Mossberg 500 / 590A1

M500 / M590A1
アメリカ海軍のM590A1

概要と開発の背景

Mossberg 500は、1961年にアメリカ合衆国のO.F. Mossberg & Sons社が開発した12ゲージ口径を中心とする量産型ポンプアクション式散弾銃である。ベトナム戦争期のアメリカ軍においては、第二次世界大戦や朝鮮戦争期から引き継がれたWinchester M12やStevens 77Eなどの旧式散弾銃が運用されていたが、湿地帯やジャングルなどの過酷な環境下における動作耐久性とコスト効率に優れた後継火器の配備が急務とされた。これを受けて導入が進められたMossberg 500シリーズは、1980年代に入るとアメリカ軍の高度な軍用規格要件(MIL-S-3443)を満たすための改良が施され、耐久性を格段に高めたヘビーバレル仕様の軍用モデル「590」および「590A1」へと発展した。

構造と技術的特徴

本機の設計上における大きな眼目となっているのが、レシーバー上部に配置された左右両対応(アンビ仕様)のタン・セフティ機構と、作動時の引っかかりを防ぐダブル・アクション・バー構造にある。軽量なアルミ合金製レシーバーを採用しながらも、2本の鋼鉄製アクション・バーがフォアエンドの引き動作を歪みなく伝達するため、砂塵や泥濘下でも確実な給排殻動作を維持する。さらに、軍用規格モデルである「590A1」においては、通常型(500)から大幅な構造強度の強化が図られている。艦艇内での強打やドアイラプション(強行突入)時の衝撃に耐えうる肉厚なヘビーバレル(厚肉砲身)が標準装備されているほか、落下衝撃事故を防ぐためトリガーガードおよび安全装置レバーがポリマー製からスチール/アルミ金属製へと変更された。また、銃口下部のチューブマガジン先端には清掃を容易にするクリーンアウト・キャップとM9銃剣を装着するためのバヨネット・ラグを備えている。

運用実績と評価

1960年代の初期型採用以降、アメリカ陸軍、海軍、空軍、海兵隊、沿岸警備隊のアメリカ全軍種において制式配備され、アメリカ軍の苛酷な軍用耐久テスト(MIL-S-3443規格のフルパワーバックスホット3,000発射撃試験)を唯一クリアした散弾銃として知られる。湾岸戦争やアフガニスタン紛争、イラク戦争をはじめ、現代のアメリカ軍が関与した主要な戦場や海上臨検(VBSS)任務へ全面的に投入された。過酷な戦場環境における圧倒的な作動信頼性と、ドア破壊(ドアブリーチング)、近接戦闘(CQB)、陣地警備、さらには非致死性ゴム弾を用いた暴動鎮圧に至る多角的な対応力が高く評価されている。アメリカ軍のみならず、世界各国の警察機関や治安部隊でも広く制式採用されており、現在に至るまで軍用ポンプアクション・ショットガンの最高峰として不変の立ち位置を誇っている。

