陸機動団、第1空挺団、特殊作戦群など)、海上自衛隊(特別警備隊)(5.56mm機関銃MINIMI、MINIMI Mk3 ※5.56mm機関銃(B)の名称で運用)
ベルギー:ベルギー陸軍、ベルギー特殊部隊群(FN Minimi Mk3 5.56mm/7.62mm)
フランス:フランス陸軍、外人部隊、COS(Minimi Mk3)
カナダ:カナダ陸軍、JTF2(C9A3 Minimi Mk3)
オーストラリア:オーストラリア陸軍、SASR、第2コマンド連隊(Minimi Mk3)
ニュージーランド:NZ Army、NZSAS(Minimi Mk3)
ドイツ:KSK、ドイツ連邦軍特殊部隊(Minimi Mk3)
オランダ:オランダ陸軍、Korps Commandotroepen、NLMARSOF(Minimi Mk3)
ノルウェー:ノルウェー陸軍、Forsvarets Spesialkommando(Minimi Mk3)
デンマーク:デンマーク陸軍、Jægerkorpset(Minimi Mk3)
フィンランド:フィンランド陸軍特殊部隊(Minimi Mk3)
ポーランド:ポーランド陸軍、JW GROM(Minimi Mk3)
リトアニア:リトアニア陸軍、特殊作戦部隊(Minimi Mk3)
チェコ:チェコ陸軍特殊部隊(Minimi Mk3)
スロバキア:スロバキア陸軍特殊部隊(Minimi Mk3)
イタリア:イタリア陸軍特殊部隊(Minimi Mk3)
スペイン:スペイン陸軍、Infantería de Marina(Minimi Mk3)
ポルトガル:ポルトガル陸軍特殊部隊(Minimi Mk3)
ギリシャ:ギリシャ特殊部隊(Minimi Mk3)
トルコ:トルコ特殊部隊(Minimi Mk3)
イスラエル:イスラエル国防軍特殊部隊、Shayetet 13(Minimi Mk3)
サウジアラビア:サウジアラビア特殊部隊(Minimi Mk3)
アラブ首長国連邦:UAE Presidential Guard(Minimi Mk3)
インド:Para SF(Minimi Mk3)
フィリピン:フィリピン特殊作戦軍、Scout Rangers(Minimi Mk3)
タイ:タイ王国陸軍特殊部隊(Minimi Mk3)
マレーシア:GGK、PASKAL(Minimi Mk3)
インドネシア:Kopassus、Kopaska(Minimi Mk3)
シンガポール:Singapore Armed Forces 特殊部隊(Minimi Mk3)
韓国:大韓民国特殊戦司令部、707特殊任務団(Minimi Mk3)
ブラジル:GRUMEC、ブラジル特殊作戦部隊(Minimi Mk3)
メキシコ:メキシコ海軍特殊部隊 FES(Minimi Mk3)
コロンビア:コロンビア特殊部隊(Minimi Mk3)
ウクライナ:ウクライナ特殊作戦軍、突撃部隊(供与Minimi Mk3)
イラク:イラク対テロ部隊 ICTS(供与Minimi Mk3)
アフガニスタン:アフガニスタン特殊治安部隊(旧政権時代)(供与Minimi Mk3)
アフガニスタン:タリバン(鹵獲Minimi Mk3)
Type (種類)軽機関銃
Caliber (口径)5.56x45mm NATO
Action (作動方式)Gas-operated(ガス直噴方式)
Overall Length (全長)1040mm
Barrel Length (銃身長)465mm
Weight (重量)8.2kg
Rate of Fire (発射速度)800 rpm
Effective Range (有効射程)800m
Feed System (給弾方式)Link belt

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl John Hall, Public domain, via Wikimedia Commons- https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Australian_soldier_armed_with_Minimi_MK3_during_Exercise_Balikatan_23.webp

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