Official Name (正式名称)Mossberg 500 / 590A1
Country of Origin (開発国)アメリカ合衆国
Manufacturer (製造メーカー)O.F. Mossberg & Sons
Designed (設計年)Mossberg 500は1960年に設計され、1961年に発売
Mossberg 590A1は1980年代後半に軍用型として設計され、1987年ごろに完成
Primary Operators (主な運用組織)アメリカ合衆国:アメリカ陸軍(2026年に対ドローン[反UAS]戦術火器としてM590A1を追加調達)、アメリカ海軍(艦艇防衛・潜水艦アームズ)、アメリカ海兵隊(特殊作戦部隊[MARSOC]、偵察部隊、憲兵隊、爆発物処理班等)、アメリカ空軍(セキュリティフォース)、アメリカ沿岸警備隊、連邦捜査局(FBI)、国境警備隊(USBP)、および数千に及ぶ地方警察・保安官事務所のSWAT部隊やパトロール車載用火器
イギリス:ロンドン警視庁(SCO19等を含む各地方警察の公認火器担当官[AFO]部隊)、およびイギリス陸軍特殊部隊(UKSF:近接戦闘[CQB]やドアブリーチング用に短銃身ベースモデル等を限定調達・運用)
オランダ:王立オランダ陸軍(特殊部隊コマンダ部隊[Korps Commandotroepen]、空中機動旅団、装甲歩兵部隊において590DA1の制式名で保有)
ウクライナ:ウクライナ陸軍(2022年のロシア侵攻以降、米国政府からの公式な防衛安全保障援助パッケージの供与アセットとして大規模に導入され、前線および対ドローン部隊で現役実戦運用)
ブラジル:ブラジル海軍(海兵特殊作戦大隊、海兵隊[Corpo de Fuzileiros Navais])、ブラジル陸軍(第1特殊作戦大隊[BFEsp]および陸軍憲兵隊等で運用)
ポーランド:ポーランド軍(憲兵隊[Military Gendarmerie])、国家警察(Policjaの特別部隊・暴動鎮圧部隊)
ポルトガル:ポルトガル海軍(海兵隊[Portuguese Marine Corps]の近接戦闘および各種セキュリティセクション)
セルビア:内務省警察(特別テロ対策部隊[SAJ]、国家警察の特殊戦術ユニット)
パプアニューギニア:パプアニューギニア王立警察(タスクフォースユニット[Task Force Unit]、特別サービス部隊[SSD])
マレーシア:マレーシア軍(特殊作戦部隊、基地防衛部隊)、国民ボランティア隊(RELA)
スペイン:治安警備隊(Guardia Civilのタクトユニット、各地方の戦術警察部隊)
ソロモン諸島:ソロモン諸島王立警察(オーストラリア国防軍等の支援に伴う治安維持アセットとして公式保有)
アイスランド:国家警察(戦術部隊「Víkingasveitin」含む特殊対応チーム)
チリ:チリ海軍(海兵隊[Cuerpo de Infantería de Marina])、チリ陸軍
メキシコ:メキシコ陸・海軍、連邦警察(※提携工場で製造される廉価版派生品「Maverick 88」も地方治安組織・パトロール用に大量同時運用)
日本:陸上自衛隊(※部隊一括の主力制式装備ではないが、技術研究、試験評価用、または特定の特殊部隊アセットの一部として公式に少数の保有実績・記録あり)
アルゼンチン:アルゼンチン陸軍(憲兵部隊、特殊作戦部隊)
ルーマニア:ルーマニア陸軍(特殊作戦部隊)
レバノン:レバノン陸軍(特殊作戦旅団、治安維持部隊)
カザフスタン:カザフスタン軍(※2022年の国内暴動・混乱期を含むセキュリティオペレーション時の保有が確認されている)
モロッコ:モロッコ王国軍(FAR)および王立憲兵隊・警察などの各種治安機関において、Mossberg 500(M500)および Mossberg 590(590A1)の双方が運用
Type (種類)ポンプアクションショットガン
Caliber (口径)12 gauge, 20 gauge, .410 bore(※500シリーズ全体の対応口径。軍用の590A1は12 gaugeのみ)
Action (作動方式)Pump-action(ポンプアクション)
Overall Length (全長)約 660 mm – 1,041 mm(26 – 41 inches)
(※銃身やストックの仕様による。一般的な狩猟・ミリタリー用固定銃床モデルのレンジ。折り畳みストック仕様やピストルグリップのみの「Cruiser」仕様によって変動するが、展開時/折り畳み時を一元化した公式データはないため詳細値は不明)
Barrel Length (銃身長)356 mm – 762 mm(14 – 30 inches)
Weight (重量)2.5 – 3.6 kg(5.5 – 8.0 lbs)
Rate of Fire (発射速度)手動でコッキングを行うポンプアクション式
Effective Range (有効射程)約 45 m(バックショット弾時) / 約 91 m(スラッグ弾時)
(※米海軍等の公式マニュアル記載の 50 yards / 100 yards に基づく換算値)
Feed System (給弾方式)5 – 9連チューブラーマガジン(管状内蔵弾倉) (※装弾数はモデルおよび使用シェルサイズによって5+1発〜8+1発等へと変動する。なお、着脱式箱型弾倉を使用するモデルは別派生型の「500M」または「590M」となる)

OPERATING FORCES / 運用国・軍種

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画像の引用元
  1. 作者 U.S. Navy Photo by Photographer’s Mate Second Class Chantel M. Clayton – 本图像是美国海军的军人或雇员在执行个人官方任务期间拍摄或制作的作品,编号为041102-N-4649C-001。此标签不表示文件的著作权状态。任何文件在附有此标签的同时还需要一个有效的著作权标签。请参阅许可协议说明页面以了解更多信息。العربية ∙ বাংলা ∙Bahaso Jambi ∙Deutsch ∙ Deutsch (Sie-Form) ∙ English ∙ español ∙ euskara ∙ فارسی ∙ français ∙ italiano ∙ 日本語 ∙ 한국어 ∙ македонски ∙ മലയാളം ∙ Plattdüütsch ∙ Nederlands ∙ polski ∙ پښتو ∙ português ∙ русский ∙ slovenščina ∙ svenska ∙ Türkçe ∙ українська ∙ 简体中文 ∙ 繁體中文 ∙ +/−,公有领域,https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8235297
  2. By Marine Corps Sgt. Branden Bourque – https://www.defense.gov/observe/photo-gallery/igphoto/2002237743/, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=101767425
  3. By U.S. National Guard photo taken by Sgt. Garrett L. Dipuma, National Guard Marksmanship Training Center and publicly released via The National Guard Flickr account – https://www.flickr.com/photos/thenationalguard/35789449380/DVIDS copy:This image was released by the United States National Guard with the ID 170724-Z-PJ019-270 (next).This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing.العربية ∙ বাংলা ∙Bahasa Indonesia ∙Bahaso Jambi ∙Deutsch ∙ Deutsch (Sie-Form) ∙ English ∙ español ∙ euskara ∙ فارسی ∙ français ∙ italiano ∙ 日本語 ∙ 한국어 ∙ македонски ∙ മലയാളം ∙ Plattdüütsch ∙ Nederlands ∙ polski ∙ پښتو ∙ português ∙ русский ∙ slovenščina ∙ svenska ∙ Türkçe ∙ українська ∙ 简体中文 ∙ 繁體中文 ∙ +/−, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=116821489
  4. By Marines from Arlington, VA, United States – Shotgun Blast, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=51104436
  5. By National Police of Colombia – This image was sourced from the Flickr gallery of the National Police of Colombia., CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=37472177
  6. By Paulo Vitor – Governo do Rio de Janeiro: Forças de segurança realizam simulado integrado, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=52613425
  7. By Aissam ham – Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=70674591

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